iPhone SE を実質無料に J:COM MOBILE が加入者獲得に本腰

新生 J:COM MOBILE とは?

石野純也 (Junya Ishino)
石野純也 (Junya Ishino)
2020年09月16日, 午後 06:00 in iphone
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iPhone SE

KDDI傘下のJ:COM MOBILEが、サービス内容を大幅に強化し、加入者獲得に本腰を入れようとしています。ケーブルテレビや固定通信を入り口に加入していたモバイルという位置づけを変え、モバイル自体をJ:COMの各サービスの入り口にしていくのが同社の方針。オンラインショップや端末も強化します。

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▲J:COM MOBILEが、サービス内容を大幅に強化した

9月15日に開催された「新生J:COM MOBILE発表会」では、データ通信容量の見直しや、容量超過時の増速などが発表されました。元々J:COM MOBILEには、0.5GB、3GB、10GB、20GBと4つの容量別プランが用意されていましたが、このうち、0.5GBと3GBのデータ通信量を増量。料金は980円、2980円に据え置きのまま、0.5GBが1GBに、3GBが5GBになります。

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▲0.5GBは1GBに倍増。3GBのプランも5GBに増量する

余ったデータ容量は、1GB単位で翌月に繰り越し可能。また、5GBのプランについては、スマホをセットで購入すると、12カ月間「J:COM MOBILEスタート割」が適用され、1980円に価格が下がります。特に1GBプランは、大手MVNOで用意しているところが少なく、金額も980円と最低水準。スマホを出先であまり使わず、Wi-Fi経由で通信している人にはお得なプランと言えそうです。

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▲余った通信量は、翌月に繰り越し可能だ

一方で10GBと20GBのプランは容量や価格は据え置きになっています。代わりに、この2つのプランでは、容量超過時の通信速度が200Kbpsから1Mbpsに増速されます。ジュピターテレコムの代表取締役社長、石川雄三氏はNetflixの例を挙げつつ、「Netflixの基準だと最低限の速度が0.5Mbps。1Mbpsもあれば、動画も不自由なくご覧いただけるのではないか」と語りました。料金はそれぞれ3980円、4980円になりますが、無制限的に使えるようになるのは魅力的です。

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▲10GB、20GBのプランは、容量超過時の速度を1Mbpsにアップさせた

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▲発表会で新生J:COM MOBILEをアピールした石川社長

端末も強化し、新たに第2世代のiPhone SEを導入しました。石川氏が強調したのは、「フルラインナップ」であること。例えば、UQ mobileやワイモバイルなどのサブブランドは64GB版と128GB版しか取り扱っていませんが、J:COM MOBILEには256GB版もラインナップされています。カラーも全色そろい、大手キャリアと同様の基準で選べるというわけです。

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▲iPhone SEは、全色、全容量を取り扱う

さらに、そのiPhone SEは「かなり思い切った価格で提供する」(石川氏)といいます。特にお得なのが10GBプラント20GBプラン。これらのプランでは、「端末割」が適用され、毎月1050円が割り引かれます。iPhone SEは64GB版が48回(4年)割賦で月1050円。4年間使ったときの実質価格は0円になります。ちなみに、128GB版が150円、256GB版が350円と、こちらも割安です。

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▲端末割の適用で、新規契約の場合、iPhone SEの64GB版がなんと実質0円に

懐かしの“実質0円”が大復活した格好ですが、J:COM MOBILEはKDDI傘下の企業。電気通信事業法の改正によって、割引が2万円に制限されているなか、なぜここまで大胆な手を打てたのでしょうか。実はジュピターテレコムは、政令でKDDIの特定関係法人に指定されておらず、ユーザー数も100万に満たないため、割引規制の対象外なのです。大手キャリアやサブブランド、その傘下のMVNO以上に大胆な割引をできる理由は、ここにあります。

さらにJ:COM MOBILEでは、「スマホmoreプログラム」というアップグレードプログラムを提供しています。このプログラムは、24回ぶんを支払って機種変更すれば、残債が免除される仕組み。2年で機種変更している人は、半額の支払いで機種変更できてしまうというわけです。48回払いを選択すると自動で適用され、申し込みも不要。MNOのアップグレードプログラムより、お得感がある仕組みと言えるでしょう。

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▲現在提供中のスマホmoreプログラムは、iPhone SEにも適用されるという

J:COM MOBILEが料金プランや端末に磨きをかけた背景には、MVNOを同社のサービスの入り口にしたいという思惑があります。石川氏がこれまでは「我々はテレビからスタートしているため、テレビからのアップセルが中心になってきた」と語っていたように、J:COM MOBILEはケーブルテレビ契約者を中心にしたMVNOでした。ただ、それではどうしても広がりを欠きます。J:COM自体は554万世帯が利用していますが、J:COM MOBILEは「残念ながら、こういう数にはなっていない」(同)のが現状です。

テレビ中心だった発想を変え、「我々のプラットフォームに入っていただく入り口は何でもいい」(同)としたことが、J:COM MOBILE強化につながったと言えます。ケーブルテレビ契約者中心で、訪問サポートなども充実していた結果、J:COM MOBILEは60代以上のユーザーが約6割にもなります。逆に言えば、若年層を取りこぼしていたとも言えるでしょう。料金プランの強化や、iPhone SEの積極販売をすることで、「若い方にも便利にご利用いただけるサービスに衣替えした」(同)というわけです。

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▲ユーザー層の中心は60代以上。逆に言うと、若年層を取りこぼしていた

特定関係法人には指定されていないものの、KDDIはJ:COM MOBILEもサブブランドの1社と位置づけており、モバイルID数拡大戦略の一翼を担っています。同社は10月1日にUQ mobileを統合し、サブブランドを強化する方針ですが、J:COM MOBILEのサービス刷新も、こうした流れに沿ったもと言えます。同じくサブブランド戦略を推し進めるソフトバンクにとっては、思わぬ伏兵になるかもしれません。


 
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