YouTube、定額制の音楽配信サービスを夏にも開始へ。契約を拒むインディーズに動画排除を警告 (更

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2014年06月19日, 午前 11:30 in google
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YouTube が、この夏にも定額制の音楽配信サービスを開始します。サービスの開始に先立ち、契約に同意しないインディーズレーベルの動画を YouTube から排除する可能性があると、 Reuters Financial Times、米 Billboard などが報道しました。状況によっては Radiohead ら一部の著名アーティストの楽曲コンテンツも YouTube で視聴できなくなるかもしれません。
日本ではいまだに CD が音楽コンテンツ販売の80%を占めるとされますが、海外では定額制の音楽配信サービスが勢力を拡大しています。先日、有料会員数が1000万人を超えたと発表した Spotify や、アジアへの進出著しい Rdio はその成功例です。アマゾンも今月、米国でプライム会員向けに Prime Music をスタートしました。また、Apple は Beats を傘下に収めることで Beats Music を手に入れ、今後の展開が注目されています。

Google 傘下の YouTube も、定額制の新しい音楽配信サービスを開始すべく準備を進めてきました。新サービスは、従来どおり無料のYouTubeベースとして、広告表示をなくしたり楽曲のオフライン再生には月額料金が発生する形になると言われます。

YouTube はすでにユニバーサル、ソニー、ワーナーといったメジャーレーベルと契約を済ませたものの、各国のインディーズレーベルの一部に対しては契約交渉の難航が伝えられていました。Googleと合意に至っていないレーベル側の主張によれば、理由は他の配信サービスに比べて厳しい契約条件と、交渉の余地を与えない強引さにあるとされています。

インディーズ側の業界団体 WIN (Worldwide Independent Network)は、新サービスへの契約に同意しないレーベルはそのコンテンツを YouTube から削除するという、なかば脅しのような要求を突きつけられていると主張します。

英国のインディーズ業界団体 AIM(Association of Independent Music)、米国のA2IM(American Association of Independent Music)なども新サービスの契約内容に反発しており、同じ意見をもつ各国の団体とも歩調を合わせ、欧州委員会や FTC(米連邦取引委員会)に審査を求めるなどの動きを見せています。

これに対し YouTube のコンテンツ担当責任者 Robert Kyncl は、業界全体の95%におよぶレーベルとすでに契約を締結済みとしたうえで、当初は交渉するレーベルすべての同意を得たかったが、やむを得ずサービスを開始することにしたと話しています。



著名アーティストしか聴かないから、インディーズレーベルが削除されても別に構わないと思う人もいるかもしれません。しかし、世界的に有名なアーティストでも所属レーベルがインディーズというケースは多々あります。たとえば、Radiohead や、Vampire Weekend、ジャズ/ソウル/ポップシンガーの Adele らは英国のインディーズレーベル XL Recordings 所属であり、彼らの動画も YouTube で見られなくなるのではと懸念の声があがっています。

ただし、YouTubeは定額制音楽サービスの実施予定や、一部のインディーズレーベルと契約できていない状況は認めたものの、具体的なサービスの詳細については明らかにしていません。このため、契約していないアーティストのコンテンツがどのような扱いになるのか、これまで無料で(広告付きで)見られていた動画が消えるのか否かなどは、サービスが実際に始まってみないと分かりません。

(追記: 上記のとおり、YouTube側が新サービスや交渉内容について正式に発表していないため、非契約レーベル楽曲の扱いがどうなるのか、従来どおりの無料のYouTubeから削除されるのかも明確には分かりません。

その上で、Adele を含むインディーズアーティストの多くが公式チャンネルを持つ Vevo のYouTubeチャンネルについては、すでに Vevo とYouTubeのあいだで契約が成立しているため、新サービスの開始後の対応いかんにかかわらず従来どおりYouTubeに残ります ( Forbes への Vevo 担当者コメント)。Vevoは自前ウェブサイトのほかYouTubeにもチャンネルを開設する音楽ビデオサービス。

またYouTubeと新サービスについて契約を拒否しているレーベルのアーティストについても、本人公式ではなく、ファンなどがアップロードした動画については、レーベル側が権利侵害として削除を求めないかぎり削除されません。(YouTubeは動画中の楽曲を認識するContentIDの仕組みを使い、権利者本人がアップロードしたのではない動画について、権利者削除するか、そのまま残すかわりに広告から発生した利益の一部を受け取るかを選択できるようにしてきました)。

しかし、こうした権利者以外のアップロード動画については、これまでレーベルなど権利者が広告収益を受け取る代わりにYouTubeに残すことを選択していた場合であっても、新サービスの開始後にどうなるかは不明確です。たとえば無料のYouTubeで広告表示がなくなり、権利者に収益もなくなる可能性など。

そもそもYouTubeとしては、新サービスの契約に不服なアーティストの楽曲をこれまでどおり広告付きで残しておくことで、新サービスの有料ユーザーから「わざわざ広告を消すために有料会員になったのに広告付きの曲がある、オフライン再生もできるものとできないものがある!」と非難される自体を避けたいのではないかと考えられています。)



なお、Google は6月25~26日に開発者向けカンファレンス「Google I/O 2014」を開催予定です。YouTube の定額制音楽配信サービスについても、なんらかの発表があるかもしれません。

下はもうすぐ視聴できなくなるかもしれない Adele の Skyfall 。
 
 

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