ワコム、紙に書くとデータになるノート Bamboo Spark発表。iPadやGalaxy Note用ペン3種も

橋本 新義(Shingi Hashimoto)
橋本 新義(Shingi Hashimoto)
2015年09月4日, 午後 06:22 in bamboo spark
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タブレットの大手メーカーとして知られるワコムが、同社では初となるスマートフォリオ『Bamboo Spark』(バンブースパーク)を発表しました。紙のノートに専用ボールペンで絵や文字を書くとデジタルデータとしても保存できる、いわゆるデジタルノートのワコム版となる製品です。

バリエーションはフォリオ(カバー)構造の違いで3種類(後述)。発売は10月中、価格はWeb直販で1万9224円(税込)。なお使用には、iOS 8以降かAndroid 4.3以降に対応した機種が必要です。

いわゆるデジタルノートは他社からも登場していますが、Bamboo Sparkはワコム製品らしい精度の高さや本体の軽さ、紙のノートパッドに汎用品が使える点、そしてワコム製品の隠れたメリットである消耗部品の豊富さなどがポイントです。



なお、ちょっと気になる方が多いであろうシリーズ名は、アイデアが閃いた際に使われる比喩表現「スパークする」から取られています。少し前のマンガなどでは「人物の頭の横に電球がともる」あのイメージです。



ハードウェアとしての構成は、ノートパッドを挟む横開きのフォリオと専用のボールペンから構成されます。いわゆる本体となるのがフォリオ側で、A5サイズのノートパッドを挟むスペースの背面にデジタイザを搭載。バッテリーや電子部品もこちらにあります。



フォリオの左側はタブレットなどを設置する場所となっています。これは上述したように3種類のバリエーションがあります。

「gadget pocket」は、スマートフォンを収納可能なポケットタイプ、「tablet sleeve」はタブレットを留められるスリーブになっているタイプ、そしてiPad Air 2専用ですが、はめ込んで固定可能なタイプとなる「snap-fit for iPad Air 2」。なおsnap-fit~はワコム直販専用モデルです。



デジタイザ部の技術ベースとなるのは、ワコム独自の電磁誘導(EMR:Electro-Magnetic Resonance)方式。専用ボールペンには電池が不要なため、電池を必要とするタイプの製品に比べて軽く、バッテリー消耗トラブルもないのがポイントです。



電磁誘導方式は、「ペンとの距離が離れていても検知が可能」「ペン側に電源が不要」「デジタイザモジュールの薄型化で有利」というメリットがあります。
本機はこれを活かして、ノートパッドは厚さ5mmまでであれば使用可能で、またペン側に電池がないため軽い書き味となっています(ただしペンは上述のように専用となります)。上述したノートパッドの汎用性の高さなども、ワコムデジタイザ技術のメリットでもあるわけです。

他社製品と比べたメリットは、フォリオが軽いことも挙げられます。最も軽いgadget pocketは535g、重いtablet sleeveでも620gです。気になるバッテリー駆動時間は連続使用で8時間を確保。充電時間は2.5時間。なお、ペンの重量は22gです。



使用法は本体の電源をオンにし、iOSまたはAndroidに、専用アプリ『Bamboo Spark app』をダウンロード。本体(フォリオ)の中央部にあるボタンを使い、Bluetooth Smartでペアリングします。ペアリング終了後は、中央のボタンを押すだけで、それまでの筆跡データがアプリに転送される、という仕組み。



また本体メモリには約100枚分までのデータが保存可能なので、もし手元にスマートフォンやタブレットがない、という場合でも使えます。なお、バッテリーの充電はマイクロUSB B端子。電源スイッチはノートパッド底面側にあります。

筆跡データはベクトル(ストローク)として保存されており、時系列も保たれているため、Spark app上でアンドウやリドウも可能。紙の上では1枚に書いた絵や文字でも、Spark app側では複数ページへ分割して保存するといった作業も可能です。



Spark appは白黒データしか扱えませんが、同社の『Bamboo Paper』アプリに移行することで、色づけなども可能。同社のクラウドストレージ『Wacom Cloud』との自動同期や、WILL形式(ワコム独自のストロークデータ)としての保存も可能です。

またデータをJPEGやPDF形式に変換も可能で、メール添付や、Evernote、Dropboxなどのサービスへのエクスポートも可能。このあたりは後発だけあり、使い勝手のポイントを押さえた設計です。



隠れたポイントは、文具としての使い勝手の良さ。カバー(本体)を閉じるゴムバンドやペンの握りやすさ、ペンを固定するためのスペースといった細かな使い勝手がかなり考えられた設計となっており、たとえばtablet sleeveモデルにはケーブルなどを固定しておけるマグネット留めのホルダーなども用意されています。



さらに付属品として、専用替え芯2本が付属。さらに消耗品として替え芯や専用ボールペンの単品購入、さらにフォリオを閉じる固定用ゴムバンドさえも可能な点はワコムらしいところです。

とくに専用ボールペンは、「いざというときはワコムのタブレットでも使える、ワコムブランドのボールペン」というファンの心をくすぐるアイテムでもあるだけに、単品で購入する方も出てくるはず。

合わせて同社はBambooシリーズとして、スマートフォン用のスタイラス3種類を発表しました。



『Bamboo Fineline 2』は、iPad専用のBluetooth接続モデル。前世代となるBamboo Stylus Fineline(下記記事参照)から1.9mmと細いペン先を継承しつつも、握った際の重量バランスなどを見直すことで操作性を向上させました。発売は10月中で、ワコム直販価格は8078円(税込)。

ワコム、Bamboo Stylus FinelineなどiPad用スタイラス4モデル発表。ペン先改良で精度と滑らかさをアップ




『Bamboo Smart for Samsung Galaxy Note』は、Galaxy Note Edgeや4に対応したペン。もともとGalaxy Noteシリーズ付属のSペンはワコム製タブレットを採用しているため、アプリ側はそのまま使えるのがメリット。発売は10月中で、直販価格は5184円(税込)。

Sペンは本体収納を前提としているため小型ですが、本機はそういった制限がないため、ペン単体での書き味や重量バランス、使いやすさを追求した設計。重量は13gと、いい意味でちょうどよい感があります。Noteシリーズの書き味をさらに上げたいというヘビーユーザーには強くオススメできる完成度です。



『Bamboo Alpha』は、同社の最廉価モデルとなる、シンプルなタッチパネル用スタイラス。いわゆる「指として認識させるタイプ」のため、ペン先は6mmと太めで、素材もラバーですが、ペンのボディをアルミニウムとして軽量化をしつつ手触りを高めた点や、グリップ感などもに配慮した設計が特徴です。発売は10月中で、直販価格は1382円(税込)。



さて、気になるBamboo Sparkの使用感ですが、ワコム製らしい入力の精細さやボールペンとしての書き味の良さ、そして上述したような細かな点での使い勝手の良さなどが印象的。とくにWacom Cloudを使っているクリエイターであれば、WILL形式での保存が可能なことから、下書きやカンプなどに使うと面白そうです。



デジタルノートは昨今の技術進歩で使い勝手が増してきたことから、文房具メーカーなどの参入が増加しているジャンル。そうした中で、タブレット技術の第一人者とも言えるワコムが自社製品で参入するというニュースは、ジャンル全体の発展という点でも注目できるものでしょう。
 
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