「家庭用ゲームを作らない理由はない」Cygamesプロデューサーが語るコンシューマ市場の可能性

モバイルとコンシューマの違いと魅力

岡安学
岡安学
2020年07月29日, 午後 02:30 in PS5
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▲シャドウバース チャンピオンズバトル プレイ画面
▲木村唯人氏

『グランブルーファンタジー』や『プリンセスコネクト!Re:Dive』『シャドウバース』など、モバイルゲームで数々のヒット作をリリースしているCygames。最近は、モバイルゲームだけでなく、家庭用ゲームにも進出しはじめています。モバイルゲームでこれほど成功を収めているにもかかわらず、なぜ家庭用ゲームに進出するのか、Cygamesのプロデューサーで専務取締役でもある木村唯人氏に話を伺ってきました。

──ゲーム市場において、家庭用ゲームソフトはここ数年横ばい状態なので、右肩上がりのモバイル市場を強化した方が良さそうですが、それでもコンシューマゲームに進出する理由はなんでしょうか。

木村唯人氏(以下木村):Cygamesは、モバイルのイメージが強いのは確かです。ただ、Cygamesの経営陣の多くはコンシューマ出身が多く、モバイルゲームを作っていながらもどこかでコンシューマゲームをやりたいと言う気持ちがありました。確かにコンシューマ市場は横ばいで盛り上がりに欠けますが、だからこそ、日本から世界に盛り上げて行きたいと思っています。そういう背景もありまして、家庭用ゲームを作らない理由はないと考えており、やって当然だと言う感じでした。

──Cygamesにとって、モバイルとコンシューマの違いはなんだと考えていますでしょうか。また、モバイルにないコンシューマ機の魅力は何でしょうか。

木村:スマートフォンと家庭用ゲーム機では、ゲームを開発する上で大きな違いはないと思っています。コンシューマ専門の開発チームは編成していますが、『グランブルーファンタジー』と『グランブルーファンタジー ヴァーサス』のように、同じ舞台を題材にしている作品の場合、世界観やコンセプトアートなどは同じメンバーが担当してます。

一方ゲームの構成には違いがあります。モバイルゲームは基本的に終わりがない作りになっています。コンシューマゲームも追加コンテンツやアップデートなどありますが、基本的には買い切りで最初に買ったボリュームだけが遊べるようになっています。そういう違いはあります。

また、遊び方やプレイシーンも異なります。モバイルゲームはいつでもどこでもプレイできてお手軽です。コンシューマゲームはどちらかと言うと、じっくり腰を据えて遊ぶ感じですね。大画面テレビでプレイするからこその迫力もあると思います。観て聞いて感じるのでより体感的です。

あと、モバイルゲームの場合、ユーザーの端末性能に大きな差が出てきてしまいます。そのため、多くの人に遊んで貰うには低いスペックの端末に合わせる必要があります。そこに制限があるわけです。コンシューマゲームの場合、同じハードであれば、性能は横並びでみな平等です。なので、そのハードで最高のゲームを作れる強みがあると感じてます。

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▲グランブルーファンタジー ヴァーサス プレイ画面

──コンシューマゲームが買い切りと言う話がでましたが、モバイル市場はアイテム課金、コンシューマ市場は買い切りと言うイメージがあり、ゲームに対する対価の払い方にも差があると思います。ただ、そのエコシステムに当てはまらない場合もありますが、Cygamesとしてはモバイルとコンシューマでのエコシステムについて、どのような考えを持っているのでしょうか。

木村:モバイルゲームはアイテム課金、コンシューマゲームは買い切りが中心になりますが、その垣根はなくなってきています。コンシューマゲームでも基本無料もしくは買い切りのうえ、ダウンロードコンテンツやダウンロードキャラクターなどで後から課金するものも出てきています。ただ、コンシューマゲームでは買い切りが慣れ親しんだ形なので、基本的にはそれをベースに考えています。

とは言っても、リリースするタイトルによるところが大きく、モバイルやコンシューマゲームと言う括りで考えるのではなく、ゲームにあわせたエコシステムを考えています。基本追加なしだけど、大きなアプデの場合は有料にすることも考えられます。

──モバイルゲームの場合は、国内向けだけで十分採算が取れるタイトルが多いですが、コンシューマの場合はグローバル展開しないと採算が見込めない場合も多いと思います。Cygamesが目指すコンシューマタイトルは、海外市場をどのように捉えていますでしょうか。

