5月31日より、ソニーの最新Androidタブレット Xperia Z2 Tablet (Wi-Fiモデル)の国内販売が始まります。3G/LTEモデルのドコモ版 SO-05F は6月下旬、au版 SOT21 は7月中旬発売予定なので、Wi-Fiモデルはそれより一足早く入手できることになります。

Xperia Z2 Tabletは、10インチ級タブレットで世界最薄・最軽量をうたいながら、前モデルを上回る防水性能を誇る製品。サイズ的に近く軽量なタブレット iPad Air との比較を交えつつ、Xperia Z2 Tablet のレビューをお届けします。




ソニーのタブレットといえば、SONY Tablet Pシリーズ / Sシリーズでは独特の外観に仕上げて独自路線を貫くのかと思いきや、次のXperia Tablet Zであっさり軌道修正し、スタイリッシュな"オムニバランス"デザインで一定の評価を得るに至ったことが記憶に残るところ。

最新モデルとなるXperia Z2 Tabletは、10インチクラスのタブレットで「世界最薄・最軽量」をうたいながら、前モデルを上回る防水性能を誇ります。

10インチクラスといえば、よく比較に持ち出されるのがiPad Air。OSプラットフォームも違えば設計思想も異なる機種ではありますが、このiPad Airと比較しつつXperia Z2 Tabletの注目ポイントをざっくり紹介します。



間違いなく薄く、軽い Xperia Z2 Tablet

両者を並べてみると、サイズはXperia Z2 Tabletの方が一回り大きくなっています。Xperia Z2 Tabletが10.1インチディスプレイ、iPad Airが9.7インチディスプレイということもありますが、横置きした時の高さはほとんど変わらないにもかかわらず、幅はぐっと広がり、上下左右のベゼルもやや幅広です。



しかし薄さの違いは目で見てわかるほど歴然としています。スペック上はXperia Z2 Tabletが6.4mm(最厚部6.7mm)、iPad Airが7.5mmということで、わずか1mmほどの違いですが、指でつまむだけでその差ははっきりと感じ取れます。



重さの違いも、やはり実感できます。Xperia Z2 Tabletが426g(実測426g)、iPad Airが469g(実測463g)で、差は約40g。iPad Airの発売当初はその薄さ、軽さに驚いたものですが、Xperia Z2 Tabletと比べてしまった今となっては、なんだかiPad Airの厚みが野暮ったく見えてしまうほど。



Xperia Z2 Tabletの背面はレザー調の風合いを施したマットな樹脂素材で、ホールド感もしっかりしています。ただ、平置きした状態からだと持ち上げにくく感じることはあります。このあたりはオムニバランスデザインによるサイドの切り立った"1枚板"の形状であることと、最大の特長でもある薄さが影響していそうです。



その他、ハードウェア面での大きな違いは、Xperia Z2 Tabletが防水・防塵対応であること。防水はIPX5/8、防塵はIP5Xにそれぞれ準拠しており、風呂場など湿度の高い場所での使用も問題ないとされています。自宅ではスマホよりタブレット派のユーザーにはうれしい性能アップです。

機能は多いがスムーズさに欠けるカメラ機能



ソニー製品といえばマルチメディア機能が注目されるところ。スマートフォンのXperiaシリーズもそうですが、多彩なAV機器を扱うソニーならではの技術が盛り込まれ、独自のメディアプレーヤーであるWALKMANアプリやムービーアプリなどがプリインストールされているのも特徴です。



まずカメラについては、Xperia Z2 Tabletが810万画素、iPad Airが500万画素で、撮影解像度は大きく異なります。標準では細かい画質設定などは行えず、どちらもシャッターを切るだけでアプリが自動的に画質を調整します。



ただ、カメラ機能のプラグインという形で、Xperia Z2 Tabletは多彩なカスタマイズ項目のある"マニュアル"モードも備えます。解像度変更、シーン設定、ホワイトバランス・露出調整、電子式手ブレ補正などがあり、こだわって撮影したい人にはうれしい機能。なお、スマートフォンのXperia Z2/ZL2にある4K動画撮影機能は、Xperia Z2 Tabletにはありません。

一方で、カメラ機能の使い心地は両者で大きく異なります。Xperia Z2 Tabletは、設定メニューを表示した状態だとなぜかカメラのプレビューがコマ送り状態になり、メニュー自体の操作がもたつきます。撮影時のズーム処理もぎこちなく、終始滑らかに動作してくれるiPad Airとは対照的。サッと操作してサッと撮影し、サッとアップロードしたいソーシャル時代のカメラ機能としては消化不良気味です。

