キャリア各社が新料金を発表するなど、例年以上に火花を散らしている中、ついにiPhone 6s、6s Plusが25日に発売されました。今年はアップルが完全予約制を取っており、当日は雨模様とあって、店頭でのお祭り騒ぎはあまり見られなかったものの、依然としてやはりiPhoneは人気の端末。28日には、販売台数が1300万台を超えたこともアップルから発表されています。


ローズゴールドも加わったiPhone 6s
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筆者も、このiPhone 6sを早速入手。発売日から合わせて、4日ほどメイン端末として使ってみました。まだすべての機能を使いこなせているわけではありませんが、今回はファーストインプレッションとして、その印象をお伝えしていこうと思います。

結論から言ってしまうと、以前iPhone 6を使っていた筆者は、iPhone 6sに変えてよかったと感じています。ドコモのiPhone 6s(64GB)を選んでおり、一括払いで10万円ほど支払っていますが、満足度は十分。万人に勧められる端末であるiPhoneの魅力は健在でした。もっとも、SIMフリーのiPhone 6(16GB)が5万円で売れなければ、もう少し評価は厳しめになっていたかもしれませんが......。ただし、リセールバリューが高いのは、iPhoneシリーズの魅力。差額約5万円で最新モデルにアップグレードでき、容量も増えたと思うことにしています。

まずは見た目からですが、この点に関しては大きな驚きはありません。サイズが微妙に大きくなっているなど、数値の上では異なりますが、デザインという点ではiPhone 6を完全に踏襲しているからです。カメラの出っ張りはなくしてもよかったのでは......と思いますが、質感の高さは健在。重量が重くなったこともあり、持ったときの印象はじゃっかんですが、変わっています。重くなったことはネガティブに捉えられるかもしれませんが、金属素材を使っていると、むしろその方が重厚感があっていいと考えの人もいるでしょう。筆者もその1人で、見た目より軽いという印象だったiPhone 6よりは、iPhone 6sの方がバランスがいいと感じています。

見た目はiPhone 6を踏襲するも、持った時の重厚感はアップ
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個人的に、もっとも恩恵が大きいと感じているのが、パフォーマンスがアップしたところです。チップセットが「A9」になり、iPhone 6の「A8」より70%ほど性能がアップしているほか、メモリ管理ソフトで確認したところ、RAMも2GBに増量されていました。この効果がとても大きく、アプリの切り替えがスムーズだったり、キーボードがスッと出てきて1文字目からきちんと素早く反応してくれたりと、とにかく操作に"引っかかり"がありません。iPhone 6では、ややパフォーマンス不足と思えたようなところが、きちんと改善されているのです。

メモリ管理アプリを見ると、RAMが2GBに増えていることがわかる

最初にお断りしておくと、カメラはまだ十分な数の撮影ができていませんが、iPhone 6から画素数が上がっているため、精細感は増している印象。サッと撮っても、きちんとした画質に仕上がるiPhoneの強みは健在だと感じました。シャッターを押す前後1.5秒前の映像と音声を記録する「Live Photos」も、おもしろい機能です。ただし、こちらはまだ外部サービスで活用ができないため、魅力は半減。FacebookやTwitterなどに対応していくことで、楽しさが伝わる機能だと感じました。基本的な操作性もよく、サクサクと撮れて画質も上がっているため、撮影が楽しくなります。

やや暗いお店で撮った料理の写真も、ディテールまでクッキリ(6sで撮影)


細部の描写が精細になっているのは、画素数向上のメリット(6sで撮影)

もうひとつ、自分ならではの視点で評価できるのが、このiPhone 6s、6s Plusから、SIMロックの解除に対応しているところです。筆者は6カ月以前にSIMロックを解除したドコモ回線を持っていたため、購入直後にiPhone 6sを「SIMフリー化」しました。あえてSIMフリー化としたのは、他のSIMロック解除に対応したAndroidと違い、iPhoneにはキャリアの独自の仕様が入っていません。通信周りなどはキャリアごとに合わせたカスタマイズがされている節もありますが、OSより上のユーザーが目に触れる部分に関しては、あくまで「同じiPhone」です。

