ウエスタンデジタルは、3.5インチSATA接続 HDDの新製品 3シリーズ7モデルを7月24日に発売します。

新モデルの特徴は、NASやストレージアレイなど複数ドライブ環境向けの高信頼性HDD『WD Red Pro』シリーズが新登場すること。また既存のWD RedとWD Greenシリーズには、1.2TBプラッタ(HDD内部の円盤本体)を採用した6TB版が加わります。

WD Red Proは最大16ベイに対応




新シリーズとなるWD Red Proは、8~16ベイの中規模~大規模ビジネス用NASシステム向けに設計されたモデルです。ウエスタンデジタルには従来からWD Redシリーズがありますが、こちらは最大8ベイまでの対応と比較的小規模なシステムに向けた設計。対してProはより大規模なストレージ構成に対応します。

容量構成としては2、3、4TBの3モデル。税別での店頭予想価格はそれぞれ1万7000円前後、1万9000円前後、2万5000円前後。4TB版のお買い得度が高い設定です。なお、製品保証期間はRedの3年間より長い5年間に設定されています。



さて、そもそもなぜ搭載台数に制限が設けられているのか、疑問に思う方もいるでしょう。その理由は、多数のHDDを1つのケースの中に収めた場合に安定動作の障害となる振動や発熱に対して、Redシリーズは対策を施しているため。

もちろん一般的なHDDでもこうした悪条件への影響にはある程度対策していますが、RedとRed Proはさらに安定した動作を目指し、振動が発生しても高度な制御が可能な機構や、高熱環境では速度を調整して停止を防ぐファームウェア(制御用ソフト)、耐久性の高い電子部品を搭載して対策しているというわけです。

代表的な機能としては、衝撃を自動的に検出する多軸衝撃センサーと、振動により磁気ヘッドに悪影響が発生した際にもデータを補完保護する動的フライハイト技術、自身の振動と動作音を抑える3D Active Balance Plusが挙げられます。

さらに、NASWareと名付けられたRedシリーズ専用ファームウェアのバージョンは3.0に上がり、外部振動からの影響を抑えるRAFF(Rotary Acceleration Feed Forward)機能が強化。隣接するHDDから受ける線形振動と回転振動をリアルタイムに補正して信頼性を向上します。

6TB版は1.2TBプラッタ×5枚構成を採用


続いては既存シリーズの追加モデルについて。こちらはWD Red(無印)シリーズと、WD Greenシリーズのそれぞれに5TB版と6TB版が追加されるため、計4モデルとなります。



WD Redは先述したRed Proの下位となる、NASやストレージアレイ用のシリーズ。従来モデルとの違いはプラッタ容量の他にも、ファームウェアがProと同等のNASware3.0にアップグレードした点。これにより最大5ベイまでの対応から最大8ベイまでの対応と、対応台数が増加しました。

もう1シリーズのWD Greenは同社のスタンダードHDD。低価格で静音性が高く、省電力な点で人気を博しており、PCパーツショップでも定番製品です。

税別での店頭予想価格は、Redの5TB版が2万5000円前後、6TB版が2万9000円前後。Greenの5TB版が2万2000円前後、6TBが27,000円前後で、相対的に6TB版Redのお買い得度が高い格好です。



これら4モデルの注目ポイントは、冒頭でも紹介したように6TB版に1枚1.2TBの容量を持ったプラッタが搭載された点(5TB版は未公表)。実はHDDのプラッタ容量が増加するというのは、他のパーツにおける世代交代に匹敵するインパクトのある話です。

従来3.5インチHDDにおける1プラッタあたりの最大容量は1TBで、これはシーゲイトが2011年5月に発表したもの。今回の1.2TBプラッタはHDDメーカーを通しても初の採用となりますが、3年ぶりの更新となります。従来発売されていた6TB版HDD(1TB×6枚構成)に比べると、消費電力や発熱の低減(プラッタを廻すモーターのトルクを減らせるため)、ひいては部品点数の減少による信頼性向上に繋がるというメリットがあります。

今回登場したWD Red Proと5TB版、6TB版追加モデルは、どれも人気モデルとなりそうな印象です。WD Red Proは高価ではありますが、それ以上の振動対策や保証期間とのバランスが魅力で、6TB版製品もHDDのプラッタ容量増加を心待ちにしていたユーザーを中心に人気となりそうなモデル。

とくにもとより人気の高かった無印Redは、ファームウェアの強化も伴い、さらにGreenとの価格差も比較的小さいことから、HDD市場全体の中でも注目製品になることも予想されます。

他社製品での1.2TBプラッタ採用時期などの動向も含めて、久々にHDDがアツくなりそうです。