シリーズ最上位モデルでカメラのセンサーサイズも大きくなった「iPhone 12 Pro Max」。一方で、持ったとき、“デカくて重い”と感じる人も少なくないでしょう。カメラ機能やディスプレイ性能にひかれて、PlusやMax以外のiPhoneから乗り換えると、サイズ感や重量感が気になってしまうかもしれません。iPhone 12 Proを購入した筆者もそうでした。

▲色々な意味で存在感のあるiPhone 12 Pro Max

実際、サイズは160.8×78.1×7.4mmで、厚み以外は先代のiPhone 11 Pro Maxより大型化していますし、重量も226gで据え置き。数字にするとわずかですが、ディスプレイサイズが6.7インチにアップしていたり、直線的なフレームを採用していたりするところが、そう思わせてしまう要因と言えそうです。

標準設定のままでは、片手操作は難しいのは事実。ただ、使いづらいかというと、必ずしもそうではありません。iOS 14では、より大画面版iPhoneの使い勝手を高める機能が盛り込まれています。こうした設定や機能を駆使すれば、操作性を向上させることができます。真っ先に試したいのはウィジェットです。

▲無理やり片手で使おうとすると、指がつりそうになる(笑)。ひと工夫が必要だ

iOSのアイコンは左上から自動整列で並んでしまうため、最初に置いたものが片手操作時にタッチしづらくなります。筆者は比較的手が大きい方だと自認していますが、それでもiPhone 12 Pro Maxの上部には親指が届きません。6.7インチもあるので当然ですが(笑)。そのため、上部はiOS 14の新機能であるウィジェットで埋めてしまうことをお勧めします。

何を置くかはその人のセンス次第ですが、天気予報やニュースなどのウィジェットなら、タップの必要なく、情報を確認できます。iPhone 12 Pro Maxなら、画面上の文字も大きく表示されるため、見やすいことこの上なし。しかも、アイコンが下に押し出されるため、親指が届きやすくなり、一石二鳥です。

▲ウィジェットを置き、タッチする範囲を自ら狭めてしまえば、操作がしやすくなる

ウィジェットは、新機能で、自ら設定しなければならないため、まったく気づいていない人もいるようです。筆者もそんな人にウィジェットの存在を教えたことがありますが、新機能をアピールするために、せめてiPhone 12 Pro Maxは、初期状態で1つか2つ、ウィジェットを配置しておいてあげてもよかったのでは……と思いました。そのぐらい、上部にウィジェットを置くと、iPhone 12 Pro Maxは操作性が変わります。

iOS 14で加わった背面タップも、iPhone 12 Pro Maxで駆使したい設定の1つ。レジ前で使う頻度が高い、何とかPayなどのアプリを設定しておけば、片手で持ってもスムーズに呼び出せます。なお、背面タップはアクセシビリティから設定しますが、標準ではアプリの起動を割り当てられません。この機能を使うには、アプリの起動を割り当てたショートカットを先に作成する必要があります。

▲「設定」→「アクセシビリティ」→「タッチ」→「背面タップ」で、割り当てる動作を選択
▲アプリを開くためのショートカットを、事前に作成しておく

また、キーボードの左右寄せも、片手で使う際には設定しておいた方がいいでしょう。横幅が78.1mmもあると、さすがに、反対側まで指が届きにくいため、よく持つ手の方向にキーボードを寄せておくことをおすすめします。キーボードの左右寄せは、キーボード利用時に地球のアイコンを長押しして設定します。

▲キーボードは、左右どちらかに寄せておくのが正解

キーボードに関しては、無理に片手で使おうとせず、両手で入力するのもアリ。横位置にすると、キーボードが両手で使えるように、レイアウトが変わるからです。このモードにすると、右手の親指でキーボードをフリックしながら、左手の親指で変換候補を選択でき、片手で操作するときより、指の動きが効率的。iPhone 12 Pro Maxはフレームがフラットになったため、手のひらに押しつけるようにして持つと、安定性も向上して、文字が打ちやすいと感じました。

▲横にすると、キーボードが分割される。両手持ちさえできれば、入力のしやすさは抜群

ディスプレイのサイズを生かし、ランドスケープモードに対応しているのもiPhone 12 Pro Maxの特徴。この機能は、iPhone 12 miniはもちろん、iPhone 12やiPhone 12 Proでも利用できません。ランドスケープモードとは、iPad風に横表示できる機能のこと。「設定」や「メール」「ファイル」「メモ」などが、2ペイン、3ペインで表示できます。

▲ランドスケープモードに対応しているのは、iPhone 12 Pro Maxだけ

たとえば「設定」で、「モバイル通信」を開いたあと、「Wi-Fi」の設定を切り替えたい場合、他のiPhone 12シリーズでは、1回該当する設定項目を開いたあと、いったん「設定」の1画面目に戻る必要があります。これに対し、ランドスケープモードなら、「モバイル通信」の設定を終えたら「Wi-Fi」の項目をタップするだけ。タップの手数が少なくなるため、操作がスムーズになります。

ただし、残念ながら、メールやメモ、ファイルといったアプリは、左ペインをタップすると同時に引っ込んでしまうため、画面を左右に分割して右ペインにデータの中身を次々に表示させることはできません。この点は以前から変わっていませんが、そろそろ改善されてほしいポイント。iPadでもそうですが、どうして左ペインが引っ込んでしまうのか……は常々疑問に思うところです。

ほかのレビューでも言及されているとおり、ディスプレイの迫力や、カメラの画質はiPhone 12シリーズの中でもトップクラスのiPhone 12 Pro Max。「Maxの名前は、伊達じゃない」というわけです。両手使いを前提にするなら、文字入力などは快適。片手操作には、ひと工夫が必要ですが、iOS 14では、サイズをある程度克服できる機能も搭載されているため、チャレンジしてみる価値はありそうです。

さらに、このサイズ感なら、iPad miniの小型版としても使えます。Apple Pencilに対応していれば、iPhoneとiPadの間を埋めるデバイスに脱皮できそうな予感もしますが、その辺は、次のMaxに期待しています。