10月23日に、無事発売を迎えたiPhone 12と12 Pro。11月13日には、コンパクト版のiPhone 12 miniと、プロシリーズの大画面版iPhone 12 Pro Maxの発売が控えていますが、まずはど真ん中の2機種から登場した格好です。iPhone 12シリーズでは、無印のiPhone 12が画面サイズそのままに小型化したのに対し、iPhone 12 Proは本体の横幅をほぼキープしながら、画面サイズが大きくなっています。結果として、2機種は同サイズになり、ケースなどのアクセサリーも共通化が図られています。

Apple iPhone 12 Pro
▲iPhone 12 Proのゴールドを選択、発売日に入手できた

筆者は、発売日にiPhone 12 Proを購入。昨年から使ってきていたiPhone 11から乗り換えました。無印のiPhone 11からiPhone 12 Proは、ある種グレードを上げたことになりますが、そこには理由があります。1つ目は、金ぴかフレームのゴールドにノックダウンされたこと。発表時に、一目見たときから、「あれはいいものだ」という思いに取りつかれてしまい、予約開始日には、迷わずiPhone 12 Proのゴールドを選択していました。スペック差や金額差はあまり気にしていませんでした(笑)。

今年はコロナ禍のため、リアルな発表会は開催されず、発表直後に実機(や記者が撮ったリアリティのある写真)を見ることができませんでした。そのため、製品写真のようなキラキラ感が本当に出ているのかは、届いてみるまで少々不安でしたが、実物はほぼ予想通り。上品に言えば、ゴールドのアクセサリーのような存在感があり、ガンダム的に言えば、3倍速い人が好みそうな金ぴかぶりです。直線的になったフレームのデザインともしっかりマッチしています。

Apple iPhone 12 Pro
▲貴金属のように金色に光るフレームに一目ぼれ

逆に、背面は予想以上に薄く、どちらかと言うと、ベージュに近い色合い。iPhone 11 Proのときのようなガラスで金属を再現したような質感は少し弱まった印象を受けます。それはそれで上質感があっていいのですが、製品写真はもう少し濃かったような記憶も……。写真、特にネット上のそれは、ディスプレイの色味の問題もあってなかなか正確さを担保するのが難しいのですが、素材感を再現するのは至難の業だと改めて思わされました。

Apple iPhone 12 Pro
▲背面は色合いが薄く、明るい場所だとベージュのようにも見える

実環境で使っていても、カメラの性能が向上したことはよく分かります。一言で言うと、HDRがより効果的になったといったところでしょうか。料理を撮ったときには、割とコッテリした色合いになりますし、逆光気味のシーンでバシバシ撮っても、背景が白飛びせず、きっちりと描写できているのはさすが。第3世代になって、いきなり「3」を主張し始めた「スマートHDR3」の効果と言えそうです。

Apple iPhone 12 Pro
▲A14 Bionicの力で、カメラが大きく進化。設定画面にも、その変化が見て取れる
Apple iPhone 12 Pro
▲ご飯も風景も人物も、シャッターを押すだけでよりキレイに撮れるようになった。色味もさらに正確になった

それ以上に、ぱっと見で進化が分かりやすいのが、Dolby Visionに対応した動画撮影。リアルタイムにグレーディングを行い、コントラストの高い、パキっとした映像を撮ることができます。筆者の購入したiPhone 12 Proでは、4K、60fpsでの撮影が可能。同じくDolby Visionの表示に対応したiPhone 12 Proのディスプレイで見ると、日常的な風景が、まるで映画のワンシーンのようにも思えてきます。

Apple iPhone 12 Pro
▲Dolby Visionでの撮影に対応。iPhoneで表示させたときの見え方が近くなるよう、写真を補正している

ただ、それを人に伝えるのがネットワークごしだとなかなか難しいのが悩みどころ。現状では、以下のようにYouTubeに動画をアップロードすると「HDRである」と認識されるようですが、他のDolby Vision対応スマホで見ても、iPhone 12 Proで見たときのように、グイッと輝度を持ち上げたような絵にはなりません。自宅のテレビ(BRAVIA)も、4KでDolby Visionに対応していたため、BRAVIA内蔵のAirPlay2で表示させてみましたが画質はイマイチ。しかもなぜかカクカクしてしまいました。

結局のところ、iPhone 12シリーズで見るのがもっともこちらの意図に近くなるため、上記の動画は有機EL搭載でHDR対応のiPhone同士でエアドロして見せ合うといった形が、今のところのベストなのかもしれません。Facebookなり、TwitterなりのSNSが対応してくれると手軽でおもしろいのですが、こうしたサービスがiPhone 12シリーズの動画に対応するには、まだ時間がかかるかもしれません。

通信回線の選択も、なかなか悩ましいポイントでした。筆者は、普段、iPhone用の回線にauを使っています。購入したiPhone 12 ProはSIMフリーだったため、受け取り直後にauのお客様センター(157 / 0077-7-111)に電話して、5Gへの切り替え作業を依頼する必要がありました。最初のやり取りが、なんとなくかみ合っていなかったため、少々不安を覚えましたが、担当者に取り次がれた後はスムーズに手続きが完了。電話は20分弱で終わり、本体セットアップ完了後にSIMカードを挿したところ、きちんと認識され、ネットワークにつながりました。

Apple iPhone 12 Pro
▲auのSIMカードは以前のものだが、電話で5Gへの切り替えが完了した

ここまではいいのですが、問題はeSIMをどうするのか。eSIMが大好きな筆者は、普段から、auとは別にIIJmioのeSIMを設定して、DSDS(デュアルSIM/デュアルスタンバイ)でiPhoneを使用していました。さらに、移行手数料の無料化を受け、楽天モバイルのSIMカードもeSIM化していたため、こちらもiPhone 12 Proに読み込んでいます。ただし、先行レビューでも記載したとおり、eSIMをオンにすると、物理SIM側の5Gが無効になってしまいます。5Gを取るか、eSIMとのDSDSを取るかの2択になってしまうというわけです。

Apple iPhone 12 Pro
▲eSIMをオンにしてDSDSにすると、物理SIM側の5Gも無効になってしまう

せっかくのau 5Gを体感してみたいところですが、楽天モバイルを2回線目に設定すれば、4Gながら今のところは無料でデータ通信が使い放題です。都内でも、特にビル内の高所や地下などでは、圏外になってしまうこともまだまだありますが、DSDSなら、そんなときだけauに切り替えればOK。一方で、現時点では、5Gのエリアは限定的です。そこで、基本はDSDSで楽天モバイルを使いつつ、5Gを体験したいときだけ、eSIMをオフにする運用をしています。4Gからの周波数転用が進み、エリアが拡大した際には、設定を改めてもいいかもしれません。

そんなこんなでiPhone 12 Proを購入した筆者ですが、このサイズ感はほどよく、操作性と視認性を両立していると感じています。iPhone 12 miniのようなコンパクトスマホは画面が見づらいと感じるお年頃になってしまった上に、iPhone 12 Pro Maxはちょっと大きすぎる&重すぎる予感がするため、自分用のスマホとしてはいい選択ができたのではないかと自負しています。


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