クラウドゲームのOnLive が清算、サービスは新会社に引き継ぎへ

Ittousai
Ittousai , @Ittousai_ej
2012年08月19日, 午前 07:41 in cloud gaming
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大量解雇のうわさがあったクラウドゲームの OnLive が、「債権者のためにする一括譲渡」(Assignment for the Benefit of Creditors, ABC) の手続きによる事業売却を発表しました。ABCはいわゆる倒産手続きのひとつで、裁判所が絡んで時間もかかる連邦破産法によらず、資産を第三者にまるごと信託して仕切り直す制度です。

要は経営が行き詰まり資産を整理する状態ですが、ABC手続きを経て一部の従業員とサービスを引き継ぐ先はすでに決定しており、OnLive では「資金力のある新会社に買収された」と表現しています。買い手は「とあるベンチャーキャピタル」とされており現時点で不明。

OnLive は先日ソニーに買収された Gaikai と並ぶクラウドゲームの大手ながら、原理的にサービス提供地域ごとに用意しなければならないサーバの維持費用負担と、加入者数は公称200万人でも課金アクティブユーザーが少なかったことから経営状態が思わしくなく、大量のレイオフをおこなうのではとのうわさがあったばかりでした。

OnLive 資産の買い手は現行の OnLive サービスやパートナーシップ(たとえば OUYA) を維持しつつ、人員的にも規模的にもよりスリムになった新会社で事業を継続するとされています。


今回のABC手続きは従業員にとっても寝耳に水だったらしく、8月17日に出社して朝10時の「重要なミーティング」で倒産を知らされ、午後四時までに私物をまとめて退社するよう告げられたという生々しい証言もあります。

そのほか元従業員によると

・一部の社員にのみ、新会社に移って仕事を続けるか打診する文書が渡された。オファーがあった社員は半分以下、証言した元従業員の想定では2割程度。(OnLive の従業員は180人から200人。OnLive の公式ステートメントでは、新会社は OnLiveの全部門から元従業員の「a large percentage」を雇用すると表現しています)。

・OnLive サービスの同時接続ユーザーはピーク時でも平均1800人程度。

・今回の手続きに入る前から OnLive には複数の買収オファーがあり、なかにはHPも含まれていた。

・朝10時から「重要なミーティング」があると告げられた従業員たちは、OnLiveもようやく(Gaikaiのように) 大型買収がまとまったのでは?と冗談交じりに期待していた。

・私物をまとめて退社するよう求められたとき、正面玄関では記者に写真を撮られるからガレージを使うよう指示があった。


など。


もうひとつ気になる話として、OnLive の CEO Steve Perlman 氏は、時期をみてライバルに特許訴訟をおこすことを検討していたとの証言もあります(こちらはまた別の元従業員ソース)。実際に OnLive は2010年末にストリーミングゲームに関する特許を取得済み (US 7849491, " Apparatus and method for wireless video gaming ")。

特許を始めとする知財はいうまでもなく企業の重要な資産であり、買い手の方針いかんでは、たとえば Gaikaiを買収したソニーにとっても、競合がひとつ消えてよかった以上の厄介ごとにつながる可能性もあります。

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