スロバキアの建築スタジオ Nice Architectsが、送電網や水道のない場所でも長期にわたり快適に過ごせるというモバイル住居 Ecocapsule (エコカプセル)を公開しました。
Ecocapsuleは全長4.5mほどとコンパクトでありながら、折りたたみベッドやデスク、椅子2脚を備えた内部は「大人2人が快適に過ごせる」設計。屋根には太陽電池パネル、収納式のポールには風車があり、内部の大容量バッテリーに蓄電します。
雨水や露を集める形状になっているほか、他の水源からの水もフィルタしてタンクに貯蔵が可能。シャワー、トイレ、ミニキッチンでは水を流すことができ、「自然の中でもホテルの快適さ」をうたいます。
エコカプセルの主な仕様は、
水と電力の自給
- 雨水、露の収集(濾過を含む)
- 高効率太陽電池 600W(2.6 平方メートル)
- 風力タービン 750W
- デュアル電源システム
- 高容量蓄電池(9744Wh)
- ワーキング&ダイニングエリア(椅子2脚と二人用テーブル)
- 2つの開閉可能な窓
- 折りたたみ式ベッド
- 小さなキッチン
- シャワー
- 水洗トイレ
- 収納スペース(室内と室外)
- 総床面積 8 平方メール
- 大きさ 約 2.55 m x 約 4.45 m x 約 2.25 m
- 重さ 1500 kg
Ecocapsuleは生活するための基本的な設備を備え、砂漠や荒野といった人の生活が困難な場所でも、ホテルのような快適さで長期滞在を可能にすべく設計されています。
用途は自然のなかでの調査や研究滞在のほか、災害時などの緊急滞在や救援、簡易に設置できる旅行者向けロッジなど。
軽くコンパクトで輸送がしやすいこと、オールインワンで設置しやすいことも特徴です。標準的な輸送用コンテナに収まるため船便や航空便で必要な場所に送ることができ、おおよその輸送コストも発表されています。
例えば、スロバキアからニューヨークへの船便での料金は2200ユーロ(約29万6000円)。スロバキアからヨハネスブルグへの船便は2700ユーロ(約36万1000円)など。目的地へはトラックの荷台に載せるのはもちろん、台車に乗せて自動車や家畜に引かせての移動も想定しています。
現在は機能するプロトタイプが完成しており、5月28日〜29日にオーストリアのウイーンで開催されたPioneers Festivalで一般公開を経ています。発売は2016年予定。2015年の第4四半期に価格を発表し事前受注を開始する見込みです。