auの最新スマホは"選べる自由"が少ない? GalaxyとDIGNOを追加したラインアップを読み解く(週刊モバイル通信 石野純也)

石野純也 (Junya Ishino)
石野純也 (Junya Ishino)
2015年12月9日, 午前 06:20 in au
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auが、"ママ向け"と銘打った「DIGNO rafre」を、12月3日に発表しました。12月8日には、サムスン電子が、薄さ6.0mmの「Galaxy A8」を発表。こちらもauの冬モデルとなり、ラインアップは発売済みの「Xperia Z5」「iPhone 6s」「iPhone 6s Plus」と合わせて5機種になりました。冬モデルで出遅れたauですが、徐々に機種数を増やしているようです。 ママ向けをうたうハンドソープで洗える「DIGNO rafre」OLYMPUS DIGITAL CAMERA

au史上最薄の6.0mmを誇る「Galaxy A8」
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auの冬モデルを、ここまで発表を踏まえて、改めて整理してみましょう。

まず、ハイエンドモデルにはXperia Z5があります。こちらは、ドコモ、ソフトバンクで導入されているものと同じですが、カメラモジュールを一新し、背面にフロステッドガラスを採用した、ソニーモバイルのフラッグシップモデルです。ソニーモバイルで商品企画を統括する伊藤博史氏が「究極の集大成」と述べていたように、これまでのどのXperiaよりも高機能で、洗練された1台と言えるでしょう。

Xperiaシリーズのフラッグシップモデル「Xperia Z5」

ハイエンドモデルという意味では、iPhone 6、iPhone 6sも当てはまります。どちらも最新の「A9」をチップセットに採用しており、カメラも一新。静電容量式と感圧式のタッチを組み合わせた「3D Touch」を新たに提案しているのも、ポイントです。

iPhoneは6s、6s Plusともに取り扱う

12月に相次いで発表された2機種は、こうしたハイエンドモデルとは住み分けられています。DIGNO rafreに関しては、ハンドソープで洗えるという特徴こそつけられていますが、スペック的にはミッドレンジのど真ん中。チップセットには、いわゆる格安スマホと呼ばれる3万円台のSIMフリー端末ではおなじみの「Snapdragon 410」が採用されています。

スペック的にはミッドレンジで"ママ向け"の要素もやや薄い
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これまで、ハイエンド中のハイエンドと言える製品を出してきたサムスン電子も、この冬商戦では、やや控えめ。Galaxy A8は、薄さ6.0mmで、「Galaxy S6/S6 edge」であきらめてしまったmicroSDにも対応していますが、こちらもチップセットはオクタコアの「Exynos 5433」。ハイエンドと言えばハイエンドですが、Galaxy S6、S6 edgeで搭載された「Exynos 7420」と比べると見劣りします。元々、サムスンのGalaxy Aは、Sシリーズより機能を落とし、デザインや価格面で勝負したシリーズ。そのため、価格面でも、Galaxy S6/S6 edgeより、お求めやすくなるはずです。

Galaxy A8は薄さが魅力の機種だがスペックは抑えめ
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つまり、12月に追加したのは、ミッドレンジからミッドハイの2機種ということになります。DIGNO rafreも、Galaxy A8も他社にはないauならではのラインアップのため、差別化は図れています。その中でも子育て世代の女性を狙ったのがDIGNO rafre、より広い層を狙いつつ「GALAXY Note 3」からの買い替えの受け皿になるのがGalaxy A8ということになりそうです。

とは言え、ラインアップ全体を見渡したとき、いわゆるフラッグシップモデルが、すべて他社とかぶっており、日ごろから「差別化」を標榜するauとしては、寂しい印象が否めません。ドコモには「Xperia Z5 Compact」や「AQUOS Compact」のようなコンパクトモデルがありますし、ソフトバンクも「Nexus 6P」のようなフラッグシップモデルを用意しています。

フラッグシップからコンパクトモデルまでそろえたドコモ
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また、他社がミッドレンジをやっていないかというと、そうではなく、ドコモには「arrows Fit」があり、ソフトバンクはワイモバイルブランドでファーウェイの「P8lite」を「LUMIERE」として販売しています。差別化は図れているものの、十分なauならではの売りになっているかというと、そこには疑問が残ります。

ソフトバンクは「Nexus」を主力に据えつつ幅広いモデルを展開OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ミッドレンジモデルに関しては、SIMフリーやMVNO各社からも魅力的なモデルが出ているため、そこともバッティングします。普及価格帯だからと言って、決して甘い市場ではないのです。

率直に言えば、冬商戦向けのラインアップは、他社に完敗してると言っても過言ではないでしょう。日ごろから掲げていた「選べる自由」というキャッチコピーが、空虚に聞こえてきます。選ぶ楽しみについては、ドコモやソフトバンクの方が、しっかり提供しているからです。

もっとも、冬商戦は2月から3月にかけての、春商戦と一体となってきている感もあります。携帯電話が1年でもっとも売れるのがこのシーズンであるため、auとしても、こちらに注力したいというのが本音でしょう。

DIGNO rafreの発表会では、今この製品を提供する理由として、「1月からは学割商戦が始まること」(商品・CS統括本部長の山本泰英氏)が挙げられていました。この発言を素直に受け止めると、春商戦向けに、追加のラインアップも用意している可能性は高そうです。

春商戦では「選べる自由」が復活するか?
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ただ、ユーザーとしては、小出しにされるより、ある程度ラインアップとしてそろえてくれた方が、横並びでの比較がしやすくなります。また、春商戦は、冬に出し、価格がこなれてきたものがヒットする傾向もあります。学生向け、新社会人向けに特別な機種をピンポイントで発表するという例外はあってもいいのかもしれませんが、この時期に端末がきっちりそろっていないのは、不安になるところ。

場当たり的に端末を発表するのではなく、他社のように、きっちりラインアップを見せてキャリアとしての考えを打ち出してもいいのではないかと感じています。
 
 

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