ロボット電話『RoBoHoN(ロボホン)』から、シャープのパソコンテレビX1の影を炙り出す

OYOYO KOIDE
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2015年10月27日, 午前 06:30 in Muramasa
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シャープが2016年発売するモバイル型ロボット電話『RoBoHoN』のニュースで、同社の往年の名パソコンを思い出してしまった。ロボホンって、ちょっと『X1』っぽいとこありません?

実際のところシャープは昔から、ひとクセある、エッジの利いた、目の付けどころがアレな製品を続々と出してきた。たとえばWindows Mobileを搭載した孤高のスマートフォン『W-ZERO3』、超薄過ぎるモバイルノートPC(三菱電機の『Pedion』もたまに思い出してあげよう)『MURAMASA』、そしてビデオの出力端子から直接録画できてアナログ時代の産物のため録画ファイルが扱い易いと一部で評判だった携帯動画プレーヤー『MT-AV1』や、電卓とソロバンが合体している『ソロカル』などなど。
ニコイチプロダクトのなかでもひときわ際立つ『ソロカル』。シャープのなかの人のツイッターで盛り上がりました。

最近はニトリに本社ビルを売却したり虚構新聞のネタに乗っかったりと、本業外の出来事が話題になることが多かったが、モバイル型ロボット電話『RoBoHoN』のニュースは、久々に、ひとクセある、エッジの利(以下略)なシャープを思い出させてくれた。そして、生粋のX1ユーザーだった私は気づいてしまった。ロボホンはちょっと『X1』っぽいとこあるよね、と。

黒くてかっこいい

当時、パソコン(マイコン)の本体は、白というかアイボリーのような本体色が主流だった。しかし、シャープはX1turbo IIで本体色に黒を採用。X1の初代から本体色にローズレッド(赤)を用意するなど、独特な展開を行なっていたが、X1turbo II以降のモデルでは黒をラインアップに加えた。そして、ロボホンも黒い。

ロボホンは2016年前半に発売予定、価格は未定。

名称の付け方がX1っぽい

ロボホンのプレスリリースのタイトルは「モバイル型ロボット電話"RoBoHoN(ロボホン)"を開発」。このタイトルから、ロボホンは"ロボット(な)電話"であって、"電話(な)ロボット"ではないということがわかる。一方、X1の名称は『パソコンテレビ X1』。"パソコン(な)テレビ"というふれこみだった。

シャープの公式サイトによると、X1は「世界で初めてテレビとパーソナルコンピュータをシステム化」したとある。パソコンとテレビさらにはテープレコーダーもまとめ、デザインにも統一性をもたせて「欲しい!」と思わせる一台に仕上げた逸品。

パソコンテレビと言っても、1980年代の話なので録画機能はもちろん無い。録画できないのに"パソコンテレビ"って名付けるのってどうなの?っていう違和感は21世紀の今だから言えること。5インチのフロッピーディスクが主流でカセットテープにプログラムを録音(!)するのもアリという、VHSとベータの覇権争いが熱かったビデオデッキ全盛時代では、誰もそんな疑問をもたなかった。

『パソコンテレビ X1』はシャープのテレビ事業部がつくったパソコン。パソコンテレビということは、つまりあくまでも主は"テレビ"ということ。X1の製品化は、1968年の竣工以来、テレビの生産工場として活動し、現在は4Kテレビの企画・開発・生産を行なっているシャープの栃木工場が行なった。ロボホンが搭載する音声、画像認識に対応した人工知能『エモパー』は、シャープの携帯電話やスマートフォンをつくってきた広島工場が開発を担当している。"電話なロボット"ではなく、"ロボットな電話"となっていることをX1の名称と照らし合わせてみると、ロボホンの研究・開発に広島工場が深く関わっている可能性が高そうだ。

ウリの機能が"スーパーインポーズ"っぽい

X1が"パソコンテレビ"たらしめた大きな理由のひとつは、"スーパーインポーズ"という他のパソコンにはない機能があったこと。スーパーインポーズとは、X1の画面とテレビの画面を重ね合わせて同時に映し出す機能のこと。つまり、『パソコンサンデー』を観ながら『マイコンBASICマガジン』に載っていたゲームのプログラムを入力する、といったことが可能だったのだ。

X1 スーパーインポーズ"でグーグル検索した結果。古いことですし、画像が少なめなのがさみしいです。

1985年当時の私も、『X1F model20』を親に買ってもらってまず試したのがこの機能。同時購入したテクノソフトの"しゃべる"8方向スクロールシューティング『サンダーフォース』の宇宙ステージでスーパーインポーズを使い、暗黒の宇宙空間のところにテレビの映像を表示させてプレー......見難いのですぐ飽きてしまったが。X1ユーザーの多くは、スーパーインポーズでX1の画面とテレビの映像を重ね合わせて表示させる機能に、頭悪い言い方だが、ハイテクな感じ、近未来な感じ、今までにない感じを嗅ぎ取って興奮していた。ロボホンの公式サイトで公開中の動画を観てみると、まさにこの感覚、X1にとってのスーパーインポーズとでもいうような、ちょっとハイテクだけど実際にやるのは数回でいいか、みたいなものが散見されるような...。

ロボホンのコンセプトムービーのひとコマ。ロボホンに配車を頼んだ女性がタクシーに向けて上げた手の中には!

結局のところ、X1のテレビ機能で重宝したのはスーパーインポーズではなく、テンキーでチャンネルを変えたり、音量の上げ下げといったテレビでよく使う操作ができたことぐらいだった。前述のとおり録画機能など、当時のテレビの常識を覆すような実用的な要素はなく、PC-98やPC-88で圧倒的なシェアを誇っていたNECの牙城を崩すことはできなかった。"パソコンテレビ"という名称はいささか荷が重すぎたのかもしれない。

ダンスや二足歩行、コミュニケーションといっためだつ要素に目が行きがちだが、ロボホン普及のカギは、"モバイル型ロボット電話"という名称にふさわしい、通話やメールなど今の電話の基本機能を大きく変える"何か"を実装できるかどうかが握っているのかもしれない。

そんなRoBoHoNの記事はこちら

 
 

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関連キーワード: Muramasa, robot, sharp, w-zero3
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