KDDIは、世界に羽ばたけるサービスの開発を3カ月間にわたって支援するスタートアップ向けのプログラム KDDムゲンラボの第5期終了発表会を開催しました。この中で、「みんなで作るWEB大図鑑」を標榜するズカンドットコムが、ユーザー参加型図鑑プラットフォームを発表しました。

KDDIムゲンラボ は、ネットサービスを中心に、世界に通用するサービス開発をKDDIが支援していこうと始めたインキュベーションプログラム。3カ月と短期間のプログラムですが、技術畑出身の田中社長肝いりの企画として2年半前にスタートしました。渋谷ヒカリエのKDDIの拠点が利用できるほか、必要に応じてKDDI研究所などグループ各社、グループ以外のさまざまな企業と連携が可能。

第5期チームのうち、ズカンドットコムは、ユーザー参加型図鑑プラットフォームを手がけるスタートアップ企業です。今回の発表会では、最終プレゼンテーションにおいて、ユーザー投票で決まるオーディエンス賞を受賞。



生物や鉄道、フィギュア、風景、虹など、趣味に合わせて自由にWeb図鑑が作成できます。また、すでにあるWeb図鑑に投稿する形式で、Web図鑑作りにみんなで参加できるサービスとなります。収集と分類を同時に、またバラバラに楽しめるのも特長です。

一番人気の魚図鑑は、Google検索で「魚」と検索すると上位にあります。掲載魚種は2900種類、3万7000データ。たとえば、釣りあげた魚を撮影して写真を投稿、釣りのソーシャルゲームのように、魚をコレクションできます。魚種などがわからなければ「未同定」を選択しておくと、魚に詳しいほかのユーザーが魚種を特定してくれるほか、図鑑の正確さも上がることになります。日本語だけでなく、今後英語もサポートしていく計画。



ズカンドットコムの中城亮祐取締役によれば、「共有型のこうした情報プラットフォームには、必ず識者と言える利用者存在し、正しい情報に導いてくれる」と言います。しかし、多くのユーザーが参加する図鑑は、より正確になる傾向が見られる一方で、参加者が少ない図鑑は、必ずしも正しい情報の図鑑にはならない可能性もあります。中城氏はその点を課題としながらも、みんなで作り上げていく楽しみや、情報を収集していく楽しみをアピールしています。

ズカンドットコムでは、スマートフォン向けアプリの配信を1月24日より開始。さらに、KDDI研究所の支援を受け、魚の写真を撮影すると魚種を特定できるアプリも4月に提供予定としています。当面はマネタイズについては考えず、まずは利用者拡大に注力していく方針です。




発表会には、KDDIの高橋誠専務(代表取締役執行役員 新規事業統括本部長)が出席しました。高橋専務は、京セラ入社後、ベンチャーがやりたくて第二電電(現KDDI、旧DDI、当時はベンチャー企業)に転籍した経緯があります。質疑応答で高橋専務は、KDDIの投資先の見直しを図っているところであるとし、ネットサービス系の企業だけでなく、ハードウェアを手がける企業も視野に出資検討する方針を示しました。

なおKDDIムゲンラボ では、第6期のメンバー募集も実施します。6期は原点に立ち返り、立ち上げ初期を意味する「シード(種子)」期のスタートアップへの開発支援計画しています。