電子工作部活動報告:GalileoでIoT時代のガジェットを作ろう(後編)

Marika Watanabe
Marika Watanabe
2014年06月27日, 午後 05:40 in engadget
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電子工作部の活動報告後編は実際の発表会を中心にお伝えします。Galileoを使ったガジェットはできたのでしょうか。ちなみに発表会は前編の内容から2週間後。朝10時にA〜E班の各班が集合し、試作機制作に取りかかります。以下の写真は発表会当日午前中までの状況です。

フェルトをチクチク

こちらはネクタイ......何に使うのだろうか

お花もあります

こちらはレゴブロック

黙々としかし楽しそうに作業しています

お昼の休憩を終えた後も試作機のブラッシュアップが続きます。調整しながらもプレゼンの準備をする、という並行作業にもかかわらず、あちらこちらから笑い声が聞こえてくるのが、本当に楽しそうです。実際に顔を合わせるのが2回目という参加者も多いはずなのにもこれほど仲が良く息があっているのも印象的です。実は、初日と2日目の間はFacebookで頻繁にやり取りしていたのでした。

予定していた午後3時半を少し回ったあたりで発表会の開始です。とはいえギリギリまで試作機を作っているチームもいます。事務局が発表の順番を打診すると「うちは最後で!」「じゃあうちは最後から2番目で!」と各チーム事情が見え隠れ。最終的に発表はB班、E班、D班、C班、A班の順番になりました。

B班:猫同士のコミュニケーションを促進!?

発表会のトップバッターはB班。「遠方に住む(?)猫同士が、ネットワークを介して同じように動くボールで遊べるように」というコンセプトで開発したGalileoがジェットです。

2つのボールがネットワーク越しに同じように動くイメージ

ただし最初から2つのボールを使って作るのは難易度が高くて2週間ではそこまでプロトタイピングができませんでした。発表会では遠隔操作でどのようにボールを動かせばいいか実験機を発表。2つのボールをどうやって同期させるかという入り口までの説明をしています。

動かすボールの元になったものは光センサー搭載ロボットのメカ工作キット「たまロボ」(ELEKIT MR-9802)。光に向かって進むのが特徴でLEDなどの光源に反応します。発表ではダンボール箱を部屋に見立てて、その内側4カ所にGalileoでコントロールされたLEDを設置。GalileoはLEDの出力調整に使っています。早速LEDを光らせると......。



どうやら機嫌が悪いようです。また暗いとスリープモードに入ってしまい、復帰に時間がかかるのも思い通りに動かなかった原因のようでした。



ちなみに点滅するLEDの光ではなく、例えばiPhoneのフラッシュライトのように継続して強く点灯する光源であれば問題なく動くようです。

E班:離れていてもコミュニケーションを促進する「見えないへその緒」

E班が考えたのは、保育園などに預けた子供たちのライフログ。預けた子どもがどのように活動しているのか、保育士でも把握しきれない一人一人の子どもの情報を、双方が共有し、親と保育士、親と子のコミュニケーションに役立てようとの発想から開発しました。そこで生まれたのが、子供たちの活動を記録する「見えないへその緒」です。これは保護者も保育士もうれしいかもしれません。

ひと昔前には当たり前のように付けていた名札をイメージ。今は安全上の問題や個人情報保護の観点から、名前を明示するものは身に付けていません。ですが「見えないへその緒」のように関係者にしか分からないものであれば、身に付けさせても安全そうです。

情報を受け取る親機、つまりGalileoを保育園内にメッシュ状に配置。子供たちは名札としてGalileoと通信できる子機を着用し、子供たちの居場所をGalileoに伝える仕組みです。時間帯によってどこにいたかも分かるため、一緒にその場所にいた人も分かり、誰と誰が仲がいいかも分かりますね。ママ友と会話する機会があれば、そんな子供のライフログも活用できそうです。もちろん自分の子供との会話も充実しそうですね。

見えないへその緒は、活動量を図れるセンサーも搭載し、子どもがどれほど動いたか、逆にじっとしていたかも記録します。親や保育士が、子どもの一日の行動パターンを知るのに役立ちます。まさに「見えないへその緒」。離れているのに絆で結ばれているようです。


子供たちが不用意に保育士たちから遠くに離れてしまうなどのイレギュラーなイベントもアラートで通知。子供の安全を常に意識している保護者や保育士にとっても気になるプロダクトでした。

D班:あと少しを助ける「花見ココ」

皆さんは、知らない場所に行ったとき、「あともう少しで到着するのに、近いはずなのに場所が分からなくなった」という経験をしたことがないでしょうか。



似たような場面として、花見などでごった返すイベント会場で、遅れてしまったため仲間を見つけ出すのが難しいとか、用を足すためにちょっとその場所を離れてしまったら、戻ってくるのに手間取ってしまった、などということもあるかもしれません。<br /> <br /> そんなときに役立つのが、D班の開発した「花見ココ」です。仲間の場所がなかなか見つからないときにスマートフォンアプリの花見ココを立ち上げ、ボタンをタップすると......。


