AdobeはすでにFlashのiPhone対応を諦め、Android(など)への切り替えを表明していますが、だからといって(あるいはだからこそ)ジョブズのFlash批判は見過すわけにはいきません。AdobeのShantanu Narayen CEOはさっそくWall Street Journalのインタビューに出演、ジョブズからの手紙に反論しています。

Narayen CEOいわく、アップルのクロスコンパイラ規制によって開発者はワークフローを二重に用意しなければならず、重荷になると反論。MacでFlashが頻繁にクラッシュするという点については、「アップルのOSに原因がある」。Flashはバッテリーを消費させるという点については「明白な間違い」とし、ハードウェアアクセラレーションに対応できるよう情報を公開してくれればいい、Macでは実現した、と切り返しています。またいつまでも繰り返される、Flashはオープンでないという批判については「卒直に言って、その指摘にはおかしみを思います。Flashはオープンな仕様です」と回答。許可がなければアプリを公開できないiPhoneはオープンなのだろうかと指摘しています。誰の言葉を信じるかはさておき、Adobeの言い分は以前から変わっていません

もっともAdobeが反論したところで、公式書簡まで出してしまったジョブズが出した鉾を収めるとは思えません。どうしてこんなことになってしまったのでしょうか。Narayen CEOの見方によれば、Flashに対する技術的な批判はジョブズの真意を隠すための「偽装工作」であるとのこと。Adobeが推し進めるマルチプラットフォーム・ビジョンこそを、アップルは問題視しているのだと解説しています。

ちなみに、iPhoneは使ってますかという質問にはNexus Oneを使っていると回答。ではiPadは? 「いい第一世代の製品だと思っています。まもなくタブレット端末において、すばらしい革新を見ることができるでしょう」。同社自身が、複数のタブレット端末でFlashを使えるよう準備しているというオチです。未来は消費者が選ぶとNarayen CEOは締め括っていますが、アップルのビジョンとAdobeのビジョン、第二世代で受け入れられるのはどちらでしょうか。それにしてもMacはMac、iPhoneはiPhoneとはいえ、両社の長年に渡る関係を経て、Adobeがこれほどアップルから冷たくされる日が来ようとは、時の流れというのは不思議なものです。