特に前触れもなく、アップル iTunes の国内版が大幅にアップデートしています。すでに最新版であれば PC / Mac の iTunes や iPhone (iOS)の更新は不要で、突然できることが増えたという感じです。アップルが発表した内容をまとめると、以下のとおり:
- 3G経由での楽曲購入に対応
- 高音質 & DRM フリーの iTunes Plus
- 購入済楽曲を他のデバイスでダウンロードできる iTunes in the Cloud
- iPhone から着信音の直接購入
- iTunes 用マスタリング楽曲 Mastered for iTunes
- シングル購入済のアルバムを差額で購入できるコンプリート・マイ・アルバム
いろいろありますが、目玉は iOS 5 / iTunes 10.5 ではじまっているはずだった iTunes in the Cloud でしょう。海外では次々と実用化されているクラウド音楽サービスですが、日本では(あるいは世界でも)著作権的なリスクがあって、展開が遅れているのが実情でした。
しかし iTunes in the Cloud では、クラウド共有できる楽曲はあくまで iTunes で購入した楽曲だけで、たとえばアマゾン Cloud Player や Google Music のように自前の楽曲データをアップロードすることはできません(かわりに存在するのが自前データを iTunes 化する iTunes Match。日本では未提供)。つまりアップルにとってみれば、余計な法的リスクを抱えることなく、音楽業界と合意次第でサービスを展開できるということ。このタイミングで iTunes Plus が拡充したことを考えても、アップルと国内音楽業界の関係に大きな進展があったと予想されます。
また、3G 経由での楽曲購入も大きなポイントでしょう。iOS 5 からの単体アップデート機能に続き、iPhone がまた一歩、PC / Mac の iTunes から一人立ちを果たしたことになります。
追記:
iTunes Match についてもサービスを提供する意向が明らかになりました。