1万円台のSIMフリースマホ UPQ Phone A01Xの実力は?ファーストインプレッション(週刊モバイル通信 石野純也)

石野純也 (Junya Ishino)
石野純也 (Junya Ishino)
2015年12月24日, 午前 06:30 in upq
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家電スタートアップのUPQが、UPQ Phoneのマイナーチェンジモデル「UPQ Phone A01X」(以下、A01X)を12月21日に発表。同日から、販売も開始されています。

A01Xは、先代の「UPQ Phone A01」(以下、A01)をマイナーチェンジしたモデルで、筐体自体は同一のものを使用。タッチパネルの認識点数が2点から5点に、ストレージ(ROM)が8GBから16GBにアップしているほか、画面下に配置されたナビゲーションキーの左右が入れ替わりました。チップセットやメモリ(RAM)などは、変わっていません。

マイナーチェンジモデルの「UPQ Phone A01X」
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ストレージは16GBにアップ



本体下のナビゲーションキーは配置を見直した
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新色として、前面がホワイト、背面カバーがブルー・バイ・グリーンの「ホワイトBG」も用意されました。若干のスペックアップを果たし、そのぶん値段も300円だけ高い1万4800円になっていますが、基本的にはA01に非常に近い端末。A01の在庫がなくなってきたことから、単純な増産ではなく、スペックを見直したという経緯があります。


新色のホワイトBG
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このA01Xは21日に販売を開始しましたが、実は発表会場でも購入することができました。その様子は、さながら新端末の即売会といったところ。その場の"ノリ"で、筆者もついつい買ってしまいました。まさか発表会で販売するとは思っておらず、物珍しさもあって真っ先に「買います」と言ってしまいました。


発表会場で販売されていた端末を購入


本稿を執筆している時点で、約1日使っているため、そのファーストインプレッションをお届けします。

元NECカシオに在籍していた女性が1人で始め、一気に17種類もの製品を発表したことで話題を集めたUPQ。一方で、初代のスマホであるA01は、技適が未取得のまま発売されるなど、大きなトラブルもありました。いい意味でも、悪い意味でも注目を集めたスマホと言えるでしょう。


UPQの中澤CEO
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そんなトラブルを乗り越えて発売した新機種が、A01Xになります。「安心してください。ついてますよ」と言わんばかりに、今度は技適マークもしっかり、正しい番号で貼られています。同社の代表取締役CEO 中澤優子氏が、発表会に技適の文章を持ち込み、報道陣に披露したことからも、同じ失敗は繰り返さないという意思が伝わってきました。


おもむろに技適の書類を取り出す中澤CEO
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とはいえ、技適の取得は、販売する上で最低限のこと。ついていて当たり前なので、ファーストインプレッションでも加点要素にはなりません。厳しい言い方をすれば、ようやく安心して買えるスタートラインに立っただけのことで、レビューでわざわざ言及するのはむしろ異例の事態ですが、少なくとも、A01Xに関しては、買ってすぐに回収されるハメにはならないと言えるでしょう。

その上でのファーストインプレッションですが、まず驚かされたのが、初回起動時の画面。通常のAndroidであれば、セットアップのガイダンスが表示され、そのままGoogleアカウントやWi-Fiなどの設定をします。

ところが、このA01Xについては、電源を入れると、いきなりホーム画面が現れました。とりあえず、電源を入れれば、最低限の電話はすぐに使えるので、気軽と言えば気軽といったところでしょうか。個人的には、他のAndroidの設定を引き継ぎたいので、きちんとセットアップ画面を出してほしいのですが、人によってはこちらの方がいいということもありそうです。


起動するとすぐにホーム画面が現れる


低価格のローエンド端末のため、パフォーマンスは決して高くありません。タッチへの追従性は、ハイエンド端末と比べれば低く、アプリの起動にも時間がかかります。

また、バックグラウンドでアプリをアップデートしていたりすると、動作がカクカクになることもあります。キャリアが販売する最新のハイエンドスマホに慣れた人が触るとビックリするかもしれませんが、ローエンド端末の割には普通に使えるというのが率直な感想です。TwitterやFacebookをちょっとチェックするぶんには、むしろそれなりに快適です。

