Instagram lays framework for monetization, sharing info with Facebook in ToS update


写真サービスの Instagram が将来の広告販売に向けた規約改定で利用者から反発を受けていた問題について。Instagram の創業CEOである Kevin Systrom が、規約のうち広告部分の変更を撤回し、当該部分については2010年のサービス開始以来の内容に差し戻すことを宣言しました。

おさらいすると、Instagram が17日に発表した規約改定は、 Facebook による買収の反映(ユーザー情報の共有)と、将来の収益化に向けた広告商品の開発を目的としたものでした。なかでも「ユーザーは投稿した写真やユーザー名などを、サードパーティー企業のプロモーションや広告コンテンツのなかで、無償で表示することに同意するものとする」(大意) という項目が大きな反発を招いていました。

Twitter などを通じて、「Instagram で写真を撮ると勝手に売られて広告に使われるらしいよ」という内容が[拡散希望]や尾ひれつきで広まっていたのは記憶にあたらしいところです。


Instagram側はユーザーからの反響を受けて、この規約改定の目的はインスタグラムにふさわしい、新しい形態の広告を開発可能にすることを意図していたもので、「ユーザーの写真を無償で第三者に売り渡すようなことは決してない」と釈明していました。

Instagramらしいイノベーティブな広告の例として挙げられたのは、ブランドやビジネスが認知を増やしたい場合、そのアカウントをすでにフォローしているユーザーのフォロワーに対して、「あなたがフォローしている xx さんはこのブランドをフォローしています」といったプロモーションを、ユーザーのプロファイル写真つきで表示するなど。


Instagram側は19日に掲載したユーザーへの釈明のなかで、一般に広まっていた反響のうち誤解の部分については「写真を外部に売ることは決してない。写真の所有権は常にユーザーに帰属する」「プライバシーポリシーのとおり、プライベート設定した写真を公開することはない」と明確に否定し、広告に向けた項目については上記のように本来の意図を説明するとともに、「規約改定の目的はなによりもユーザーにわれわれの意図を正確に伝えて理解してもらうことであって、それに失敗したのはわれわれの過ちだった」と謝罪していました。


さらにInstagramは21日付の公式 Blog で、広告部分の規約変更の撤回を発表しました。しかしただ反響に怯えて差し戻しただけではなく、今後は「将来実施するかもしれない、まだ開発していない広告に使えるようあらかじめ許諾をとっておくのではなく、まず広告ビジネスの計画を作成してから、あらためてユーザーに説明する」ことを宣言しています。

(なお、差し戻したのは広告部分のみ。グループ企業とのユーザー情報共有などを含んだ規約改定そのものは来年1月19日から有効になります。またプライバシーポリシーも、「誤解を解くため」改定されています)


さて、ここからはまとめの一般論(渦中の企業が謝罪したことを確認後、安全圏からドヤ顔で)。どのサービスとはいいませんが、規約をユーザーにできるだけ読ませず理解させないよう必要以上に分かりにくい文言にしたうえで、よくよく読めばサービスに直接関係しない部分まで何でもありの火事場泥棒的な内容にして同意を取り付けたことにしておき、いざ問題になると「今後のため、念の為に含めていただけです。実際には使っていないのでご安心を」と釈明するような光景はよく見られます。規約だけでなく、スマートフォンやモバイルアプリのパーミッションの問題も同様。

Instagramの規約そのものや今回の手続きが模範的とはいいませんが、「バレないようにできるだけ言質( 「同意します」質?) をとっておく」「万が一法的に揉めた時も勝てるよう、できるだけ権利を放棄させておく」ような態度の企業を見るにつけ、それは本当にユーザーと継続的な関係を築くための最適解なのか、結局は「正直が最大の戦略」ではないのか再考していただきたいと強く思うところです。まあ、最初からspam業者レベルのヤリ逃げマインドでユーザー数を稼ぐことが目的で、関係継続には「囲い込んで逃げにくくする」ことが最善手と思っている企業には通じないかもしれません。