NASA/Chris Gunn
NASA/Chris Gunn

もともとは2011年に打ち上げる予定でプロジェクトが始まったジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、度重なる打ち上げ延期や紆余曲折を経て今年の10月30日に打ち上げられる予定となっていましたが、またもや延期になることが明らかになりました。

今回の延期理由は、完成したこの宇宙機をフランス領ギアナにある宇宙港まで輸送しロケットに搭載するためにかかる時間的な問題。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は大型のロケットであるアリアン5で打ち上げる予定ですが、望遠鏡の出荷状況、アリアン5や宇宙港側の準備進捗の兼ね合いから、今回の期日から数週間の猶予が必要になる見通しになったとのことです。

NASAは望遠鏡を船で宇宙港に向け輸送する予定ですがそのルートには海賊出没の懸念があるため、海運のスケジュールは明確にはしていません。ただ、船への積み込み作業は8月末ごろになるとされ、輸送のための残り時間はもうあまり残っていない状況になっているとのことです。

船が無事到着してからも、打ち上げの準備には55日がかかる計算であり、それを考えると打ち上げ実施は早くても11月中旬以降になるのではないかと現在は予測されています。

なお、アリアン5ロケットの準備にも遅れがないわけではありません。こちらはペイロード(積荷)を覆うフェアリングの不具合が発覚した2020年8月以降、一度も打ち上げを実施していません。すでに問題は解決されているとのことですが、確認のために本番打ち上げ前に2度の打ち上げを7〜8月に予定しています。もしこれらの予定が遅れることになれば、宇宙望遠鏡もまた足止めになる可能性があります。

一方、宇宙港側の準備にも遅れが生じる気配があります。というのもフランス領ギアナではまだ新型コロナ用ワクチンが行き届いておらず、感染状況次第で予定が遅れる可能性はまだ払拭できていません。

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は打ち上げ後、178か所のロックを解除したのち、およそ50か所を展開しなければなりません。これらすべてた正常に完了する必要があることから、NASAは非常に慎重に物事を進めています。

Source:Ars Technica