マイクロソフトの開発した新しい静止画フォーマットHD Photoが、JPEGの新規格JPEG XRとして標準化されることになりました。XRは"eXtended Range"の略。以前はWindows Media Photoと呼ばれていたHD PhotoはJPEGと比較して高い圧縮率や色再現性を持ち、またPNGのような可逆圧縮と非可逆圧縮の双方を扱えることなどが特徴の新規格。

JPEG規格の策定団体JPEG (Joint Photographic Experts Group)がHD Photoの標準化を検討しているという発表は数カ月前にありましたが、マイクロソフトのHD Photo責任者Bill Crow氏によればすでにJPEGグループ内部での議決が終了、今後は実際の標準策定作業が開始されるとのこと。

HD Photoの利点として挙げられるのは高圧縮率や可逆圧縮サポートのほか、ディスプレイ機器だけでなく印刷などにも向いた複数の色空間を扱えること、チャンネルあたり最大32bit (固定または浮動小数点)までのHDRイメージをサポートすること、全体をデコードせずに一部分のデコードや回転・切り取り・ダウンサンプリングといった処理が可能なこと、演算負荷が(比較的)低いことなど。詳しくはマイクロソフトのHD Photoページまたは開発者のHD Photo Blogを参照。

JPEGグループの策定したJPEG「後継」規格としては先進的なアルゴリズムを採用しながらあまりサポートされずほとんど忘れられたJPEG 2000もありますが、JPEG XRのベースとなるHD Photoは現時点でWindows Vista (.NET Framework 3.0)が標準サポート、ハッセルブラッドやAdobeといったカメラメーカー・ソフトウェア企業が支持を表明しています。JPEG XRとして標準化されることでJPEG 2000よりは望みのある次世代フォーマットになることが期待されますが、実際の規格策定作業には今後少なくとも1年ほどの時間がかかるとのこと。