物語の世界ではアルファ・ケンタウリにでも宇宙の果てのレストランにでも宇宙船で飛び回ることができますが、現実に宇宙を旅しようとすると狭い閉鎖環境で長期間を過ごさなければいけません。たとえば火星に向かい、30日間の実験を行って、帰ってくるとすると、都合520日かかります。はたして人間はそのような長期の閉鎖環境に耐えられることができるのか。ロシアが実験します。

用意された「宇宙船」は広さ550立法メートル。コントロールルーム兼リビングルーム、医務室、倉庫が備えられているほか、「火星到着時」に利用するランディング・モジュール、そして「火星」が用意されています。内装は木製が目立ち、宇宙船らしからぬエコロジーな雰囲気。窓なし、メール以外に外との交信方法なし、発射後の荷物入れ替えなしと本格的ですが、さすがに無重力ではありません。

一方、選ばれた「宇宙飛行士」は6名。隊長は38歳のロシア人(新婚)、医療知識のあるロシア人が二人、フランス人とイタリア人のエンジニアが一人づつ、中国人が一人という構成で、幸か不幸か全員男性です。「人類がはじめて火星に立ったとき『僕はこれに貢献したんだ』と言えるだろう。とても誇らしく思うはず」と、イタリア人のDiego Urbinaさん。物語の世界では、中に入った瞬間に1名増えていたり、終わらないドミノ作りを命じられたり、他のメンバーを欺くよう謎の指令を受けたりするものですが、はたして彼らは無事に帰還できるでのでしょうか。