Quadrantでスコアを確認してみたところ、結果は「1万4490」点。ここまで低い数値だと、実際の操作感にも少々影響が出てきそうです。特に、画像処理など、負荷のかかる作業には向いていないと言えるでしょう。


ローエンドの割には、比較的高いスコア


また、画面の解像度が854×480と低いため、どうしても文字の粗さが目につきます。スマホは特に顔に近い位置で使うデバイスであるため、この解像度だと、ドットの1つ1つが見えてしまいます。結果として、見続けていると、少々目が疲れるということは言えるかもしれません。この点は、ミッドレンジ以上のスマホとの大きな違いです。


画面の解像度が低めで文字はドットが目立つ
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カメラについては、予想していた以上にがんばっていた印象。蛍光灯下で撮った写真でも、それなりに明るくなり、背景もきちんとボケています。ただし、これはあくまでA01X単体で見たときの話。PCに移して大画面で見ると、やはりカメラを売りにする他の機種で撮った写真よりも、ノイズが目立ちます。

暗い場所でも、そこそこきちんと撮ることができました。もちろん、これもあくまでローエンドスマホとしての評価ですが、1万4800円でここまで撮れれば、大きな不満はありません。


屋内で撮った写真もまずまずだがノイズが目立つ


本体のデザインですが、1万4800円のローエンドスマホにしては、がんばっていると評価しています。この価格帯だと、金属やガラスのような素材を使うのは難しいため、どうしてもプラスチックが中心になりますが、塗装がしっかりしているため、そこまでの安っぽさはありません。

これが5万円台のスマホだと残念な気持ちになりますが、1万4800円でここまでできていれば、十分合格点だと思います。


本体のカラーがキレイで質感は悪くない
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ただし、それはあくまでハードウェアの話。ソフトウェアに関しても、もうひとがんばりしてほしいところがあります。気になったのが、ロック画面。時計とUPQのロゴが完全に重なってしまっており、正直、見た目があまり美しくありません。

UIはほぼAndroidの標準そのままで、シンプルに整理されていますが、ウィジェットの雰囲気もあまり合っていないような印象を受けます。電源キーを長押ししたときに出るメニューも、なぜか「Reboot」だけが英語表記。ここは、素直に「再起動」でよかったのではないでしょうか。

ロゴと時計の重なりが気になる


なぜか「Reboot」だけが英語表記に



右に移動になったナビゲーションキーが、「設定」なのも気になるところです。現行のAndroidでは3つのキーが並び、左から「戻る」「ホーム」「アプリ履歴」の順になっているのが一般的。ホームキーを長押しするとアプリ履歴が出るA01Xは、仕様としては変則的です。そのため、本来であればホームキーの長押し+上フリックで出るはずの「Google Now」も、アプリからしか呼び出せません。

ホームキーの長押しでタスクが出る仕様
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また、3Gがドコモの「Band VI」に対応していないのも、全国展開する上ではネックになりそうです。

購入した実機を都内で使っているぶんには、特にエリアが他の機種に比べて狭いということは感じませんでしたが、山間部などのルーラルエリアでは、いまだにBand VIの3Gしか入らないケースがあります。そのため、ドコモやドコモのMVNOでの利用を前提に考えるのであれば、この機種はあまりオススメできません。

A01Xに近い価格帯の製品はFREETELの「Priori3 LTE」があり、こちらは1万2800円で、Band VIに対応している上に、Wi-Fiも5GHz帯が利用できます。同価格帯の中で一段上のスペックを目指すFREETELらしい製品ですが、これと比べると、A01Xが見劣りするの印象を受けます。

総じて見ると、A01Xから受ける印象は、お値段相応といったところ。価格以上のお得感は、ありませんでした。もっとも、UPQはスマホ以外の製品も含め、カラーやコンセプトを統一することで同社ならではの"世界観"のようなものを打ち出しています。こういったところに共感できるのであれば、1台持っておいてもいい価格帯の製品です。

また、同社は2月に新製品発表を予定しているといい、そこではもう少しスペックの高いスマホが出る予定です。A01Xで満足できない人は、そちらを待ってみるのも手と言えるでしょう。
 
 

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