12月はWindows 8.1+Bay Trail-T搭載の8型タブレットが多数発売開始となりました。ただどれも8型1280×800ドットでメモリ2GBと、まるで金太郎飴状態。イマイチ面白みに欠けます。そのような中、Surface Pro 2もビックリの一部飛び抜けたハードウェアを持つBay Trail-T搭載タブレットをご紹介したいと思います。

ARROWS Tab QH55/M試用レポート
  1. ハードウェア編(この記事)
  2. オプションとSurface 2との比較編
  3. ソフトウェア+ベンチマーク編

ワンランク上のIntel Atom Z3770とメモリ4GB搭載

冒頭に書いたように8型のタブレットは、解像度1280×800ドット、メモリ2GB、ストレージ32GBか64GB、同じBay Trail-TでもZ3740かZ3740D、インカメラとアウトカメラの解像度、microHDMIの有無など......細かい部分は違いますが、大枠似たりよったりです。現在、複数のサイトによると一番人気は、比較的安価で重量350gが魅力のLenovo Miix 2 8とのこと。確かに納得の結果と言えるでしょう。

ただ残念なのはどれもBay Trail-Tの性能をフルに引き出していないことです。パフォーマンス的にCore iとまでは行きませんが、もっと多くのメモリ、そして解像度に対応可能なのです。何か「オッと!」思う製品はないかと探したところ、ありました。富士通の「ARROWS Tab QH55/M」です。

富士通ARROWS Tab QH55/Mの仕様
プロセッサ Intel Atom Z3770 (4コア/4スレッド1.46~2.39GHz)
OS Windows 8.1(32bit版)
液晶パネル 10.1型IPS Alpha液晶、2560×1600ドット(10点タッチ)
メモリ 4GB(デュアルチャネル対応 LPDDR3-1066)
ストレージ 64GB(BTOで128GBも可能)
ワイヤレス IEEE802.11a/b/g/n、Bluetooth 4.0、NFC
インターフェース ダイレクト・メモリースロット(microSDメモリーカード対応)、USB3.0×1、USB2.0(micro-AB)×1、ステレオスピーカー、デジタル(デュアル)マイク内蔵、ドッキングコネクター
センサー GPS、加速度センサー、地磁気センサー、照度センサー、ジャイロセンサー、指紋センサー
カメラ イン200万画素/アウト800万画素
その他 防水/防塵、薬品対応コーティング、Office Home and Business 2013、InstantGo対応
サイズ/重量 267×180.8×9.9mm/約650g
バッテリー駆動時間 約15.5時間
WEB価格 10万9800円(Officeなしの「ARROWS Tab WQ1/M」は、クーポン適用価格8万820円~)

主な仕様は表をご覧下さい。注目すべきはプロセッサ4GBのメモリ、そして2560×1600ドットとなります。

プロセッサはIntel Atom Z3770です。多くのタブレットはAtom Z3740(D)ですが、クロック1.33~1.86GHzに対して4コア4スレッドそのまま1.46~2.39GHzとワンランク上になります。特にバーストモードの上限が2GHzを越えていますので、この差は小さくないと思われます。

次にメモリはデュアルチャネル対応で4GB搭載しています。他のタブレットは全て2GBなので、一般的にWindowsの作動を考えた場合、この点が圧倒的なのは言うまでないでしょう。残念なのはInstantGo対応のために(多分)、OSが32bit版になっていることです。従って実際は3GBまでしか使えません。

InstantGoは、iOSやAndroidでは当たり前のスリープ中にメールを受信したり、Updateをインストールしたり、タイマーで時間になればアラームを鳴らすなどを、Windows 8.1で可能にする機能です。実現するにはドライバを含め細部に渡りチューンが必要で、現在はWindows RTと32bit版Clover Trail/Bay Trail-T版、そしてSONYのVAIO Duo 13で有効です。

Bay Trail-TはIntel 64やVT-xにも対応している関係上、同社としては、64bit版で+1GBのメモリを取るか、InstantoGoで利便性を取るか、検討した結果、後者となったのでしょう。それでも他と比べれば+1GB多く、メモリを共有するプロセッサ内蔵Intel HD Graphicsを考慮しても作動的には有利となります。



フロント
カラーはホワイト。中央下にWindowsボタン、中央上にインカメラ。実測で637g



リア
中央上にアウトカメラ、左側に指紋センサーとワコム製デジタイザペン収納スペース。右側中央にNFC




ヘッドホン・ヘッドセット兼用端子(防水)、電源ボタン、音量±ボタン、ショートカットボタン、左スピーカー




電源入力、Micro USB2.0、USB3.0、ダイレクト・メモリースロット(下側)、右スピーカー。全てIPX5/IPX7/IPX8相当の防水性能と、IP5X相当の防塵性能なので、このような構造になっています




ドッキングコネクター



本体の収納スペースとワコム製デジタイザペン
本体に収納できるので便利です。1024段階の筆圧検知対応でスムーズに手書きが可能です



付属のACアダプター
約8×3×2.5cm/109g。加えてMicro USBからも充電可能です

10.1型2560×1600ドットで防水/防塵・薬品対応コーティング

そして最大の特徴は、10.6型フルHD液晶パネル搭載のSurface 2/Pro 2よりも高解像度な10.1型2560×1600ドットIPS Alpha液晶パネルを搭載していることです。ppiは一般的な印刷物(350ppi)まであと一歩の300に達します(Nexus 10と同じです)。

この解像度は、普通のPCや2-in-1も含め、Windows 8.1ではまだ限られた機種のみの対応で、Bay Trail-T搭載機としても驚異的。もちろん明るさ、発色、コントラスト、視野角もハイクオリティ。サウンドもサイズを考えると十分な出力、そして音質もなかなか。写真も動画も楽しめます。

またパネルは、10点タッチに加えて、電磁誘導方式のデジタイザに対応し、1024段階の筆圧検知対応のワコム製デジタイザペンが付属。スムーズな手書き入力が可能です。

サイズは267×180.8×9.9mm、重量約650g、バッテリー駆動時間約15.5時間は、8型やSurface 2を考慮すると妥当なところでしょう。重量は実測で637g。軽いか重いか、今となっては微妙なところですが、Windows RTとは違い、豊富なデスクトップアプリも使えますので、Windowsマシンと考えた場合は軽量級です。

このようにBay Trail-T搭載機としては、ハイパフォーマンスの「ARROWS Tab QH55/M」ですが、最大のウィークポイントは、Web価格はOffice込みで10万9800円。Officeなし「ARROWS Tab WQ1/M」モデルにクーポンを使って8万820円からと、Core i5搭載のSurface Pro 2とあまり変わらない価格レンジになってしまうことです。

とは言え、上記の特徴に加え、IPX5/IPX7/IPX8相当の防水性能と、IP5X相当の防塵性能、薬品対応コーティングにも対応していまので、このプラスα部分をどう捉えるかで、印象も変わるかと思います。

次回はオプションのご紹介と、Surface 2とのハードウェア的な比較を行います。

ARROWS Tab QH55/M試用レポート
  1. ハードウェア編(この記事)
  2. Surface 2との比較編
  3. ソフトウェア+ベンチマーク編