木村:ゲームをリリースするうえで、海外市場を無視することはないですね。CygamesのスマホのIPは海外だと知名度はそれほど高くないですが、コンシューマタイトルがそれを知ってもらうきっかけになってくれるかと思います。例えば、スマホアプリの『グランブルーファンタジー』は海外展開していないのですが、『グランブルーファンタジー ヴァーサス』をコンシューマゲームとして海外市場で認知してもらえた結果、『グランブルーファンタジー』についても認知してもらえるようになりました。

お陰様で『グランブルーファンタジー ヴァーサス』は、海外は好評で、たくさんの人に遊んでいただいています。

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▲グランブルーファンタジー ヴァーサス メインビジュアル

──先ほどの質問と少し被るのですが、コンシューマ市場を狙う場合AAAタイトルを目指す場合とそうでない場合があると思います。Cygamesはどちらを目指しているのでしょうか。また、AAAタイトルに厳密な定義がないので、多くが売上や販売本数など、ある種結果としての評価となると思われます。その場合AAAタイトルと定義される為の勝算はあるのでしょうか。もしくは、結果だけでないCygamesとしての定義があるのでしょうか。

木村:現在開発中の『Project Awakening 』は、これまで公開したPVなどから高い評価をしていただき、AAAタイトルとしての立ち位置にあると考えています。コンシューマゲームをリリースしていくからにはAAAは狙っていきたいですが、必ずしもハイエンドゲームだけを狙うのではなく、ハイエンド以外も出して行きたいと考えています。私個人のAAAタイトルの基準としては、自由度が高くて最新技術が盛り込まれているものですね。

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▲Project Awakening

今度リリースされる『シャドウバース チャンピオンズバトル』は、『シャドウバース』を題材にしたアニメの世界をさらにゲームに落とし込んでいます。RPGとカードゲームの融合なので、カードゲームはちょっと難しそうだなと思っている人にもプレイしやすくなっています。『シャドウバース』の入り口になってほしいと考えています。また、コンシューマゲームならではの迫力の演出なども用意しているので、『シャドウバース』をハードにプレイしている人も『シャドウバース』の新たな面白さを発見できるのではないでしょうか。

Nintendo Switchのタイトルなので、競技色の強いeスポーツではなく、手軽なeスポーツをしていきたいです。そして、将来的には本家『シャドウバース』で本格的なeスポーツを目指して欲しいですね。

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▲シャドウバース チャンピオンズバトル プレイ画面

──世界市場を考えた時、コンシューマとモバイルだけでなく、PCでの展開も考えられますが、コンシューマへの進出はPCでの展開も含むと考えて良いのでしょうか。

木村:PCもプラットフォームのひとつだと考えています。どのプラットフォームでも展開していきたいので、PCももちろん考えています。ただ、単純にマルチプラットフォーム展開をするのではなく、そのプラットフォームで最適なものをやっていきたいとは思います。プラットフォーム毎に遊んでいる人のタイプって違ってくるので、それぞれのユーザーが楽しめるものを開発していきます。

あとは、コンシューマゲーム機のタイトルの移植は積極的に考えて行きます。プラットフォームの違いによりプレイ機会を逃していたPC派の人に向けてですね。

──6月12日にPS5のタイトルの発表や本体のデザインなどが発表されましたが、コンシューマ市場を狙っていくうえでPS5の存在をどのように考えていますでしょうか。

木村:発表会の前からある程度のスペック情報も出ていましたが、そこは気になりますね。8Kまで対応する映像や読み込みの早い高速SSDとかですね。PS5がリリースされることでゲームの表現の幅がさらに広がった印象を受けます。当然、CygamesでもPS5タイトルを開発する予定ですが、まだ何もやっていないのも事実です。個人的には、あれだけのスペックのマシンで値段がいくらになるかが気になります。

──PS5に期待するところは何でしょうか。

木村:PS4がリリースされて、それまで一部の詳しい人しかできなかったゲーム配信が簡単にできるようになりました。その結果、ユーザーとの交流が増えています。PS5にもそういった新たな楽しみと、ユーザーの交流をパワーアップしてもらえるようになって欲しいと思います。

この前の配信では、メディアスロットのないDigital Editionが発表されているのが気になりました。日本ではモノがないとお金を出した気がしない人が多いと思います。でも、音楽はCDからデジタルに変わりましたし、徐々にゲームもそうなっていく可能性もあります。それを見越してのDigital Editionだと思います。PS5が普及した頃にはダウンロードの方が主流になっているのかも知れません。

関連リンク:

Cygames

シャドウバース チャンピオンズバトル

グランブルーファンタジー ヴァーサス

Project Awakening

 
 
 

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関連キーワード: PS5, iOS, PS4, nintendo switch, smartphone, app, games, Android, news, gear
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