Mac 界を代表する仮想化ソフトでおなじみ Parallels が、iPad から Mac や Windows などの PC を操作できるリモートデスクトップアプリ Parallels Access for iPad を発表しました。Parallels Access for iPad は、仮想マシンを iPad 上で動かすわけではなく、エージェントソフト「Parallels Access Agent」をインストールした Mac や Windows などを、iPad から遠隔操作する仕組み。これだけなら、「vnc」などのリモートデスクトップソフトと同じです。しかし Parallels Access for iPad はデスクトップの見た目や操作感もiPadに統一させ、マウスやキーボードを使わずにタッチ操作のみで Mac や Windows を利用可能とします。
たとえば、Windows を操作する場合、普通のデスクトップが表示されるわけではありません。iPad のホーム画面やMac の Launchpad に似たランチャー画面が表示され、この画面にあるアイコンをタップすればそのソフトがフルスクリーンで起動するしくみになっています。
画面を長押しすれば iPad と同じく拡大鏡も表示され、範囲選択やドラッグなどの微妙な操作も行えます。とはいえ、この辺りはもともと扱いにくく感じている iPad ユーザーも多いはずで、場合によってはイライラするポイントとなるかもしれません。しかしそういうところも含めて、あくまで「iPad ネイティブな操作性」にこだわった開発陣の姿勢を評価したいところです。
また、リモート操作中にテキストの入力をするとき、地味に困る Alt キーや Command キーなどの存在ですが、ソフトキーボードの上段に拡張して追加することで問題をクリアしています。
対応する機種は、Parallels Access for iPad が iPad 2、iPad(第3、第4世代)、iPad mini。Parallels Access Agent は、Mac OS X 10.7、10.8 および 10.9(Mavericks)と、Windows 7、Windows 8 に対応します。
そのほか Parallels Desktop 8 for Mac の環境では、エージェントをインストールしたWindows 仮想マシンも対応します。
Parallels Access for iPad はApp Storeから無料でダウンロード可能で、インストールから14日間は無償期間です。Mac用のエージェントはすでに正式版となっていますが、Windows 用のエージェントはまだベータ版扱いで、正式リリースまでは無償で使うことができます。無償期間終了後はサブスクリプション制となっていて、Mac、Windows で動作するエージェント数 x 年間 79.99ドルが必要となります。
なお、現在使用可能なのはいずれも英語版で、日本語版の販売開始時期や国内販売価格は未定とのこと。