しくみは単純。40グラムのRFIDタグ(発信器)を手首につけ、建物の各所にレシーバを配置。実際の生活における移動を分析し、さまよう、急に止まる、といった認知症によく見られる歩行パターンを発見する、というものです。使用されたRFIDタグはUWBを使ったアクティブ型で、読み取れる範囲は600フィート(約180m)・精度は約30センチ。壁ごしにも読み取ることができ、複数人数の同時トラッキングも可能。研究グループは介護施設の20人を対象とした実験で、歩行パターンと認知症の関連性があることを確認しました。今後はさらにほかの特徴的な歩行パターンの発見を目指すとしています。
家中をセンサだらけにするという研究は国内外で数多く行われていますが、結局なんのために行動データを取得するのか、誰もが喜ぶような用途が見えていないというのが現状。案外、こういった医学的アプローチがキラーアプリになるかもしれません。フルセットで$7000という価格は安くありませんが、普及すればきっと手頃になるはずです。