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今回試用したのは上位モデルのIQOS イルマ プライム

フィリップ モリス ジャパンの加熱式たばこ「IQOS」シリーズの最新モデル「IQOS イルマ」が登場しました。全く新しい加熱方法を採用して、デバイスを一新したIQOS新モデルを試してみました。

○ブレードのないIQOS

IQOS イルマは、加熱式たばこのIQOSシリーズですが、従来とは仕様が異なるため、たばこスティックですら互換性がなくなってしまいました。「スマートコア・インダクション・システム」と呼ばれる新たな加熱方式を採用したためで、最大の特徴が「ブレード」がなくなったことです。

従来のIQOSでは、たばこスティックを挿入すると本体内部のブレードがスティックに差し込まれ、加熱されたブレードがスティックを300度以上で加熱して蒸気を発生させる、という仕組みでした。

「スマートコア・インダクション・システム」では、このブレードがなくなりました。他社は、ブレードがない代わりにスティックを外側から加熱する方式を採用していますが、IQOS イルマでは従来通り内部から加熱します。その秘密はスティック内部に埋め込まれている、ステンレスコーティングされた金属片にあります。

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たばこスティックに埋め込まれていた金属片。アルミ箔よりは少し厚いぐらいでしょうか

本体内部のコイルから磁気を発生し、金属片が誘熱体として加熱される、という仕組みです。内部から加熱する根本的な仕組みは変えずにブレードをなくした、というのが大きな特徴です。ちなみに金属片は非常に小さく薄いもので、吸い殻は、「各自治体のルールに従って欲しいが、基本的には従来通り燃えるゴミとして捨てられる」としています。

新しいたばこスティックは「TEREA(テリア)」という新しいブランドになっています。ブレードを刺す必要がなくなり、たばこ葉が外から見えないように蓋が付けられました。その結果、利用後も本体内部が汚れることがなくなり、清掃が不要になったというのもメリットです。

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吸󠄁った後のたばこスティックの違い。左がIQOS イルマ用のテリア、右が従来のIQOS 3 Duo用のヒートスティック。金属片が発熱するため、外から見ると加熱されたかどうか分かりません
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新しいたばこスティックであるテリアには蓋があり、たばこ葉が漏れないようになっています。従来のIQOSでは、ブレードを差し込む必要があり、そこからたばこ葉がこぼれてホルダー内の汚れに繋がっていました

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一見すると、たばこスティックの違いは分かりません。内部の金属片がないと発熱しないため、従来のIQOS用スティックは使えず、互換性はありません

従来のヒートスティックのブランドは既存のIQOS用に残し、IQOS イルマ用には新たなテリアブランドでたばこスティックを提供するとのこと。それぞれのスティックには互換性がないため、購入する際には注意しましょう。

○使い勝手が向上して味わいは変わらず

実際に試してみました。試用したのは上位版のIQOS イルマ プライム。ただ、基本的にはデザインと素材の違いで、機能は無印のIQOS イルマと違いはありません。

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IQOS イルマ プライム。アルミとファブリックの素材感は良好

デザインとしては、無印IQOS イルマはIQOS 3 Duoと同等で、カバーがパカッと開いてホルダーが現れるというもの。IQOS イルマ プライムはフラップカバーでホルダー挿入部を覆っており、デザイン性が高くなっています。

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左はIQOS イルマ プライム、右はIQOS 3 Duo。無印IQOS イルマは、IQOS 3 Duoと同じ構造です

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カバーを開くと本体となるホルダーが現れます。IQOS イルマの場合はIQOS 3 Duoと同じくドアカバーを押し開ける形

本体を取り出してみると従来のIQOS 3 Duoより少し長くなっています。センサー類が入っているためか、コイルで一定のスペースが必要になったのかは不明ですが、長さが気になるほどではありません。

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取り出したホルダー。左のIQOS イルマ用の方が長くなっています。太さは同等です
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たばこスティックを差し込んだところ。どちらも同じような位置まで差し込みます

たばこスティックは従来のように差し込むだけ。挿入口はギリギリの大きさで少し力を入れて差し込む感じになりますが、ブレードがないためスルッと差し込めます。最後まで差し込むと自動的に本体が振動し、加熱がスタートします。振動したら正しい位置まで差し込めたと判断できるので、無理に差し込んでしまったり差し込みが甘かったりといった問題も起きなさそうです。

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差し込み口は独特の形状で、少しきつめ

従来は差し込んだ後にボタンを押す必要があったのに対して利便性が向上しています。吸い途中でも、抜けば加熱がストップします。この抜く際も、今までホルダーの上部をスライドさせてブレードから引き抜く必要がありましたが、「ただ抜く」だけでいいのは楽ちんです。

こうした仕組みのため、ブレードに刺さったままのたばこスティックをねじってブレードを破損してしまった、という問題もありません。ようやく、IQOSでも手軽に抜き差しができるようになりました。

味わいは、従来のIQOSと大きな違いは感じません。安定した加熱で最後までたばこ感もあり、喫味もIQOSらしさを感じさせます。爆煙というほどではありませんが、従来のIQOSと水蒸気の出方も同等という印象。従来通りということは、IQOSらしい香りも健在で、たばこを吸わない人には気になるにおいでしょう。逆に言えば、使い勝手の良さを求めて移行しても大きな問題はなさそうです。

たばこスティックの新ブランドとなるテリアは、最初からレギュラー4種類、メンソール3種類、フレーバー系メンソール4種類の11種類を用意。

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ブラックメンソールやフレーバー系のメンソールなど、バラエティに富んだラインナップ

紙巻きたばこに比べて喫味が不満という人は、メンソール系であれば比較的満足度が高め。特にブラックメンソールは強力なので、メンソール好きにもお勧めです。同じメンソールでも、トロピカルメンソールやパープルメンソールといったフレーバー系も充実していて、新ブランドとはいえそれほど不満は感じなそうです。

本体にはセンサーを内蔵しており、持ち上げるだけでLEDが点灯してバッテリー残量が把握できたり、使用中に本体を軽く2回タップすると振動回数で吸引の残り回数を知らせてくれるといったジェスチャー機能も搭載していますが、機能としては地味。スマートフォンとの接続機能なども特にありません。

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従来のIQOSのホルダーにはボタンがあり、そこにLEDランプが搭載されていましたが、IQOS イルマだとLEDランプ2つは変わりませんが、ボタンのデザインが変わりました。差し込めば自動で加熱が開始されるので、普段はあまり使うことがありません。

最大の難点といってもいいのが価格でしょう。もともと定価ではIQOS 3 Duoで6980円と、決して安くはないIQOS。IQOS イルマは8980円、IQOS イルマ プライムは12980円という価格。同社ではブレードのないIQOS イルマ方式を、今後主力にしていく方針なので、随時新モデルの登場で安価になっていく可能性もありますが、現時点では高めです。

頻繁に使うものだからこそ、ブレードのような故障がなく、掃除も不要な点ことで使い勝手が向上しているのは間違いありません。そうした点に魅力を感じるのであれば、購入してみても良さそうです。

source:IQOS ILUMA