2013年上半期バイヤーズガイド:ITmedia PC USER 前橋豪 編集長のおすすめは?

EngadgetJP Staff
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2013年08月19日, 午前 08:35 in 2013fhbestbuy
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今年の夏もさまざまな新製品が登場し、どれを購入するか悩みが尽きません。識者にこの夏に購入したい新製品を聞くシリーズ、今回は PC や自作パーツからモバイルまで扱う ITmedia PC USER の前橋豪 編集長におすすめを聞きました。

ITmedia PC USER (前橋豪 編集長)
ITmedia PC USERは、Windows PCやMac、タブレット、それらの周辺機器、各種PCパーツ、さらにはアキバのPCショップ動向からSOHO/SMB向けIT製品までカバーするPC総合情報メディア。注目機種の徹底レビューをはじめ、豊富なコンテンツを通じて、PCやタブレット関連製品の選択に役立つ情報を広く深くお届け。
Q1:ではまず、最近購入したモノはありますか?

直近で購入したのはSSDなんですが、それではあまり面白くありませんね......。上半期バイヤーズガイドということで、今年前半に一番気に入って使ったガジェットは、ソニーの Xperia Tablet Z です。



Q2:購入した理由を教えて下さい。

ソニーとしては3代目のAndroidタブレットなんですが、前の2つは雑誌を折り返したモチーフのデザインなど、「最高のタブレットを生み出す」こと以前に、「いかに先行する iPad と違うタブレットを作るべきか?」という迷いがあったように思います。それでもAndroidタブレットとしては魅力的な製品でしたが。




Xperia Tablet Z は迷いを吹っ切って、原点に立ち返り、ソニーのお家芸である薄型化と軽量化を突き詰め、10型クラスで世界最薄(国内最軽量)を実現。しかも防水、防塵にまで対応しました。液晶もRetinaディスプレイほどの高画素密度ではありませんが、独自の高画質化処理もあって表示品質は高いです。 iPad 、 Nexus 、 Kindle Fire 、 Surface など、現行の主要なタブレットシリーズは一通り使ってきましたが、今年上半期に最も愛用したのはコレですね。今後は Nexus 7 2013 の国内販売と次世代 iPad mini 待ちです。

ソニーモバイルコミュニケーションズとして、スマートフォンの Xperia Z と同時開発して投入できたことで、これまで少々チグハグ感もあったソニー(旧ソニー・エリクソン)のスマートフォンとタブレットのラインアップを、アップルの iPhone & iPad のように統一的なイメージに変えることができ、ブランディングの面でもかなりよくなったと思います。


Q3:それでは、2013年上半期(1~6月)に注目したガジェットやテクノロジーはありますか? 4Kや8K、ウェアラブル、ナチュラルユーザーインターフェイスなど、いろいろありそうですが。

私はITmedia PC USERの代表なので、PC周りのトピックを中心に。

(1)高画素密度化が進むWindows PC



MacBook Pro Retina や Chromebook Pixel に先行されましたが、ようやくWindows PCにも"Retina級"の高画素密度ノートPCが出てきてくれて嬉しいです。東芝の dynabook KIRA V832 (13.3型/2560×1440ドット/約221ppi)と、富士通の FMV LIFEBOOK UH90/L (14型/3200×1800ドット/約262ppi)がそれ。Windows 8の高画素密度サポートが不十分な点は惜しいのですが、超高精細なディスプレイだけで買う価値があると思います。これまで、PC内蔵ディスプレイの高解像度化に保守的だった東芝と富士通が先行しているのも興味深いです。

(2)モバイルPCを大幅進化させるHaswell
上半期はスマートフォンやタブレットの動きが少なかったものの、PCでは核となるプロセッサが刷新されました。今回はパフォーマンスより、システムレベルで省電力化を大きく進められたのが魅力。つまり、性能を維持しながら、バッテリーが長持ちするノートPCや、より薄型で軽量なノートPC、より実用性の高いコンバーチブルPCが作りやすくなったということです。




