雨粒の軌道を読んで視界を確保するスマートヘッドライト、CMU研究者が発表 (動画)

Ittousai
Ittousai , @Ittousai_ej
2012年07月5日, 午前 03:41 in carnegie mellon university
0シェア
FacebookTwitter
DNP Carnegie Mellon headlight prototype blacks out raindrops for clearer view of the road

米カーネギーメロン大(CMU)の研究者が、悪天候の夜間でも視界を確保でき安全という「スマートヘッドライト」技術を発表しました。夜間はヘッドライトが路面を照らす前に雨粒や雪片に反射してしまい非常に見にくくなるものですが(写真左)、Smart Headlight のプロトタイプはまるで雨を消したかのように反射を抑えることに成功しています。

原理は「クルマの前方をカメラで撮影し、落ちてくる雨粒の位置と将来の軌跡を予測して、雨粒がある場所だけ抜けた光のパターンをプロジェクタで投影する」こと。撮影から「穴あき」の光を投射するまでに雨が落ちてしまっては意味がないため、雨粒の撮影は5ms (1000分の5秒)、軌跡のトラッキングには1フレーム、最終的にパターンを投射するまでのシステム遅延は13msに収められています。

上の写真では赤い点線で区切られた部分が認識・予測までの遅延部分。実証プロトタイプは市販の4コア Core-i7 PC、Point Grey製USB 3.0接続4Kカメラ Flea3 (FL3-U3088S2C)、ViewSonic製DLPプロジェクタ(120Hz)の組み合わせで構成されています。人口雨とプロトタイプを使った実演動画は続きをどうぞ。



強い雷雨にあたる90mm/hの人口雨、静止状態での実証デモ。

こちらは雨粒の認識と予測アルゴリズムの解説。秒間1粒から16粒までのシミュレーション雨。画像中央が予測と実際の軌道のズレを示す。

赤:雨粒を認識できなかった部分(ハズレ)
緑:正確に認識・予測して光をオフにした部分 (アタリ)
青:雨粒がないのに光をオフにしてしまった部分 (ヤリスギ、偽陽性)


雨、雪、霰の量や速度、ヘッドライト(自動車)側の速度、プロセッサ速度やカメラなどの要素を含むシミュレータの演算結果グラフ。


リンク先の論文ではさまざまな降雨・降雪条件下でのシミュレーションにより、反射を抑えるため部分的に光を消灯させつつ、光量そのものは90%以上を確保することができると結論づけています。弱点は吹雪など、カオス的な振る舞いをする風の予測が難しいこと。またプロトタイプは高速度カメラとプロジェクタをビームスプリッタで組み合わせたややこしい構造をしておりコスト・サイズ的に自動車への組み込みは非現実的ですが、これはあくまでコンセプト実証のため。

CMUの研究者いわく、LED光源には色温度調整のためのセンサを同一ダイ上に収めたものがすでに存在しており、今後さらにLEDとイメージセンサをシングルチップ上に並べたデバイスが進歩してゆくことで、プロトタイプで避けられなかった遅延を大きく改善すると同時にコストを抑えたスマートヘッドライトの実装が可能になるであろう、としています。IBMのリアル「ガン=カタ」スーツ技術と組み合わせれば、落ちてくる雨を自動的にすべて避けつつ歩くことで濡れないレインスーツもできそうです。

 
 

TechCrunch 注目記事新型コロナのソーシャルディスタンスを支援するビデオチャットアプリ8選

新型コロナウイルス 関連アップデート[TechCrunch]
関連キーワード: carnegie mellon university, CarnegieMellonUniversity, cmu, headlight, rain, snow
0シェア
FacebookTwitter

Sponsored Contents