Jony Ive
Brian Ach via Getty Images

アップルの元デザイン最高責任者ジョニー・アイブ氏が設立したデザイン会社「LoveFrom」が、公式サイト「LoveFrom.com」を公開しました。これまで業務内容などがほぼ謎に包まれていましたが、ようやくビジュアルアイデンティティ(企業ブランドを視覚的に表現したデザイン全般)が明らかになった格好です。

このLoveFromには、アイブ氏をはじめグラフィックデザインの巨匠ピーター・サヴィル氏や、元アップルデザインチームのクリス・ウィルソン氏やアントニオ・カベドニ氏など、錚々たるメンバーが参加しています。

公開されたサイトは初代iMacやiPodを手がけたアイブ氏らしいミニマルなデザインで、画像やリンク、連絡先などは一切なく、簡潔なテキストのみで構成されています。以下、全文の翻訳です。

LoveFromはクリエイティブ集団です。私たちはデザイナー、建築家、ミュージシャン、フィルムメーカー、ライター、エンジニア、そしてアーティストです。私たちのことは、過去の作品でご存知かもしれません。私たちは創造と制作の伝統にこだわりがあります。狂信的に卓越性を追求。飽くことなき好奇心。私たちはリーダーや創業者と協力します。私たちは、喜びのためにプロジェクトに取り組みます。私たちは、独自のアイデアを開発します。Love & fury(愛と激しさ)です。

米MacRumorsの入手した公式ニュースリリースによれば、ここに使われているフォントはBaskervilleフォント(18世紀半ばに英国の印刷業者ジョン・パスカヴィルがデザインした書体)にインスパイアされ、オリジナルの活字父型と(punch)と母型(matrix)を研究して2年掛けて作られた新たな書体「LoveFrom Serif」で構成されているとのことです。

実際サイトにアクセスするとカーソルが点滅し、「LoveFrom」がタイプライターの印字のように打ち出されていくように見えます。その末尾に着けられたカンマを、上記のサヴィル氏は「対話と共有された会話の始まり」と表現していると伝えられています。

アイブ氏は2019年にアップルを退社して、LoveFromを設立しました。当時アップルは主要クライアントとして「幅広いプロジェクトに、密接に」協力していく予定と述べていましたが、その後にアイブ氏やLoveFromが具体的にどの製品に関わったのかは不明です。2021年に発売された24インチiMacの設計にアイブ氏が関与していたことは確認されていますが、それが退社後なのか、それともアップル在籍中かは分かっていません。

そしてLoveFromの業務内容も、民泊サービスのAIrbnbや、フェラーリとの複数年パートナーシップを締結した以外はほとんど公表されていません。フェラーリとの提携では「ラグジュアリー(高級品)ビジネスにおけるプロジェクトを検討する」とされており、庶民と縁の遠いぜいたく品のデザインに専念するのかもしれません。

Source:LoveFrom ,MacRumors