iPhone 12
Apple

ついに発表されたiPhone 12シリーズでは、充電器と有線イヤホンが同梱されなくなりコストカットが図られています(アップル公式には「カーボンニュートラルな社会」を実現するため)。

しかし、こうした対策をしても新型iPhoneでは製造コスト増加が吸収しきれず、アップル側の利益率が下がっている、という分析が伝えられています。

英投資銀行Barclaysの最新アナリストノートは、アップルの利益率と潜在的に低い平均販売価格(ASP)に懐疑的な見方を示し、その結果AAPL(アップル株)の目標価格を大幅に下げたとのことです。

前者の利益率の低下とは、要は「iPhone 12の製造コストが増えているが、対して販売価格は抑えられている」ということで、後者の「潜在的に低い平均販売価格」とは、高価なProシリーズよりも安価なエントリーモデルが売れやすいと見られていることを示します。

コスト増の大きな要因は、1つには4機種全モデルでの5G対応(それによるモデムチップや関連パーツの費用)です。もう1つは、ここ数年来はハイエンドのProモデルのみに採用されていた有機ELディスプレイがエントリーモデルであるiPhone 12およびiPhone 12 miniにも搭載されたことです。

さらには、iPhone 12 ProとiPhone 12 Pro Maxの最小ストレージが64GBから128GBに増やされた点(ベースモデル価格は前年モデルから据え置きのため、ストレージ増量は実質的に値下げ)も強調されています。

つまり、アップルは上記のように充電器と有線イヤホンの同梱を止めていますが、その節約でも5G対応、有機EL、ストレージの増量分のコストをカバーできず、iPhoneの利益率が下がるのでは、という観測です。

もちろんアップルはほぼ全ての企業の中でも最も高い利益率を誇ってはいますが、投資家の目から見れば、その下落がわずかであっても重視される、というわけです。

さらにエントリーモデルのiPhone 12は799ドル~(日本では8万5800円)のため、5G対応が始まったばかりの状況では、消費者はより安価なiPhone 12 miniや値下げされたiPhone 11に流れる可能性があるとのこと。

そしてiPhone 12 miniおよびiPhone 12 Pro Maxの発売が11月まで遅れることや、ユーザーにとって5Gが必要になりそうな理由について説得力ある材料を用意できていないことも、アップル株にとって負の要因と分析しています。

アップルの株主にとっては眉をひそめる事態ではありますが、消費者の立場から見ると「今年のiPhone 12シリーズは5G普及のために、コストを度外視した戦略価格であり、お買い得モデル」とも受け取れます。

昨年のiPhone 11シリーズも高性能の割に抑えた価格が好評でしたが、今年はさらに控えめなこともあり、長らく様子見していた人も買い換えに踏み切ってもいいかもしれません。

Source:9to5Mac