ピカーっと光ります

暗い場所では威力を発揮しそうですね。迎える仲間たちも、彼(彼女)が来たことに気づいて、場所を少し空けるなど、準備してくれるかもしれません。

●C班:仲直りを促進する「花心(はなこ)」ちゃん

喧嘩をしたカップルがどうしたら仲直りできるか......そんなコンセプトで開発されたのがこの「花心(はなこ)」です。副題も付いていて「詫びるほど 頭を垂れる 花心ちゃん 地固まるるかな お許しの雨」だそうです。



使い方は次のとおりです。まず、花心を互いの家に置いておきます。そして喧嘩をしてそれぞれの家に帰ってしまった場合、謝りたいと思った男性がアプリを立ち上げ、「ごめんね」ボタンを押します(悪いのは男性側という前提になっています)。悪いと思えば思うほど、ゴメンねボタンを連打して、花がどんどん傾くようにできます。



深々と頭を垂れた花を見れば、彼女も許さざるを得ないでしょう。「もういいよ」という意思表明に、彼女が花に水をかけるとセンサがそれを感知し、花が直立し、男性側はスマートフォンアプリから許してもらったことを知ることができるようになっています。



このシステムには、傾きセンサと浅草技ギ研による曲げセンサ、そして水センサが利用されています。曲げセンサでは10段階の傾きを感知し、その状態をアプリに送ることができます。アプリでも対応した10段階のアイコンを用意し、現在の状態を表示させられます。

水センサは植木鉢に敷き詰めた人工芝の下に敷いて隠し、違和感がないように工夫したようです。このセンサは水がかかったかどうかを検知し、水をかけるとエアーポンプで空気を送り込み、花を直立させます。花の状態は傾きセンサが感知して、スマートフォンアプリに送信、状態表示する、という仕組みになっています。

●A班:意識せずに自分の位置を知らせて彼女の機嫌を直したい

こちらもカップルの距離をさらに近づけるために開発されたもの。機嫌の悪い彼女が眠れないときに、彼女の気分を落ち着かせて眠れるようにする、というものです。

機嫌の悪い彼女が

眠れるように、と開発

最近は、それぞれ何かと忙しいですから、直接会うのもままならない、というお2人も多いのではないでしょうか? 電話をかけても繋がらない。メールをしてもLINEでメッセージを送っても返事がない。彼女のイライラは募るばかり......。

そんなとき、彼女の家にこれを置いておけば機嫌を直してもらえるかもしれません。

レゴの正体はこれ

仕組みはフィギュアの下にカーテンレールで作成したレール、スライダー、サーボモーターがあり、彼の持っている端末の位置情報がGoogleドライブ上のドキュメントに反映され、その情報をさらにGoogleのAPIで飛ばしてPythonで処理をし、彼女の家に近づけば近づくほど男の子のフィギュアが彼女側に近づいていく、というものです。

GPSデータを取得しフィギュアが動く

なので、彼氏としては、特に何も意識して操作せずとも、「今、彼女の家の近くにいるんだよ」ということを伝えられ、彼女の気分を良くしてあげられます。ちなみに、レゴブロックのカバーの後ろには、3Dプリンターで作成した外装が仕込まれています。

意識せずに近くにいることを教えてあげられる

外装は3Dプリンターで作成

当初は、フィギュア2体とも動かす予定でサーボを2つ購入したとのことですが、ハプニングがあり、間に合わなかった、とのことです。プレゼン中、実際に、連動した端末を持った人が移動するわけにはいかないので、福岡から秋葉原への位置情報を入力してデモンストレーションを行っていました。



レールの端が福岡で、彼女のいる位置が電子工作部会場の秋葉原という設定のため、フィギュアの動く距離もわずかです。......のはずが、シャイのため、動かず。本番で動かすのはなかなか難しいようです。

今後の展開が気になる講評も

各班のプレゼン後、情報科学芸術大学院大学教授の小林茂さんや本電子工作部講師のかすやきょうこさんたちからの講評がありました。

今回、準備中は動いたのに、ということが多かったため、「発表中に動かなくなる、というハプニングは起きがちなので、うまく作動しているところの動画も撮っておくといいですね」というアドバイスが。また、花心ちゃんに対しては、「機能安全という考えから、何かが起きたときに安全側に倒れるよう制御するように。今の状態では、電源が切れたときにしおれた状態になってしまうが、ハッピーな状態がデフォルトのほうが良いのでは?」というアドバイスもありました。

かすやさんは花心ちゃんの「10回連打くらいでは許さない!」というドS発言で会場をわかせつつ、彼女の機嫌を直す開発物に対しては、「3Dプリンターで作成されたものはよくできているので、後ほどじっくり見てみてください。それから、ハプニングがあった、ということをプレゼンに含めると、好感が持てていいですね」という優しいコメントも。

また、3才児の母親でもあるゲストのインテル田中智子さんは、見えないへその緒について、子どもと長時間離れているのは不安なため、ぜひとも製品化を、という声を寄せていました。

イベント終了後も、Facebookを通じてやり取りをし、さらに磨きをかけている部員もいるようです。今後、ここで発表されたものが製品化できるほどにブラッシュアップされ、登場するかもしれませんね。
 
 

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