AMDの新型AシリーズAPU Kaveriは4K対応で動画機能を強化、製品は即日発売

橋本 新義(Shingi Hashimoto)
橋本 新義(Shingi Hashimoto)
2014年01月16日, 午後 12:15 in A10-7700K
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日本AMDが、開発コード"Kaveri"で知られる新型AシリーズAPU(Accelerated Processing Unit)の記者説明会を開催しました。今回説明したのは1月14日に発売した A10-7850K と A10-7700K に加え、近日発売予定の A8-7600 を含めた3モデルの技術解説です.

Adam Kozak氏

Terry Makedon氏


説明会は、AMD本社でシニアプロダクトマーケティングマネージャーを務める Adam Kozak氏がハードウェアに関する解説を、シニアソフトウェアストラテジーマネージャーを務める Terry Makedon氏が、ドライバ+ユーティリティである「Catalyst」に関して解説する2部形式でした。

性能指標はCPUコアとGPUコアを統合、"コンピューティングコア"に



まずは簡単に A10-7850K と A10-7700K の基本的な特徴から紹介しましょう。従来からAMDは、PCの中心となるCPUとグラフィックスの計算を担当するGPUを統合したモノをAPUを称してきましたが、今回のKaveriは従来機に比べてより結合が密になった点、そしてGPUが従来機より大幅に強化された点が特徴です(CPUも強化していますが、GPUの強化に比べると大きくはありません)。

A10-7850K の主な仕様は、"コンピュートコア"がCPUコア4基+GPUコア8基の計12基(今回から統合が進んだ結果、AMDがこういった表記をするようになりました)。なお、GPUコアを従来よく知られた呼び方で表現すると、512spとなります。 CPU部の動作クロックは標準で3.7GHz、ターボ時の最高が4GHzとなり、GPU側は最高で720MHzとなります。2次キャッシュは4MBで、発熱と消費電力の目安となるTDPは95W。予想店頭価格は2万1980円です。ちなみにアメリカでは173ドルのため、円ドルレートは若干高めの印象です。

下位モデルの A10-7700K は予想店頭価格が1万9980円(アメリカでは152ドル)と若干手頃ですが、GPUコアが6基(=384sp)と減少し、CPU部の動作クロックも標準3.4GHz、ターボ時最高3.8GHzと低くなっています。

A8-7600 は日本の予想価格は未定ですが、アメリカでは120ドル。GPUコアが6基で、CPU部の動作クロックは標準3.3GHz、ターボ時最高3.8GHzです。

なお説明会の中では、価格に関するサプライズとして「バトルフィールド4」(ダウンロード権クーポン)をバンドルすることも発表。......ただし現状、PCパーツショップで販売した製品には付属しません。AMD広報に確認したところ、「日本での展開は未定です。もし展開する場合、改めてご案内する予定です」との回答をもらいました。

あくまでも現状での情報と断った上で、何件かのPCパーツショップ店頭でバイヤーさんにお聞きしたところ、「後から購入証明書(レシート)との交換となる可能性が高そうだ」という話が出ていることを合わせてお伝えします。

隠れた目玉!? 4K対応高画質動画機能に注目















続いてはGPUの性能に関して。なんと今回はSteamユーザーのハードウェア集計データを引用して「35%のSteamerはA10-7850Kより遅いGPUを使っています」という興味深いアピールをしています。 また、基本性能での比較対象となるIntelのCPUが、ついに? Core i5-4670Kにまで上がった点も注目です。

GPU部に重きを置いたAMDとCPU部を重視するIntelという違いはありますが、従来はCore i3がターゲットであった点を考えると、今回はそれなり以上に性能に自信が見られそうです。 さらに、4Kでの動画再生とH.265(HEVC)に対する取り組みを紹介しました。

今回はビデオ編集ソフトベンダーのTelestreamと協調体制を組んでおり、HSA(CPUとGPUの強調処理用API)を使ったHEVCのエンコーダとデコーダを用意する点、とくにエンコーダはオープンソースでの提供を予定している点を発表しました。

さらにKaveriには、MPEG圧縮によるグラデーション部のバンディング(線を引いたように見える現象)を減らすコンター除去機能や、いわゆる超解像技術的な動作をするディテール拡張機能、そして24fpsの動画(映画に多い)を60fpsのディスプレイで見る場合をターゲットにした動き補間機能「AMD Fluid Motion Video」など、動画再生における高画質化機能を搭載していることも合わせて紹介しています。

古参ユーザーの間では「動画に強いAMD(ATi)」というイメージがありますが、そういった評価が復活する日も遠くないのかもしれません。 さらに隠れた注目点が、Windows標準より高速なJPEGのデコードが可能なこと。これはCatalystをインストールすることで、自動的にAMD製デコーダが"乗っ取る"格好となり、ユーザーが意識せずに使える点がアピールされています。Terry氏は高解像度デジカメからのサムネイル作成といった待たされ感の強いシーンでの高速化を強調していました。

ミドルレンジRADEONユーザーのアップグレードにも?


興味深かったのが、"ミドルレンジのRADEONカードを使っているユーザーのアップグレード用"としてAPUを売り込んできたこと。RADEONシリーズは以前より、2基以上のGPUを協調動作させて描画を高速化させる「CrossFire」に対応していますが、不慮のコマ落ちが発生していました。

そこで2013年のCatalystは、この現象に対する対策 Frame Pacing に重点を置くことで、CrossFire時の実働性能を向上。 実はKaveriをはじめとするAシリーズAPUは、"APU+単体ビデオカード版CrossFire"こと「ハイブリッドグラフィックス」という技術に対応しています。つまり、Kaveriのハード的なGPU性能向上に加え、ハイブリッドグラフィックスの性能向上率が上がったことで、グラフィックスアップグレード手段としてAPUを売り込めるようになったというわけなのです。

こうした点を受けて説明会では、「RADEON R7 240を単体で使った状態とA10-7850Kを併用した状態で、ゲームのフレームレートが最高95%向上する」というデータも示しました。ただし現状では、ハイブリッドグラフィックスに対応するRADEONカードがどのクラスまでか、情報が少ないという欠点もあります。

おそらく従来の傾向から、A10-7850Kの場合はR7 240までの対応と思われますが、AMDにはこのあたりの情報開示を進めることを望みます。 最後にヘビーゲーマーが注目している、バトルフィールド4のMantle版(平たく紹介すると、RADEON専用の高速化プラグインのようなものです)の提供時期も、ちらっとながら「2~3週間ほど」という情報も出ました。

Kaveriはこのほかにも多くの特徴を備えており、性能面でも(期待していたCPU部こそイマイチな印象もありますが)、かなり強力なものとなっています。とくに自作PC業界では、面白いCPUの登場は大歓迎。ミドルレンジ分野ではじょじょに復調してきたAMDの勢いをさらに加速する製品として期待できるものと言えるのではないでしょうか。

 
 

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