SIMロック解除もIMEIを入力するだけと簡単

Androidでは、SIMロックを外して他社のSIMカードで使っているにも関わらず、キャリアのIDを何度も求められたり、他社では利用できないアプリがアンインストールできないといったこともあります。つまり、あくまで、キャリア版の端末のSIMロックが外れているだけで、いわゆるメーカーが自分たちの仕様で売るSIMフリー版になるわけではないのです。この点がiPhoneは異なっており、SIMロックさえ外れれば、あとはSIMフリー版とまったく同じになります。対応している周波数も広く、海外の幅広い国で利用できるため、iPhoneのSIMロックは外さないと損なのです。

実際、自分はドコモから購入しましたが、サブで使っているauのSIMカードを挿してもちゃんと動作しました。262.5Mbpsの速度を体感したいため、今はメインで使っているドコモのSIMカードに戻していますが、こうしたことが気軽にできるのは大きなメリットです。しかも、容量が大きなiPhoneは、SIMフリー版よりドコモ版の方が価格も安め。元々ドコモ回線を持っていて、今後も使い続けるつもりがあるなら、わざわざSIMフリー版を買う必要もないというわけです。

ドコモとauのSIMカードを入れ替えて使っている
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だんだん話が通信の方に向かっていってしまったので、ここで閑話休題。

最後に最大の特徴と言われている「3D Touch」について、触れていこうと思います。一番大きな変化であろう3D Touchを、あえてここまでスルーしてきたのは、自分の中での評価がしっかり定まっていないため。アプリのアイコンを深く押し込むと各機能へのショートカットが現れる「クイックアクション」は、確かに便利な半面、まだ対応しているアプリが限られています。正直なところ、プリインストールアプリぐらいはすべてこの機能が使えるとよかったのですが、計算機や天気、株価など、一部は非対応です。

使いたい機能を直接呼び出せる「クイックアクション」
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一方で、早速のアップデートでクイックアクションが利用できるようになったTwitterのようなアプリでは、すぐにツイート画面が呼び出せるメリットがあります。また、プリインストールアプリでも、ボイスメモを立ち上げる必要なくダイレクトに録音を始められたり、Safariでいきなりブックマークを表示できたりと、様々な機能が追加されています。アプリを立ち上げてから対応するメニューを開けばいいのですが、そのワンアクションを減らせるため、素早い操作が可能になります。

Safariやボイスメモなど、プリインストールアプリは対応しているものが多い
ほかにも、メールをチラ見して、未読のままにしておく「ピーク&ポップ」も、既読にして呼んだつもりになって返信を忘れてしまう自分のような人には、うれしい機能と言えるかもしれません。また、キーボード表示時に、グイっと押し込むと、トラックパッドのようにカーソルを移動できるのも便利。画面の上の方を触らずにカーソルの位置を変えられるため、指の移動範囲が少なくて済み、端末を安定して持つことができます。

メールを未読のままにしておけるのが便利


トラックパッドのように操作できる

このように3D Touchでは、様々な機能が実現しており、いくつかは実際に便利だと感じているのですが、評価が定まっていないと述べたのには理由があります。それは、やはりフリック、ロングタップに続く新たな操作体系になるため、どうしても慣れが必要なため。「ここで押し込もう」と一瞬考えてしまうため、その分、わずかな時間ではありますが、操作が中断されてしまいます。フリックやタッチだけなら、あまり複雑なことを考えず、流して操作できました。ここに押し込むという新たなアクションが加わったために、次に何をすべきかを迷ってしまうことがあるのです。

時間にしてみればわずかな違いなのかもしれませんが、快適さを感じるには、もう少し慣れが必要です。きちんとそれに慣れ、PCの右クリックのように自然に使えるのか、はたまた3D Touchがない以前のiPhoneと同じように使うことになってしまうかはまだ分かりません。ただ、こうしたユーザーインターフェイスに対する挑戦は、積極的に評価していきたいポイント。アプリの対応が進むことで、利便性を感じられるようになる可能性もあります。

このように、少し気になる点はありますが、少なくとも、以前のiPhoneより使いにくくなったというわけではありません。冒頭述べたように、パフォーマンスが上がり、カメラのクオリティも上がって正統な進化を遂げた機種に仕上がっています。円安ゆえの価格はややネックになりそうですが、買って間違いはなかったと評価しています。