Googleが膨大な数の書籍をデジタル化しようとしていることは周知の事実です。書籍の中身まで検索できるGoogleブック検索は著作者団体から著作権侵害と訴えられ裁判になるも昨年和解。この和解がベルヌ条約のため日本の書籍にまで効力を及ぼすなどという余波もありましたが、ここまでは電子出版業への進出も噂されるGoogleの思い通りに進んでおり、あとは和解が裁判所に承認されるのを待つばかりという状況です。

しかしこうした動きに反対すべく、Open Book Alliance(OBA)なる団体が新しく発足しようとしています。中心となるのは非営利団体Internet Archive。ご存知、若気の至り掘り起こしサービス Wayback Machine を運営している団体ですが、ほかにも50万冊以上の本をデジタル化して無償で公開しています。OBAにはマイクロソフト、ヤフーという巨大企業の参加も確定。アマゾンも参加の見込みと、さながらGoogle包囲網の様相になっています。

公明正大で知られるGoogleですのでブック検索八分などは当然起きえないはずですが、いったいなにを問題視しているのでしょうか。BBCの取材からコメントを拾いあげてみると、Internet Archive創始者 Brewster Kahle氏は「Googleは図書館システムを独占しようとしています」とし、開かれた書籍の利用方法、図書館への公的支援、本の所有について、再販やリパッケージなど、これまでに築いてきたいわば書籍なるものがGoogleのやり方では失なわれると警告しています。同じくInternet ArchiveディレクターのPeter Brantley氏いわく「もしGoogleのやりかたが承認されたら、彼らは法で認められた独占の下、20世紀の書籍の包括的なコレクションを好きに利用できるようになるでしょう」。

プライバシーに関する懸念も少なくありません。米国図書館協会のCorey Williams氏いわく「Googleがやろうとしていることの本質は良いと思うのですが、そのために提案された方法ではGoogleとその仲間を信じろとしすぎています」「Googleが提案した内容にはプライバシーのことや、集めたデータをどう利用するつもりなのか記述がありません」。

和解に関するコメントは9月4日まで受け付けられ、10月はじめには裁判所の判断が下される予定。こうした反発の大半はバカバカしく、無意味と見なされるのか注目したいところです。