ミクシィとグリーが、外部ウェブサイトの情報をそれぞれのSNS内へ配信・共有できるソーシャルフィード機能をほぼ同時に発表しました。もちろん同時とはいっても一緒に仲良く発表したわけではなく、たまたま、偶然、シンクロニシティです。世界最大のSNSを追いかけていたらちょうどはち合わせしたという感じかもしれません。

まずはこの日にイベント mixi meetup 2010 を開催したミクシィの話から。会場となったザ・プリンス パークタワー東京には数千人が集まり、Ustreamではさらに数千人が見守る中、同社はmixi Pluginとmixi Graph APIというふたつの新プラットフォームを発表しました。似たような名前が多くて混乱を誘いますが、mixi Pluginは外部のウェブサイトからmixiへコンテンツを投入できるという仕組み。mixi版ソーシャルフィード「mixiチェック」用のボタンをはじめ、mixiボイス、日記、カレンダーなどへmixi外から直接投稿できるようになります。なおmixiチェックボタンのモバイル版では三大キャリアの承認を得たため、余計な中間プロセスなしで利用できるという、携帯サービス開発者にとっては地味に驚きの実装となっています。

イベントではmixiチェック対応ウェブサイトからのゲストとして、楽天をはじめ、ソーシャルメディアという枠組みではライバルのはずの「はてな」近藤社長も登壇。さらに紹介されただけで会場に「ざわ......ざわ......」という反響を呼んだDeNA守安取締役からは「我々はバーチャルグラフなので、ソーシャルグラフはミクシィに任せる」というこの日一番の爆弾発言も飛び出しました。対応サイトはほかにもasahi.com、MSN、goo、OZmall、ぐるなび、価格コム・食べログ、日経ビジネス、FOOMOOなど大手がずらり並んでおり、よくここまで揃えたと思うほど。mixiチェックボタンは個人向けにも本日から提供されています。

もうひとつのmixi Graph APIはmixiの機能を外部サービス・外部端末から利用できるという、いわゆるAPIらしいAPI。スクレイピングを駆使したmixi用サービス開発と決別できます。イベントでは実現できそうな例として、マイミクを検索できるスマートフォン用の電話帳アプリや、録画予約をソーシャルフィードへ配信できるレコーダー(パナソニックと検討中)が挙げられました。ただしこちらはまず開発パートナー向け、各機能を順次提供していくとのこと。ほかにもスマートフォン版mixi Touchでのmixiアプリ提供や、中国Renren・韓国Cyworldと各国の大手SNSとの提携も発表され、技術的にはもちろん、政治的にも充実ぶりが伺えます。

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一方、一度はSNSの会員集めでミクシィに敗れたもののモバイル・ソーシャルゲーム路線で復活し、今や時価総額で業界トップとなったグリーは、mixiイベントの裏で、やはり外部ウェブサイトの情報をGREEへ配信・共有できるSocial Feedback機能を発表しました。こちらはYouTubeで採用(!)されるほか、ニコニコ動画や講談社コミックプラス、そしてmixiチェック同様にリクルートの各サービス、MSN、価格コムなどで利用できるようになる予定。もちろん個人向けにも提供されています。

というわけで大手SNSが2社揃ってソーシャルフィードサービスを本格的に開始し、広範囲なウェブサイトが一気に対応をはじめるという、なんとも派手な一日になりました。その反面、今のところユーザにとってはなにが便利になるのか、あまり伝わってこないのも確か。mixi・GREEへユーザが集まるきっかけにはなるでしょうし、集められたユーザの行動データは貴重な価値を持つでしょうが、ユーザへメリットが伝えられなければ笛吹けど踊らずということになりかねません。提携ウェブサイトにとっても、わざわざmixi・GREEへユーザを誘導するからには、目に見える価値を求めるはず。ソーシャルアプリの登場は多くの開発者にチャンスを与えましたが、ソーシャルフィードはどうでしょうか。よーいどんで始まったこの戦いを制するためには、日記やゲームを目的に集まったユーザをうまく振り向かせる必要があります。

sourceミクシィ, グリー