(上の写真は、着陸のため接近中の Philae が撮影したチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星)
ESA の発表によれば、Philae がチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に着陸したのは日本時間の13日0時半ごろ。ほぼ当初の予定通りの時刻です。
着陸にまったく問題がなかったわけではありません。Philae が日本時間の12日17時半ごろに探査機 Rosetta を離れた際には、着陸直前に減速するためのガス噴射ができない問題が伝えられていました。
それでも Philae は、打ち上げ以来10年間折りたたんだままだった着陸用の脚を伸ばして彗星に接近。着地点が砂場だったことも幸いして、大きな反動に跳ね返されることもなくしっかりと地表に降り立ってみせました。
なお実際の着陸時には、ほぼ重力のない彗星表面で機体を固定するための銛が発射できなかったことも後で判明しています。
計画では、Philae はこれから2015年末まで、太陽系が誕生した頃の状態に近いとされる彗星表面の成分の分析や有機物の有無などを調査し、生命誕生の起源を探るためのデータを採取します。
また、Rosetta もチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の周りを回りながら、近日点に近づくにつれ彗星から噴出するガスやチリなどの様子を観測します。
Rosetta / Philae のニュースを見て、数年前に小惑星イトカワから微粒子を持ち帰った探査機はやぶさを思い出した人も多いと思われます。ちなみに今月30日には、そのはやぶさの後継機「はやぶさ2」が種子島宇宙センターから打ち上げられる予定です。