3G/LTE対応の5インチTOUGHPAD、3m落下や鉄球直撃試験の一部始終

Hiromu Tsuda
Hiromu Tsuda, @boobyn
2014年04月10日, 午後 01:00 in android
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パナソニックは2月、通話可能な法人向け5インチタブレット TOUGHPAD シリーズを発表しました。6月にWindows版を、8月にAndroid版を投入予定です。丈夫さを売りにするTOUGHPADは横浜のパナソニックの施設において、全貌はお見せできない耐久テストを実施しています。試験の様子やタフ性能の秘密、グローブ着用でも水をかけても使えるタッチ画面の謎について取材しました。

国内個人向け撤退のパナソニック、頑丈タブレットで法人狙う


発表時、遠くスペインの地から触ってみたい! と素直に感じた5インチTOUGHPAD。帰国後、その想いを担当者に伝えたところ、取材の機会をいただきました。言ってみるものです。




モバイル事業を展開する国内メーカーの多くが、B to Cだけではほぼ商売できない状況にあります。それは、パナソニックであっても例外ではありません。個人向けスマートフォン市場から撤退を表明した同社は、頑丈タブレットシリーズで法人向けを狙っています。

販売台数こそ個人向けの比ではありませんが、法人向けは顧客の要望を拾い上げていく日本の企業向きの市場かもしれません。国内の端末メーカーは、技術力を活かした解決策は得意な反面、大局的な視点から市場全体の趨勢をを見極めて自分たちで市場を牽引していくのは苦手、そんな印象です。



もっと言えば、新しい世界を切り拓くイノベーションよりも、世界をよりよくするイノベーションが得意と言えるかもしれません。「イノベーション」というマジックワードを使いましたが、体質的に受け付けない方は「こと」に置き換えてください。

つまり言いたいのは、要望が明確な法人向けでしかもタフネスモデルは技術力が必要、これまで蓄積したノウハウも活かせます。国内メーカーが海外メーカーと差別化しやすい要因が個人向けスマートフォンやタブレットよりも多くある、これです。



価格は約13万円、個人購入は未定。国内モデルはSIMロック


5インチのTOUGHPADは法人モデルで、個人購入を想定していません。しかし、従来のTOUGHPADシリーズは、直販サイトを通じて個人事業主として購入できました。今回の5インチモデルで購入できるかは未定ですが、是非とも期待したいところです。



なお、パナソニックでは5インチモデルであっても、スマートフォンではなくタブレットと位置づけています。これはTOUGHPADシリーズ全体で販売ボリュームを稼ぐため。3Gの通話、LTEのデータ通信にも対応しており、これまで同様にWindows版とAndroid版があります。製品の詳細については、発表記事製品レビューを参照。

単体購入価格は13万円程度になる見込み。残念ながら、国内モデルについては基本的にはSIMロックをかける予定で、海外モデルについては販売する国の事情に合わせてロック解除にも対応します。



天井をぶち抜き落下テスト


過酷な環境下でのICTの業務活用」という、かなり堅い言い方ではありますが、5インチTOUGHPADは、そんなタフな状況を想定したモデルです。パナソニックの横浜の工場では、日夜実験が繰り返され、タフネスに磨きをかけています。

この実験の様子がとても興味深いのですが、残念ながら動画の公開は他社製端末のテストも実施しているためNG。仕方が無いので文章と静止画でお楽しみください。



脚立の上から落としても平気な端末を目指した今回、脚立の上を3mと想定し落下テストを実施。ただし、工場の天井は3mもありません。パナソニックでは天井をぶち抜きテストを行いました。

米軍納品規格であるMILスペックでさえ、落とす床は合板(ベニヤ板)ですが、パナソニックではあえてコンクリートの床に落とします。実験動画では、他社製スマートフォンでもテストしており、数回のテストで他社メーカーが動かなくなる一方、TOUGHPADは動作しました。あくまでもパナソニック側の実験施設ですから、今後実機で試してみたいところです。

400g鉄球直撃テスト


また、80cmの高さから400gの鉄球を落下させるテストも実施。何かは言いませんが、国内で3キャリアが投入するAndroidではない方のスマートフォンに鉄球がめり込んだり、お隣韓国企業の海外向けタフネススマートフォンのディスプレイが割れたりする中、5インチTOUGHPADは傷つかず操作が可能。



仮に、胸ポケットに入れたスマートフォンが銃弾を防いでくれたとすれば、それらは使えなくなりますが、5インチTOUGHPADならその後すぐに「助かったなう」というツイートができるかもしれません。ただし、TOUGHPADが入る胸ポケットがあればの話。銃弾は冗談とはいえ、強化ガラスを採用する各社のスマートフォンでも違いがあるそうです。

5インチTOUGHPADは、ディスプレイ部のガラスパネルはコーニング製のGorilla ガラスを採用しています。それだけでは、ほかの多くのスマートフォンと同じですが、通常のスマートフォンのガラスパネルよりも厚みを増し、厚みが増した分だけ鈍くなるタッチ操作の反応をチューニング。さらに、受けた衝撃を緩和するよう独自の機構設計を採用しています。




ディスプレイは静電容量と感圧式の組み合わせか

丈夫なディスプレイは5mm厚の作業用グローブを着用していてもタッチ操作でき、さらに静電容量式のディスプレイにもかかわらず、水を流している中でも操作できる設計になっています。

あまりに疑問が多く、取材中に「にわかに信じがたい」と言ってしまいました。パナソニックでは「特許が絡んでくるため、技術の詳細は言えません」としています。



いくつかもらったヒントを組み合わせれば、静電容量式のディスプレイにひずみセンサーを搭載し、要するに静電容量と感圧式の合わせ技のような設計を採用していると見られます。

分解されたらすぐに真似されるのでは? というこちらの意地悪な質問に担当者は「あけてもおそらくわからないと思いますよ。積み重ねの技術ですから」と話しており、このことから指やグローブの圧力や水を検知するチューニングのノウハウが必要なのではないか、と想像できます。

寒冷地では内蔵ヒーターが暖機運転


このほか、6200mAhという大容量バッテリーも特徴ですが、寒冷地用に端末にヒーターを搭載しているのも珍しい点です。本当にそれがヒーターなのか聞いてみると「決してCPUをぶん回して熱くしているわけじゃありません(笑)。ヒーターの部品があります。冷蔵庫内の作業や冬場の作業を想定し、寒冷地ではまずヒーターが暖気運転を行います」と話しています。

通常寒冷地ではバッテリーが余計に消耗しますが、5インチTOUGHPADはホットスワップに対応しており通電したままバッテリー交換できます。長時間計測している場合などに有効ではあるものの、バッテリーカバーを外すと防水機能はなくなります。



繰り返しますが、5インチTOUGHPADは法人用モデルです。100dB(音圧レベル)のツインスピーカーなどは室内ではかなりうるさく、工事現場での利用を想定した作りになっています。

これをアウトドア用のスマートフォンとして使えれば、置き場を気にすることなく安心して使え、大音量で音楽も楽しめます。写真も撮れる上に電子コンパスやGPSもあり、通話もできるとなればアウトドア用モデルとして言うことなしのモデルになるのではないでしょうか。

久々に出くわした、購入前に自然とあれこれ想像してしまうモデルですが、繰り返しお伝えしているように法人向けです。最後にこれぞ法人向け、といえる、暗闇での二次元コード読み込みシーンをご覧下さい。速いです。


 

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