インテルがCES 2015に合わせて、第5世代Core i(Core i 5000番台)となる14モデルのCPUを発表しました。これらは2014年に発表した超小型ノート・タブレット向けCPUであるCore Mに続くBroadwell世代の新モバイルCPU(タイトル画像はBroadwellのダイ)。
合わせてPentiumとCeleronでも、Broadwell世代の計3モデルが追加となっています。

Broadwellは現行のHaswell(ハスウェル)の後継と位置づけられる、次世代CPUのアーキテクチャー(基本構造)名。実際の製品としてはモバイルからデスクトップまでと幅広いラインナップが予定されていますが、今回は薄型ノートPC向けと位置づけられる、通称「Uシリーズ」と呼ばれる製品に絞っています。



Broadwell全般を現行のHaswell(第4世代Core iシリーズ)と比較した主な改良点は、実使用時の消費電力削減と、それによるGPU性能の強化。とくにHaswellでは(比較すると)さらに前世代のIvy Bridgeから進まなかった、高負荷時の消費電力低減にフォーカスしています。

インテルは2013年10月に初めて公式にBroadwellのコード名を公開しましたが、その際に「同じ性能であればHaswellよりもさらに30%の消費電力削減が可能」と予告していました。

実際にCore Mでは、発熱と消費電力の目安となるTDP(熱設計電力)を、Haswell世代の11.5Wから4.5Wにまで低減しています。性能はHaswell世代に比べて若干落ちますが、それ以上に大きな消費電力低減を図っています。

一方でCPU部の性能向上は、一部モデルで基本動作クロックこそ伸びてはいるものの(後述)、コア数は2基で、実行可能スレッド数はCore i3以上では4、PentiumとCeleronでは2と、このあたりはHaswellと同じです。

なお、Broadwell世代CPUの概要と、今回発表されたUシリーズの位置づけなどは、以下の記事を参照ください。

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今回発表したUシリーズ17モデルのTDPは15Wと28Wと、数値こそHaswell世代と変わりませんが、TDPはPCメーカーが設計時の冷却能力として使う値のため、従来のインテル製CPUでも、世代交代で実消費電力が下がりながら同じ値が使われるという事態は多くあります。

なお、TDPが2種類あるのは、グラフィックスを担当するGPU部の性能差。28Wと別枠扱いの4モデル(番号部の末尾に7が付きます)は、Iris グラフィックス 6100と名付けられた高速版(処理ユニット数が多い)GPUを搭載する、一種の特別モデルです。

15WのCore iシリーズでもGPUは2グレードに分かれています。Core i7とi5モデルの一部(番号部の後ろが「50」です)に搭載されるのは、HD グラフィックス 6000と呼ばれるやや高速なバージョン。
ただし一定のTDPをGPU性能に振っているため、CPUのクロックは、後述する標準版GPUのモデルに比べて低く設定されており、Haswell世代とほぼ同等です。

ちなみにこのGPU重視グレードは、Haswell版においてAppleがMacBook Air(MBA)に搭載していたことから、新型MBAでもこのバージョンの採用が有望視されているものです。

さて、Core iモデルの多くに搭載されるのがHD グラフィックス 5500と呼ばれる標準版。この仕様のモデルは、GPUが遅い分CPUのクロックが上げられており、最も高いCore i7-5600Uでは基本クロックが2.6GHz、ターボ時最高では3.2GHzになっています。

Haswell世代で仕様の近いi7-4600Uと比べると、ターボ時の最高クロックこそ3.3GHzと同じですが、高負荷時で重要な基本クロックは2.1GHzでした。また日本では採用例の多いCore i5の主力モデルの場合、Core i5-5200UとHaswell世代のi5-4200Uを比較すると、それぞれ2.2(最高2.7)GHz対1.6(最高2.6)GHzと、こちらも基本クロックが大幅に上げられています。

なお、PentiumとCeleronに搭載されるGPUは、HD グラフィックス(今回も番号が付きません)とだけ呼ばれる廉価版です。


他の特徴としては、音声処理が挙げられます。こちらはCore Mと同様に、『Intel Smart Sound』と呼ばれる音声用DSPが新たに搭載されました。従来CPUで処理していた音声信号に対するエフェクト、たとえばDTSの音声処理技術などの処理をDSPに移すことで、省電力化を狙います。

さらに応用として、『Intel Wake on Voice』と呼ばれる機能も準備されています。これはInstantGo対応機種においてスタンバイ状態でDSPのみをオンにしておくことで、音声での復帰を可能とするもの。従来のCPUでは、音声認識をCPUが担当するため、スリープ時では消費電力が大きくなるため、まさにDSPを活かした機能といえそうです。


▲Broadwell Uシリーズのパッケージ(外観)。Haswell世代のUシリーズと同じく、チップセット機能をパッケージ内に収めたSoCタイプです。


このように、今回発表されたBroadwell世代のUシリーズは、Haswell世代の同格製品と比較すると、GPU強化かCPUの基本クロック向上がなされるモデルチェンジとなっています(もちろん、さらに細かな改良は大量にありますが)。

こうした「性能の底上げがなされる」タイプのモデルチェンジは、実際の製品への影響はかなり大きいものとなります。それだけに、CES 2015を皮切りに今後登場する2015年のモバイルPCは注目できるものとなりそうです。