かつて、Googleのエリック・シュミット会長(当時CEO兼務)はこう言いました。「あなたがどこにいて、どこに行ったことがあって、だいたいどのようなことを考えているか、私たちは知っている」。今日、このSF的な宣告に対して「まさかそんなはずはない」と言い返す人はいないでしょう。ごぞんじのとおり、Googleは検索クエリから位置情報まで、さまざまな情報を収集しています。Googleの言い分は、情報を集めることで利用者に最適なパーソナライズド広告を届けることができる、そうすれば適切な情報が入手できて利用者も幸せだし、広告主も効率化できて幸せ、(そしてGoogleも稼げて幸せ)というもの。実際、私たちが日々たくさんの広告をクリックして、Googleが莫大な収益をあげている以上、その言い分はかなり正しいと考えられます。

それでもGoogleを利用していると、ときどき予想もしなかったような広告が表示されることがあります。いろいろGoogleなりに考えた結果なのだろうとは思いつつ、なぜまるっきり間違った広告、あるいは心を読んだかのような正しすぎる広告が表示されるのか、理由が分からないのは不気味に感じるかもしれません。というわけでGoogleは、これから広告に対して「なぜこの広告が?」リンクを提供することを発表しました。リンクをクリックすれば、その広告が今のクエリから導いたものなのか、以前のクエリを参考にしているのか、位置情報に応じたものなのか、といった情報を提示してくれます。この機能はGoogle検索とGmailの広告で提供され、例によって今後数週間以内に利用できるようになる予定。「日頃の行いを総合的に判断して」とか「さっき立ち聞きした話から」とか「ママに教えてもらった」とかいった結果が出ないことを祈ります。

また、リンク先のOfficial Google Blogでは、Google Ad Preferences(広告表示設定)を利用することで、配信して欲しくない広告主を選んだり、広告のパーソナライゼーション機能をまるっきりオフにできることも、あらためて紹介されています。もっとも、パーソナライゼーションをやめるためにGoogleアカウントが必要という現状は、ややカフカ的です。Googleはどこから、どのような情報を、どれだけ収集しているのか、利用者が見直せるような仕組みにも期待したいものです。