ネットラジオの Pandora が本物ラジオ局を買収、著作権管理団体に対抗

Haruka Ueda
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2013年06月12日, 午後 10:00 in copyright
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Pandora for Windows Phone


アップル iTunes Radio の参入もあり、米国ではますます「音楽の一般的な楽しみかた」となりつつある無料ストリーミング / ネットラジオサービスですが、その舞台裏ではお金の流れを巡って、今も様々な駆け引きが繰り広げられています。

中でも iTunes Radio のお手本とも言える人気サービス Pandora は、いわく「革命的な技術の常として」、既存の業界団体から様々な攻撃を受けてきたとのこと。特に米国の著作権管理団体 ASCAP (米国作曲家作詞家出版者協会)を名指しで挙げて、同種の他サービスと楽曲のライセンス料が違うとか、どの曲がライセンスされているのかはっきり示してくれないとか、レコード会社が曲単位で「Pandora 非対応」にできるようにしているとか、あれこれと批判しています。

このような現状では、たとえば他のサービスでは聴ける人気曲が Pandora だけで聴けなくなったり、Pandora が各レコード会社と直接交渉する必要が生まれてなんのための著作権管理団体なのか状態になったり、最悪の場合はライセンスされていない曲をうっかりユーザに提供してしまったり(そして裁判へ)、という問題が発生します。他のサービスではないような障害を設けて Pandora を潰すのはやめてください、というのが彼らの意見です。

とまあ、これだけだと Pandora 自身が言うような、これまでのモノと新しいモノの衝突風景というだけですが、面白いのは Pandora が裁判所への申し立てと並行しつつ、KXMZ-FM なるサウスダコタのラジオ局の買収を行ったことです。なんでも、これにより Pandora は本物のラジオ局としてライセンスを受けられるとのこと。全米のラジオ局は2012年に ASCAP や BMI といった著作権管理団体と優遇されたライセンス契約を結んでおり、今回の買収でこの優遇が Pandora にも適用されるという流れです。

もっとも、こうした動きは今に始まったものではなく、全米トップ20のネットラジオサービスのうち、16は同じ仕組みでライセンスを受けているとのこと。米国を代表する人気サービスとサウスダコタの地方ラジオ局というのは奇妙な取り合わせのような気もしますが、Pandora は自社技術を利用してリアルラジオも充実させると説明しています。それぞれに守る立場と利益があるだけに、なにが正解なのかというのは簡単には言いがたいところですが、苦境で迂回策を発見する心構えは見習いたいものです。
 
 

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