マイクロソフトのiPodキラー"Zune"について、コンテンツパートナー向けのプレゼン素材を入手したというDigital Music Newsにいくつか新情報が掲載されています。以前の記事と重複する部分も矛盾する部分もありますが要約すると
Zuneの戦略
- iPod + iTunes同様にプレーヤとライブラリソフト、 ウェブサービスの連携を重視。
- Live Anywhereアーキテクチャの一部としてPC / Xbox / 携帯電話 / Zuneで共有のフレンドリストやマーケットプレイスを提供する。
- 実は中年が多い iPodユーザ層よりも若い18~28歳がメインターゲット。音楽共有やコミュニティベースのサービスをアピールする。
- iPodマーケットの「20%」が目標。
- Xbox コミュニティを当初の足がかりに使う。
- 発売は米国で11月。来年から英国・カナダその他に展開。
Zune本体
- 内蔵WiFiを使った"ストリーミング共有"機能。最大10台までのZune同士でP2Pに曲をストリーミングできる。ストリーミングされた曲はセーブできないが、あとで購入するため「ブックマーク」できる。(WiFi経由の「交換」機能が別にあるのかどうかは不明。PlaysForSure DRMを使ったWiFi音楽プレーヤMusicGremlinではサブスクリプションサービス加入ユーザ同士で曲の交換が可能)。
- DRMつきでない曲のストリーミングができるかどうかは不明。
- 価格は60GB iPodと同程度。
- カラーバリエーションは3種類。
ソフトウェア、音楽ストア
- 現在WMA / PlaysForSure陣営が採っている「多数の対応デバイスと多様な対応サービス」ではなく、iPod + iTuneのようにひとつのデバイス・ひとつのソフト・ひとつのサービスにフォーカスする。
- MySpaceをモデルにしたソーシャル・コミュニティ要素が組み込まれる。
- 音楽ストアはiTMSと違い一律価格ではない。アラカルト(バラ売り)もサブスクリプション(定額制)も用意される。Napsterのようにサブスクリプションメインではない。
- レコードレーベルが段階価格と共に強く求めていた「バンドリング」も採用。つまり普通のCDのような抱き合わせでしか買えない楽曲がある。
マーケティング、広告
- 秋から大規模な広告キャンペーンを開始。規模はXbox程度(日本のXboxとはまったく別です)。
- 発売にあわせ著名アーティストのライブと限定ダウンロードを組みあわせた"7 cities and 7 nights" ツアーを主要都市で展開する。
- ウォルマートやTarget、Best Buyはじめ全米3万以上の小売店で販売される。
- スーパーボウルのスポットCMもやるかも。
など。一夜にしてiPodとの逆転を狙うほど無謀ではなく既存のコミュニティーを足がかりに使い、しかしエクスペリエンスとしてはiTMS以前と以後ほども違うものを提供しようという野望のようです。無線iPodはしばらしく出ないらしいという話もあり、無線をつかったP2Pな機能とフレンドリストまで載せるというソーシャルな部分に注目です。
[本家Engadget]