レンズメーカーの安原製作所は、全周魚眼レンズMADOKA 180の富士フイルムXマウント用を7月8日に発売しました。直販のみの取り扱いで、価格は税込み2万6800円。

MADOKA 180は、画角180度の円形画像が得られる全周魚眼レンズ。2012年にソニーEマウント用を発売して以来、約2年振りに対応マウントを追加しました。EマウントとXマウントは純正の全周魚眼レンズが発売されていないので、アダプター類を介さず、3万円を切る価格で円周魚眼の表現を楽しめる点で魅力的。参考までに、フォーマットは異なりますが、他社が現行機種としてラインナップしている全周魚眼レンズは価格が9万円以上するものがほとんどです。なお、同社では発表当時よりマイクロフォーサーズ用もアナウンスしていますが、いまだに発売されていません。現状は「出る出る詐欺状態から脱するべく努力している」とのことです。

また、全周魚眼レンズの画像から歪曲を除去する補正ソフトWALP(ヴァルプ)も用意しています。価格は2000円。全周魚眼の特徴といえる丸い歪曲をあえて補正し、超広角画像とすることを目的としたソフトです。


全周魚眼レンズの撮影画像

補正後の超広角画像

安原製作所というメーカーについて補足しておきましょう。同社は個人経営のカメラメーカーで、現在は主にミラーレスカメラ向け交換レンズの開発と販売を行っています。創業者は、自主映画監督としても知られる安原伸氏。

1998年の創業後、翌1999年には最初のプロダクトとして、金属製のフィルムレンジファインダーカメラ『一式』を発売。その後もいくつかの製品を世に送り出しました。

しかし、世間では折しもフィルムカメラからデジタルカメラへの移行が急速に進んでいる時期であり、2004年にカメラメーカーとしての業務を一旦停止してしまいます。

業務を再開したのは2007年。業務開始後は、ソフトフォーカスレンズ『モモ100』や高倍率マクロレンズ『NANOHAx5』をリリースします。

同社製品の特徴はなんといってもピーキーなスペックでしょう。

NANOHAの例で言えば、一般的な単焦点マクロレンズの撮影倍率は1倍ですが、NANOHAの撮影倍率は5倍。仮に1cmの被写体があったとすると、一般的なマクロレンズは撮像素子上で1cmの大きさで投影されますが、NANOHAの場合は5cmの大きさに投影されます。つまり、過剰といえるほど被写体にクローズアップできるというわけです。レンズ先端部にはLED照明を備え、ピントが合う距離はレンズの前玉から2cm以内。無限遠は出ないので、事実上超高倍率撮影専用の交換レンズです。

安原製作所はこのように、大手メーカーにはなかなか真似のできない製品を連発する、ユニークなメーカーとして知られています。

蛇足ですが、MOMO、NANOHA、MADOKAといった製品の名称にはそれぞれきちんとした由来がありますので、他の何かを連想したとしても、それは偶然ですのであらかじめご了承ください。