シャープが4K試験放送に対応するHDDレコーダー、TU-UD1000を発表しました。愛称はズバリ、AQUOS 4Kレコーダー。6月25日発売予定で、予想実売価格は13万円前後。HDD容量は1TBです。

現状ですとあまり大々的に報じられてはいませんが、4K試験放送はスカパー!プレミアムにおいて、6月2日からスタートします。本機はこれに対応するチューナーを搭載した、(少なくとも発表ベースでは)初めての製品。

シャープでは「業界初、4K試験放送をありのまま受信・録画・再生が可能」と、ちょっと流行に乗ったようなフレーズでアピールします。

 



ハードウェア構成としては、一般的なHDDレコーダの装備に加えて、入力となる4K試験放送対応のスカパー!プレミアムチューナー、そして放送や録画後のデータを再生するためのH.265(HEVC)デコーダーチップを搭載します。

4K試験放送の録画は、レコーダー側での再エンコードなどをせず、試験放送で流れるHEVCのビットストリームをそのまま記録する方式。地上波デジタル放送などにおけるMPEG-2 TS録画に相当します。

ちなみに製品発表会場では「この4K対応HEVCデコーダーチップはFPGAなどによるカスタムなのか」という質問も出ましたが、「新規に開発した1チップデコーダーである」との回答が出ています。



さて、HDDが1TBのみと聞くと気になるのが録画時間ですが、すべて4K試験放送として使う場合は、約53時間「しか」ありません。また現状では、録画したデータのコピーや移動は一切できません。いわゆるタイムシフト視聴とされる「撮って、見て、消す」のみです。

発表会場でも容量が少ないのでは? という話が出ましたが、シャープ側は「試験放送中は試験ゆえに同一内容の番組が繰り返し放送されるので、現状では容量は少なくてもいいと判断した」と回答しているものの、いまいち歯切れが悪い印象です。



さらに本体の映像出力端子も、HDMI 2.0のみ。つまり放送を見るためには、HDMI 2.0(と、著作権保護としてHDCP 2.2対応)に対応したディスプレイが必要になるため、現状ではかなり制限が多いものとなっています。ちなみに、同時発売予定のAQUOS UD20シリーズはHDCP 2.0に対応済みです。

なお本機は4K試験放送対応チューナーだけでなく、別途地上/BS/110度CSデジタル用のチューナーも搭載しています。こちらは本体内でのH.264への再エンコードや、搭載したUSB端子経由での外付けHDDへの録画といった、一般的なHDDレコーダーと同様の扱いが可能になっています。



ちなみに、発売日が6月25日と、6月2日の試験放送開始日に対して間に合わない件に関しても質問が出ましたが、シャープからは「現状では、他社でも2日に間に合う製品はないと思う。なお試験放送は個人向けだけでなく、パブリックビューイングなども実施されるため、2日からはそちらが主になるのではないか」という旨の回答が聞けました。



さて、気になる画質に関しては、発表会場でも開始前の放送を特別に受信したデモが実施されましたが、さすがに最初から高効率コーデックであるHEVCを採用することだけあり、かなり優秀。



MPEG系の圧縮ノイズに関しても、スカパーのロゴなど、本来ノイズが出やすい箇所を液晶パネルの画素が映るぐらいのアップで撮影してもあまり感じられない、優秀なものでした。目視でも、思い切り近づいて、よくよく目を凝らすとモスキートノイズが出ているかな、というレベルです。



フルHDは地上デジタル放送の絡みもあり、今から振り返ると画質面での妥協が持ち込まれた感もありますが、4Kでは画質にもかなり期待できそうだということが確認できました。

となると問題は、やはり試験放送だからとはいえ、保存した録画データをまったく動かしようがないという点でしょうか。さすがにコピーまではいかなくとも、単体では見られない形でもファイルとしての移動に対応してくれたら、と思わざるを得ません。また、手堅い展開としてより大容量なHDDを搭載したバリエーションモデルの登場なども期待したいところです。