8型液晶を搭載したWindowsタブレット「ICONIA W4-820」(日本エイサー)。Bay Trail-Tで注目が集まる本製品の実機リポートをお届けします。
日本エイサーICONIA W4-820試用リポート
- ハードウェア編(この記事)
- Surface 2との比較と艦これ編
- 使いこなしとWindows 8.1編
前モデルからCPU性能で2倍、グラフィック性能で3倍にスペックアップ
Bay Trail-Tとはインテルの開発コードネームで、具体的にはタブレット向けのSoCである「Atom Z3000シリーズ」プロセッサのこと。これまでAtom搭載のPCやタブレットは低価格だけれど性能も低いのが一般的でしたが、今回のAtom Z3000シリーズは前モデル「ICONIA W3」で搭載されていたClover Trail(Atom Z2760)と比べてCPU性能で2倍、グラフィック性能で3倍の性能向上を遂げており、低価格ながら性能の高いプロセッサとして注目を集めています。
Z3000シリーズを搭載した8インチタブレットは、ICONIA W4のほかにも国内で数機種ほど発表されていますが、基本的にCPUはAtom Z3740D、メモリは2GB、ディスプレイ解像度は1280 x 800ドットとほぼ横並び。違いは本体サイズや重量のほか、ストレージ容量やGPSの有無、3G対応、HDMI出力などがポイントになります。
ICONIA W4のストレージ容量は64GBと、Z3000シリーズ搭載の8インチタブレットでは最大クラス。Windowsならではの魅力であるOfficeはWord、Excel、OneNoteが利用できるOffice Personal 2013モデル、さらにPowerPointも使えるOffice Business 2013モデルの2種類をラインアップ。価格はOffice Personalモデルが4万3000円前後、Office Home & Businessモデルが4万8000円前後となっています。
その他スペック面では前面に200万画素、背面に500万画素のイメージセンサーを搭載し、無線LANはIEEE 802.11a/b/g/n、Bluetooth 4.0を搭載。Micro HDMI搭載のため、液晶ディスプレイにつないでデスクトップスタイルとしても利用できるのも大きな特徴です。ただしGPSは非搭載のため、外出中に地図アプリなどを活用したい人は要注意です。
ICONIA W4のスペック
OS | Windows 8.1(32bit) |
プロセッサ | Atom Z3740 |
クロック数 | 1.33GHz |
コア数 | クアッドコア |
メモリ | 2GB |
内蔵ストレージ | 64GB |
ディスプレイ | 8インチ(20.3cm) |
画面解像度 | 1280×800(WXGA) |
外部ストレージ | microSD |
無線LAN | IEEE 802.11a/b/g/n |
Bluetooth | 4.0 |
HDMI | Micro HDMI |
バッテリー容量 | 4960mAh |
バッテリー時間 | ビデオ最大10時間 |
本体サイズ | 幅134.9×奥行き218.9×高さ10.8mm |
重量 | 415g |
本体はギリギリ片手で持てるサイズ
本体サイズは幅134.9 x 奥行き218.9 x 高さ10.8mm、重量は415gと8インチのWindowsタブレットとしては標準的なサイズ。横幅は広めですが、標準的な成人男性ならば、片手の第一関節でちょうど挟めるギリギリのサイズです。背面
片手持ちでギリギリのサイズ
本体上部には電源ボタン、本体右側面には音量ボタンとMicro HDMIポート、microSDカードスロットを、本体下部には充電端子も兼ねるMicro USBポートとイヤフォンジャック、ステレオスピーカーを搭載。前面下部にはWindowsロゴのボタンがあり、これを押すことでどの画面からでもスタート画面を呼び出せます。
本体上部
本体右側面
本体下部
本体左側面
初回の設定はこれまでのWindowsと同様、PCに名前をつけてからユーザーIDを設定してログインする仕組みですが、注意すべきはMicrosoftアカウントでのサインイン。初期設定のままではMicrosoftアカウントでしかログインできないように見えますが、このままMicrosoftアカウントでログインするとユーザー名もMicrosoftアカウントのIDが設定されてしまい、フォルダ名がユーザー名そのままになったり、同一ネットワークに接続した他の端末からユーザー名がそのまま見えてしまうこともあります。
これを防ぐには、Microsoftアカウントでログインせずに新規作成を選び、作成画面の下に小さく表記している「Microsoft アカウントを使わずにサインインする」からPCに任意のユーザーIDを設定できます。Microsoftアカウントでのログインは後からでも設定できるので、フォルダ名や同一ネットワーク利用時の表示名が気になる人はローカルアカウントでまずは設定しておきましょう。
ICONIA W4の内蔵ストレージは64GBですが、初回起動時のストレージ容量は51.9GB、空き領域が38.7GB。半分近い容量がシステムやプリインストールに使われているため、ストレージ容量をさらに確保したい場合はプリインストールアプリのアンインストールが必要です。
初期設定完了後のストレージ容量
PC周りの初期設定はチャームから
Windows 7までのWindowsを使っていた人にとって、Windows 8/8.1のインターフェイスはデザインだけでなく操作方法も大幅に変わっているので、最初は何を操作していいのかわからないかもしれません。基本的には画面右端から左方向にスワイプすると表示される「チャーム」の「設定」からほとんどの設定が可能です。
ICONIA W4のスタート画面
PCの詳細設定は右側のチャームを表示させて、右下の「PC設定の変更」から
PC設定
設定では音量やディスプレイ輝度、電源など基本的なものが表示されていますが、右下の「PC設定の変更」から詳細な設定が可能。Bluetoothキーボードやマウスなどを接続する場合はこのPC設定の変更から「PCとデバイス」を選択、「Bluetooth」からペアリングできます。
「PCとデバイス」ではその他にも細かな設定が可能。「ロック画面」では、本体をロック中の画面に表示できるアプリを自由に追加できます。初期設定ではメールやスケジュールなどがロック画面でも表示されますが、個人情報がロック画面に出るのは好みでないという人はここでカスタマイズしておきましょう。
ロック画面のカスタマイズ
外出先でテザリングなどを多用する人には「デバイス」項目の「従量制課金接続でのダウンロード」も大事な設定。これをオフにしておくことで、Windows Updateなど大容量の通信が発生するアップデートをテザリング時に行なわないという個別設定が可能になります。初期設定ではオフになっているので、これに合わせてPC設定の「ネットワーク」からテザリングで接続する無線LANアクセスポイントを選択、「従量課金接続として設定する」をオンに切り替えれば設定は完了です。
従量課金接続設定
実際の利用には無線LANアクセスポイントごと個別に従量課金接続の設定が必要
引き続き「PCとデバイス」の「画面の操作」はマルチタスクの操作方法をカスタマイズできます。初期設定では画面左側をスワイプすることで直前に利用していたアプリに切り替えられるという、WindowsのAlt+tabに近い動作に設定されていますが、これをオフにすると最近使ったアプリ一覧を表示し、そこから任意のアプリを選ぶことができます。
「アプリの切り替え」でマルチタスクの挙動をカスタマイズ
チャームから利用できる設定には、利用頻度の高い項目が集まっていますが、より細かな設定をしたいときは、昔ながらのコントロールパネルももちろん利用できます。コントロールパネルを利用する場合はチャームの「コントロールパネル」またはアプリ一覧画面からアクセスできます。
昔ながらのコントロールパネルも利用可能
初回では基本的なスペックから初期設定までを紹介しました。次回はZ3000シリーズのスペックを中心に、PCとして利用する場合の使用感をリポートします。
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