またソニーの話になってしまいますが、約770gからの超軽量ノートPC VAIO Pro や、Windows 8 Connected Standbyと瞬間復帰に対応し、約18時間のロングバッテリーをうたうコンバーチブルPC VAIO Duo 13 は、Haswellだから作れた最先端PCで、1歩進んだPC体験ができます。Haswellノートでは、一部の802.11ac搭載製品も要注目ですね。

(3)ウェアラブル実用化の試金石となるGoogle Glass


現実と理想のギャップを埋められないウェアラブルデバイスにあって、半導体の高集積化や、センサー類、通信環境の進化など、テクノロジーがようやく理想に追いついてきた印象です。スマホ+ライフログデバイスも徐々に増えてきて、ようやく、目元や手首の奪い合いが現実化しそうな段階になりつつあります。

では、どういった製品が正解か? それには誰も答えられていませんが、高性能な超小型パーソナルコンピュータであるスマートフォンの普及を経て、Googleほどの企業が Google Glass を投入し、現状の問題点と可能性を実社会で探っていることで、大きく前進するはず、と信じたいと思います。人間の五感をもっとテクノロジーで拡張、進化させた未来を早く見たいので。

(4)タッチ操作の代用から思わぬ使い方まで、新世代のNUIデバイス


Kinect 2もありますが、ナチュラルユーザーインターフェイス(NUI)系では、 Leap Motion Controller がちょっと気になる存在です。MacとWindowsの両方で、手の動作によるジェスチャー入力が可能な小型の3Dモーションコントローラーです。昨年に発表されて、今夏に出荷が始まりました。

マウスの2D的な操作を超え、奥行き方向を生かした3D的な操作が可能なため、3DCGコンテンツとの相性がよく、実装次第では3D構造の次世代UIや3Dアプリなど、さまざまな応用が期待できそうです。画面をタッチ操作で汚さずに済み、音声入力のような恥ずかしさがないのもポイントですね。79.99ドルというお手ごろ価格と、SDKの提供もあり、環境が整ってくれば、類似製品も含めて"タッチの次"が開けるかもしれません。

(5)加熱しすぎの感も、やはり3Dプリンタの台頭も


個人ユースではまだまだこれからの製品で、低価格の3Dプリンタが増えても趣味の域を脱するのは難しいと思います。しかし、業務用途ではメーカーの製品開発工程の改善、教育や医療、あるいはアート系への応用など、多方面で生活をより豊かにしてくれる可能性に期待。今年後半にリリース予定のWindows 8.1も3Dプリンタのドライバを用意するなど、環境は整いつつある状況です。ただ、将来的に3Dプリンタで出力された銃が国内に出回るような危険性も考えておかないと......。

(6)あえてノマドと逆をいく、高級志向の外付けディスプレイ

現状ではスマートフォンやタブレットがいくら進化しても、画面サイズの限界は超えられません。クリエイティブな作業には、やはりPCと、サイズが大きく色再現性に優れたディスプレイが欲しいところです。

PC用の外付けディスプレイでは、三菱電機のカラーマネジメント対応ディスプレイ RDT242WH(GY) が面白い新製品です。プリンタ用紙の階調特性を画面表示とマッチングできる「トーンカーブエディター」が秀逸。デジタルカメラで撮影した写真を自宅のA2/A3ノビ対応プリンタでアート紙に印刷しているような写真好きの方は、これを使うとハマること間違いなしです。



同じくカラーマネジメント液晶ディスプレイとしては、昨年出たEIZOの ColorEdge CX240 も表示品質が高くイチオシ。そのほか、シャープのIGZO搭載32型"4K2K"ディスプレイ PN-K321 の高画素密度にも惹かれますが、設置スペースや消費電力を気にしなければ、IPS液晶の6画面+アームのほうが安く収まり実用的、かつ自慢できるのかなと。



(番外1)サプライズがなくても存在感を示す、アップルの新しいCM群
直接テクノロジーというわけではありませんが、アップルの新CMは自分たちがやろうとしていることと、人々の生活にとってそれがどのように役立つのかをとても印象的に伝えています。90年代後半に Power Macintosh 7600 を使っていたころ、 Think different. の広告を見て、Macユーザーでよかったと感じたのを久しぶりに思い出しました。 Think different. の広告には、スティーブ・ジョブズ氏が尊敬した盛田昭夫氏(ソニー創業者の1人)も出ていましたね。Macにより親しみを覚えたものです。

