東京ビッグサイトで開催中のワイヤレス・テクノロジー・パーク 2014(WTP2014)より。情報通信研究機構(NICT)がUWBを使った屋内測位システムを披露しています。

GPSの入り込めない屋内の位置測位システムといえば、WiFiを利用したもので数m、IMESによるポイント測位で10m程度の誤差がありますが、今回の測位システムはリアルタイムに測位しつつ誤差は30cmと高精度なものです。

NICTでは、物流倉庫などでの作業効率向上、視覚障害者向け歩行支援、ショッピングモールでの顧客サービスなどに活用できるとしています。 

固定局

UWBは、Ultra Wide Bandのことで超広帯域無線などと呼ばれます。今回のシステムは7.25〜10.25GHz帯という高い周波数帯域のUWB(インパルス方式)を利用し、モバイル機器と固定局の間で短いパルス信号をやりとりして位置を測位しています。

WiFiで位置を測位するものは周辺環境の影響を受けやすい電界強度(電波の強さ)で測位しており、IMESは電波を吹いてそのエリアにいるかどうかを確認する測位システムです。今回の屋内測位システムは、固定局のパルス信号を受けそれを返すまでの到達時間で測位し、さらに3つ以上の固定局とパルス信号をやりとりすることで精度を高めています。

なお、UWBのエリアは半径10m程度と小さく、固定局を多く設置する必要があるため、コスト高になるといった課題がありました。NICTでは2012年にこれを30mにまで広げ、視覚障害者向け歩行支援システムの技術開発として発表しています。



今回これらのシステムの実用化を進めるため、WTP2014でのデモ披露だけでなく、実証実験も行います。具体的には、ショッピングモールにおいて客の位置に連動したショッピング情報を提供し、専用端末で注文する実験や、店員が持っている移動用端末での決済、倉庫での作業員やフォークリストの導線の可視化を実施します。

ちなみに、非常に高精度な位置測位システムですが、あくまでも屋内での利用に限られます。これは屋外用途は同周波数帯で他に割り当てられているためで、屋外テーマパークなどでは利用できません。

屋内での測位やナビゲーションといえば、アップルは Bluetooth Low Energy を使った iBeaconをすでに実用化しています。こちらは設置したビーコンからの大まかな距離を取得する仕組み。