ドイツ・ケルンで開催された写真・映像機器の見本市フォトキナ2014より。サムスンが9月15日に発表したミラーレスカメラ NX1は、同社のNXレンズマウントを採用するレンズ交換式カメラのフラッグシップ機です。

サムスン製のミラーレスカメラは日本では通常流通していませんが、NX1では有効2820万画素の裏面照射型CMOSセンサーやIEEE 802.11b/g/n/ac規格の内蔵Wifi、H.265の4K動画記録に対応するなど、かなり強烈なスペックに仕上がっています。イメージセンサーはAPS-Cサイズ。24pの4K動画記録が可能で、コーデックはH.265/HEVC。エンコーダーはハードウェア。ちなみにH.265は現在主流のH.264/MPEG-4 AVCと比べて圧縮効率が高く、H264と同じ画質であれば半分程度の帯域で伝送できます。また、ブロックノイズ除去など画質の向上も図られています。



AFは新型システムのNX AF System IIIを搭載し、最速0.055秒で合焦可能。位相差AF測距点は205点で、うち153点がクロスセンサー。画面全体の90%をカバーします。また、AFを駆動させながらの連写も可能で、連写速度は最高15コマ/秒。

感度は拡張設定込みでISO100~51200の範囲を設定できます。シャッター速度は最大1/8000秒。ファインダーは236万画素の電子ビューファインダー。背面モニターはチルト式で103.6万ドットの3型有機EL。

通信機能としてはWifiのほかBluetooth 3.0とNFCにも対応。外装はマグネシウム合金の防塵防滴仕様。

レンズマウントは同社独自のNXマウントで、現在は15本の交換レンズをラインナップ。このうち12本には設定ショートカット機能のi-Functuionボタンを搭載しており、ボタンを長押しすることで絞り、シャッタースピード、ISO感度、ホワイトバランスを調整できます。このとき、数値の調整にはボディ背面のコントロールホイールのほか、レンズのピントリングが使用可能。


このほか、タッチAFモード時には露出とフォーカスポイントをライブビュー画面上で個別に設定できるExposure/Focus separationを利用できます。


外形寸法は139×102×66mm。重量は550g。

価格はボディのみが1499ドル、16-50mm F2-2.8のレンズキットが2799ドル。日本での発売予定はありません。

本機を触ってみて最初に気になったのは、独特なボタンとダイヤルの配置です。特にAFモード切り替え、ISO感度、ホワイトバランス、測光方式の切り替えが背面向かって左肩のダイヤル上にあるのは新鮮でした。

使い方によるものの、確かにAFモードや測光方式はそれほど頻繁には変えないため、やや押しにくい位置にあってもそれほど問題はないのかもという納得感はありました。ISO感度とホワイトバランスは、i-Function対応レンズの使用時ならi-Functionで変えた方が速く、この位置にあっても問題ないと感じます。


性能面では15コマ/秒の連写時にコンティニュアスAFがしっかり食いついてきたことが印象的でした。EVFもしくはライブビューで被写体の動きを追うため少々大変でしたが、遅延も少なく十分実用になるように思います。4K動画については、撮影を試してもその場で4Kで見られるわけでもなかったため言及は避けます。

日本国内では販売しておらず馴染みのないサムスンのミラーレスカメラですが、今回NX1を触った感覚では、他社の上位ミラーレス機と比べても性能面で遜色はないように思います。APS-Cで2820万画素の裏面照射型CMOSセンサーがどのような写真を出力するのかはわかりませんが、製品版の実写画像を見てみたいと思わせる機種でした。

ところで、サムスンは先述の通り日本展開をしていないにも拘わらず、NX1ではなぜか日本語の設定が可能です。現行機種のうち日本語設定が可能なのはNX1のみ。ただ、なぜ日本語が設定可能なのかとサムスンの説明員に尋ねたところ、説明員も「わからない」との返答でした。単なる開発方針の変更と考えられますが、それ以外の可能性も想像させる変更ではあります。