というわけで、他メーカーのCMは「これを見て買う人がいるの?」と思うことも多いのですが、この辺りにアップルの巧さを感じずにいられません。ティム・クックでも"孤高のアップルは健在"を印象付けたのでは? だから、日本での Get a Mac のCMは忘れたままでいましょう(笑) 。

(番外2)ちょっと方向性が違うけど、フィリップスノンフライヤー

テクノロジーによって、ユニークでしかもヘルシーな調理器具が出てくるのは感動的。日本ならではの調理家電ということでは、ハイエンド電子ジャーで炊いた米の食べ比べとかは興味があります。そろそろ21世紀になって随分経つわけだし、テクノロジーを生かした家庭用の全自動的な調理器がもっと本気で作られるべきだと思いません? スマート家電より、こういう製品がもっと増えてほしいところ。

Q4:これだけは買っておけ! というものはありますか?

ノートPCが欲しい人は、この夏は豊作で買い得かと。スマートデバイスだけじゃ物足りないですよね、やっぱり。

Q5:それでは、下半期(7~12月)以降に注目するガジェットやテクノロジーは?

あまり未来の話は置いておいて、直近の話を。

スマートフォンやタブレットは、上半期に動きがなかったアップルとGoogleの2強に注目が集まるのは当然と思います。ですが、ここはもっとMicrosoftに頑張ってもらい、Windows Phone、Windows RTタブレット、7~8型クラスのWindowsタブレットを含め、圧倒的ユーザー数を誇るWindows PCと合わせて使う価値をもっと高めてほしいですね。2強を切り崩して三国志にできるとしたら、Microsoftしかないでしょう。

TizenやFirefox OSといった新興OSは、iOSやAndroidに対する優位性を一般ユーザーにも分かりやすく見せられなければ、食い込んでいくのは厳しいかと。ハードウェア面では、Intelの次世代SoCであるBay Trail-Tを搭載したWindowsもしくはAndroidのタブレットの出来が気になります。Microsoft同様、Intelもここが大きな転換期ですね。




PCのトピックは、やはりOS X MavericksWindows 8.1。Mavericksは順当進化、Windows 8.1は大きく様変わりした8の穴をどこまで潰せるかだと思います。個人的には先ほど述べたようにWindows PCの高画素密度化が進んでいるので、Windows OSのサポートをもっと何とかして美麗なディスプレイをより快適に使えるようにしてほしいところ。逆に7~8型クラスの小さなWindowsタブレットも出てくるので、そちらのUIの見え方、タッチでの操作性もよく練ってほしいです。

あとは、2014年4月にWindows XPのサポートが切れることが大きいですね。ビジネスユースではPCの買い換え需要増に期待したいところですが、個人ユーザーがどういった選択をするのか、Windows 8搭載コンバーチブルPCか、クラムシェルのUltrabookか、Macに行くか、脱PCでタブレットで済ますか......、といった動向は注視すべきです。今後の一般家庭でのコンピュータ利用スタイルが大きく変わる可能性もあります。個人的には、ここらでPCの価値がもう一度見直されるべきかな、と思っています。

Q6:お金に糸目をつけないとしたら、この上半期で一番ほしいものはなんですか?

何でも買えるとなると、たぶん物欲が急減するので、ガジェット好きとしては面白くなさそう......。強いていうなら、デッドストックのLevi's 501XXヴィンテージジーンズ(レプリカではないオリジナル)ですね。ムーアの法則とは真逆のプロダクトを愛でることで、古き良きものへの尊敬の念も忘れないように。

もっと大金なら......、おこがましいですが、苦境にある日本の電機メーカー、愛すべきガジェットを作ってこられた開発者の方々を応援したいです。

前橋さん、ありがとうございました。次回もご期待ください!(連載アーカイブはこちらです)

【お詫びと訂正】
記事初出時、完成前の原稿を誤って掲載したため、8/19 11:15 に原稿を差し替えました。読者や関係者の皆様にはお詫びして訂正いたします。

 
 

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