カメラで得た視覚情報を人間のように解釈できるロボットという話題。地図を覚えるのが苦手な人は少なくないはずです。来たことのある場所なのに気付かなかったり、反対に似たような別の場所を同じだと勘違いしたり。ロボットにとってもそれは大きな課題。画像認識やレーザーを駆使しても、同じような失敗は容易に免れられません。New Scientistによると、英オックスフォード大学の学生Mark CumminsさんとPaul Newman准教授のコンビが、こうした問題を解決する、場所を正しく認識するロボットを研究しています。彼らの考えた策とは、ロボットが撮影した写真から多数の特徴を分析し、その特徴を概念としてグループ化することで、今いる場所がどのようなところか、細部にとらわれず抽象的に理解するというもの。一度来た場所を覚えられるので、変化する環境においても正しく地図を描くことができます。

といってもよく分からないので、具体的な例を。一度来たことのある場所に再び訪れたとき、前にはあった自転車がなくなってるとします。頭の悪いロボットだと「ほんとは前に来たところに似てる気もするけれども、『サドル』がなくなってるし、『ホイール』もなくなってるし、『ハンドル』もないよ...... 新しいところに違いない!」と間違えてしまうのですが、彼らのロボットは「これは自転車がなくなっただけで前に来たのと同じところだろ......」と常識的に考えることができる、というわけです。

開発されたソフトウェアは、一つ一つのシーンから2秒で1000以上もの特徴を分析することが可能。反対に、良く似た「レンガの壁に窓がひとつ」といった場面でも、「レンガ1が一致、レンガ2が一致....レンガ999も一致するから同じ場所だ!」と解釈したりせず、窓の高さのように変化しにくい特徴に重みをつけて場所を覚えることができます。この画像から地図を作り出す技術はFast Appearance Based Mapping(FABMAP)と名付けられています。

カメラとレーザーセンサー、そしてFABMAPを搭載ロボットを用いた実験では、オックスフォード内で10000枚以上の写真を撮影し、場所を誤認したのはたった一度だけ。さらに現在は、ロボットを車に搭載して1000km以上を走るという実験が行われています。車、地図、自動撮影というとよからぬものを思い出してしまいますが、こちらは道案内や災害救助など世のためになることを期待します。