【Xperia Z2 Tabletで撮影。リサイズ前の元画像


【iPad Airで撮影。リサイズ前の元画像


また試用した範囲では、Xperia Z2 Tabletで動画撮影するたびに、動画ファイルのフレームレートが微妙に変化し、PC上の動画解析ソフトで見ると「27.874fps」のような不思議な値になっていました。動画を単独で撮影・視聴する分には問題ないかもしれませんが、他の動画や音声と組み合わせて編集する際に音ズレなどせずきちんと同期できるのか、若干不安が残ります。

4K動画の再生に対応。拡大再生もOK



メディアプレーヤー(ムービーアプリ)の機能はどうでしょうか。Xperia Z2 Tabletは4K撮影できないことはすでに述べましたが、4K動画の再生には対応しています。GoProで撮影した4K(3840×2160ドット・15fps)や2.7K(2704 x 1524ドット・30fps)の動画は、(低いフレームレートではありますが)コマ落ちすることもなく、スムーズに再生してくれました。もちろんフルHD 60fpsの動画再生も全く問題ありません。

Xperia Z2 Tabletのディスプレイ解像度は1920 x 1200ドットですから、4K/2.7Kの映像は再生時に縮小されることになります。その際にスムージング処理が働くためか、ドットバイドットで表示されるフルHD動画と比べて精細さが劣るように感じられたものの、ムービーアプリでは動画を拡大しながらの再生も可能で、4K/2.7K動画では一定の拡大率までは画素の破綻が目立たないことになります。使い道によっては面白い遊び方が見つかるかもしれません。

【4K動画再生時のスクリーンショット、元画像


【同じ4K動画を拡大再生した時のスクリーンショット。元画像


また、Micro USBポートはMHL 3.0に対応。別売りのケーブルで4KテレビのHDMIポートに接続することで、大画面で4Kネイティブの動画再生が可能です。ちなみにiPad Airは4K/2.7Kの動画再生には対応しません。PCのiTunesからファイルコピーしようとした段階で、対応していないファイルだとして同期すらさせてくれません。

ハイレゾ音源はUSB出力が可能

マルチメディア機能でもう1つ取り上げておきたい特徴が、WALKMANアプリでハイレゾ音源の再生できること。手持ちのハイレゾ音源をコピーしてみたところ、24bit 48/96/192kHzのWAV/FLACファイルを再生できました。



DSD形式についてはネイティブ再生に対応しておらず、ソニーのメディアファイル管理ソフト「Media Go」を使うことでDSDファイルをXperia Z2 Tabletへ転送可能ですが、転送時に24bit/96kHzのFLAC形式に変換されます。

実はXperia Z2 Tabletは、Android端末としては珍しく、USB経由での音声出力に対応しているのが大きなポイント。OTGケーブルを使ってUSB DACと接続することで、ハイレゾ音源を正しくハイレゾで出力できるわけです。

手持ちのUSB DAC(ifI nano iDSD)を接続して再生してみたところ、ノイズのない、クリアで生々しいハイレゾの音を体感することができました。ちなみにハイレゾ音源のUSB出力はiPad Airも対応していますが、ハイレゾ再生対応アプリが別途必要になります。



Xperia Z2 Tabletの内蔵ステレオスピーカーによる音もリッチで、広がりのある音場を感じさせてくれます。しかし、イヤフォンジャックに接続したヘッドフォンなどで音楽をじっくり聴くのはあまりおすすめしません。個体差も考えられますが、サーッというホワイトノイズが終始混じっているのがはっきり聞こえます。ハイレゾを楽しむならUSB DACか、従来からあるThrow機能やDLNA機能で他のオーディオシステムから音声出力するのがベターでしょう。

意外におトクな価格設定の32GB版だが......

価格は16GB版のiPad Airが4万8800円(アップルオンラインストア)に対し、同容量のXperia Z2 Tabletが5万1000円(ソニーストア)と、やや高額。しかし32GB版になると逆転し、Xperia Z2 Tabletが5万5500円と、容量が倍増するに従って値段も1万円ずつアップするiPad Airより安価になります。たった4000円の違いなら、32GBを選ぶ方がおトク感はあるかもしれません。



話題の4Kとハイレゾの再生に対応し、最新マルチメディアマシンとして風呂場でも活用できるXperia Z2 Tablet。PS3のコントローラーDUALSHOCK 3をワイヤレス接続してゲームをプレーできるのも、ファンにはうれしい要素です。ただ、大容量になりがちなそれらのファイル、ゲームアプリを扱うとなると、16GB版はもとより32GB版であっても十分ではありません。

Xperia Z2 Tabletで動画や音楽、ゲームを存分に楽しみたいなら、可能な限り大容量のmicroSDカードを併用することも考慮に入れ、その分の値段も含めて検討することをおすすめします。