1枚で世界90以上の国と地域で複数の通信事業者を選べる「Apple SIM」が日本でも発売されました。早速入手したので、iPad Proに挿入しての購入レポートをお届けします。
Apple SIMは、世界90以上の国と地域において、現地の携帯会社のデータプランをこれ1枚で契約できるSIMカードです。海外の空港に到着して、iPad上の操作だけで現地の携帯会社のプリペイドプランを契約でき、そのままデータ通信を始められます。現地プランは国際ローミングに比較して格安な場合が多く、Apple SIMは特に短期での海外渡航に大きな威力を発揮します。
このApple SIMは、SIMフリーのセルラー版 iPad Pro / Air 2 / mini 3 / mini 4で利用できます。(追記)なお非公式ではありますが、SIMロックが解除されていないセルラー版のiPadでも海外では使えるとの情報もあります。
11月17日よりこのApple SIMが日本のAppleストアにて販売開始。また、国内でApple SIMを使いauのネットワークを利用できるようになりました。auのプランは「LTEデータプリペイド」で、1GBごとに1500円を前払いして使うプリペイドプラン。事務手数料や基本料は不要。料金はクレジットカードで決済します。これにより、Apple SIMとセルラー版iPadを持つ外国人が、訪日中にApple SIMを使いauのネットワークでデータ通信を楽しめるようになりました。
これがApple SIMのパッケージです。アップルらしいシンプルなデザイン。
早速開封してみました。これがSIM台紙。SIMトレイを引き出すピンは付属しておらず、iPadの付属のピンを使う必要があります。
発売されたばかりのセルラー版 iPad ProでApple SIMを使ってみたいと思います。
Apple SIMをnanoSIMトレイにセットして、iPad Proに挿入します。
Apple SIMを挿入後、WEBブラウザを開くと上記ポップアップが表示されます。若干意地悪な説明文で、先に進むのみ「OK」を押せばいいのか「設定」を押せばいいのか迷います。この場合、設定を押すのが正解だったようです。(OKを押すとポップアップは消えてしまいました)
こちらがキャリア選択画面です。日本ではauのみ選べるとの発表でしたが、実際にはauのほかにGigSkyというキャリアも表示されます。同社は、世界90カ国以上でデータ通信サービスを提供している事業者。なお、GigSkyを選択しても『日本では利用できません』と弾かれました。
キャリア選択画面でauを選ぶと、上記のような画面が表示されます。まず初期設定を選びます。
暗証番号や住所、性別、氏名、生年月日、クレジットカード番号の入力が求められます。なお、住所は全角のみ受け付けます。iPadのフォントでは全角と半角の見分けが付きづらく、わりと入力に苦労しました。
入力が完了するとこのような画面に。指示に従い10分後に端末を再起動させます。
再起動中...
再起動すると初期設定が完了します。初めの画面に戻り、データチャージを選びます。
支払い方法(クレジットカードのみ)および、自動リチャージ回数を選びます。
自動リチャージ回数は、カードの有効期限またはデータ容量の残りが1%未満の場合に自動的にチャージされる回数のこと。1回以上からしか選べないので、プリペイドといえど、最低1回はリチャージする仕様のようです。
リチャージが完了すると「モバイルデータ通信プランが更新されました」というポップアップが表示。
数分待つとアンテナピクトが表示され、auの4Gネットワークに接続できました。
Apple SIM挿入からau LTEデータプリペイドの開通までにかかった時間はざっと1時間15分ほど。写真やスクリーンショットを撮りながらの作業だったこともあり長引きました。
なお、これはApple SIMというよりauのプランの感想ですが、メールアドレスや氏名、生年月日、住所の入力はもちろん、クレジットカード番号の入力は2度も求められるなど、開通までのプロセスは多い印象。すべてiPad上で行えるとはいえ、外国人がApple SIMがあるから安心だぞと思って日本にくると、案外てこずりそうな気がしないでもありません。
ただ、1枚のSIMカードで90以上の国と地域の主要な通信事業者に対応するというのは、SIMを探す手間を省けるという意味でも、旅行者から見て頼もしいのは確かです。