F1 世界選手権 復帰を来年に控えるホンダの英国現地法人、ホンダUK の芝刈機が、世界最速となる 187.60km/h をマークしてギネス世界記録に認定されました。開発を担当したのはカーレースの本場、英国のツーリングカー選手権(BTCC)に参戦するホンダ ユアサ レーシングチームで、もとは20馬力しかなかったホンダ HF2620 をエンジンからフレーム、タイヤにいたるまで改造し、ハイスピードマシンに仕立てあげています。そしてもちろん、芝も刈れます。

日本でお目にかかる機会はそれほどありませんが、庭の広い諸外国では乗用芝刈機はポピュラーな存在。芝刈機によるレースも欧米ではわりと珍しくもありません。人はタイヤがついていて乗れるものならなんでも競走したくなるようで、たとえばスクールバスレースや、牽引式キャンピングカーレースなども存在します。

世界最速に挑戦する芝刈りマシンには、欧州で販売していたホンダの乗用芝刈機 HP2620 を使いました。高速走行に耐えるための改造ポイントを列挙すると、パワーユニットは オリジナルの 614cc エンジンからバイク用 995cc V型2気筒 DOHC エンジンに換装。トランスミッションには F1 ばりのパドルシフト式6速ミッションを装備します。高速安定性を高めるため低重心かつロングホイールベース化、足もとは4輪バギーのオンロード用高扁平タイヤを履いています。

これらの改造により出力は109馬力、加速性能を示すパワー・ウェイト・レシオは 1.28kg/hp。シャシーの軽量化も手伝って、0-100km/h 加速タイムは4秒に短縮しました。

 
 
これまでの最高速度記録は141.35km/h。2010年に米国ユタ州のボンネビルで記録されたものでした。今回、ホンダ ユアサ レーシングチームは、スペインのテストコースにて世界記録に挑戦。みごと187.60km/h の世界最高速度を記録しました。そのトライアルの模様を見ていると、​芝刈機のはずなのに、HF2620改 がフォーミュラカーのように見えてくるから不思議なものです。

なお、HF2620改 は、もとはといえば英国の人気番組「Top Gear」の雑誌版「Top Gear Magazine」が、ホンダと協力して始めた企画でした。下の映像ではTop Gear の名物覆面ドライバー Stig が、HF2620改 をドライブしつつ、コースサイドの芝を刈ったりしています。