SIMフリースマホでシェア1位、ASUSが光学ズーム対応 ZenFone Zoom国内投入。バリエーションで攻めるその戦略とは:週刊モバイル通信 石野純也

石野純也 (Junya Ishino)
石野純也 (Junya Ishino)
2016年01月27日, 午前 11:59 in Asus
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SIMフリースマホメーカーとして、昨年はシェア1位に輝いたASUSですが、ZenFoneシリーズの発売ラッシュはまだまだ終わらないようです。1月25日には、HOYA製の3倍光学ズーム対応レンズを搭載したハイエンドモデル「ZenFone Zoom」を発表しました。

ZenFone Zoomは、背面に大型のレンズモジュールを搭載したカメラスマホで、光学3倍ズームに対応していながら、スマホサイズを超えないコンパクトさを実現しているのが最大の特徴。「潜水艦の潜望鏡(ペリスコープ)のような構造」(ジョニー・シー会長)となっており、ズームをしても、レンズが飛び出さない仕様になっています。背面は"いかにもカメラ"といったデザインですが、あくまでスマホのサイズや使い勝手はキープしているというわけです。

正面から見ると、スマホそのもの
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光学3倍ズームに対応
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デジタルズームを組み合わせると12倍に
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最上位モデルのチップセットには、インテルの「Z3590」を採用。「Z3580」を搭載する、一段下のモデルも用意されており、こちらはレザーを採用した「プレミアムレザー」版と、プラスチックを採用した「スタンダード」版に分かれます。

ただし、いずれのSKUでも、メモリ(RAM)は4GBと大容量。「性能怪獣」をうたった、ZenFoneシリーズの最上位モデルで、さらにカメラ機能も充実した1台という位置づけになります。


最上位モデル以外は、レザーとプラスチックの2種類を用意
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インテルの「Z3590」を搭載し、高いパフォーマンスを実現
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初のHOYA製レンズを搭載し、光学3倍ズームに挑戦した結果、発売までには少々時間がかかっています。ZenFone Zoomが最初に発表されたのは、2015年のCES。日本に投入されるまで、1年強かかっている計算になります。

ASUSのシー会長も、「クオリティや信頼性を重要視しており、実現するのに時間がかかった。薄型化やペリスコープを導入しつつ、スマートフォンを保護することにも注意深く開発した」と述べており、ZenFone Zoomの開発は、ASUSにとっても難関だったことが伺えます。


最初に発表されたのは2015年のCESだった
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カメラを重視するという際立った存在のZenFone Zoomですが、「ZenFone 2」には、こうした派生機が非常に多く存在します。日本で発売されている端末だけを見ても、セルフィーを強化した「ZenFone Selfie」、レーザーオートフォーカスを搭載した「ZenFone 2 Laser」やその6インチ版があり、グローバルでは、背面カバーをダイヤモンドカットにした「ZenFone 2 Deluxe」や、5000mAhの超大容量バッテリーを搭載した「ZenFone Max」なども存在します。

幅広い派生機を展開するZenFoneシリーズ

「2」がついていたり、いなかったりと様々ですが、これらはいずれも2015年中に発売されたZenFoneファミリー。日本では2月5日に発売されるZenFone Zoomも、海外での一部国では12月に投入されており、2015年のZenFoneの集大成と見ることもできるでしょう。

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いずれにせよ、この1年で、ASUSは非常に幅広いラインナップをリリースし続けてきたことになります。一時期は2014年に発売された「ZenFone 5」も市場在庫として残っていたこともあり、実に多彩
なZenFoneを選べる状態になっていました。

ただ、ユーザーとしては、デザインテイストが近いZenFoneがズラリと並んでいると、どれがどれなのかが少々分かりづらいようにも感じていました。結果として、スペックの近いZenFone同士で食い合ってしまわないのかも、心配になるところです。一方で、当のASUSは、こうしたバリエーションを持つことを、当然の戦略と考えているようで、シー会長は「2016年も続けていきたい」と語っています。


ZenFone Zoomを披露するジョニー・シー会長
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ASUSとしては、スペックでローエンドからハイエンドまでの差をスペックで出すというより、特徴的な機能を載せ、同じZenFoneというカテゴリーの中で様々なニーズを満たすようにしているようです。シー会長も「ZenFone 2は複数にセグメント化をし、種類を出した」と述べており、意図的に派生機を多く出していることがうかがえます。

それぞれの機種の目的は明確に設定してあり、ユーザーが何のために作られているのかが、すぐに分かるような名前の付け方をしている」というのが、ASUSの戦術と言えるでしょう。

結果として、昨年はグローバルでZenFoneが急成長しました。2014年は800万台だった販売台数も2000万台まで伸び、トータルで2800万台の実績を残しています。まだまだ数自体は少ないかもしれませんが、冒頭述べたように、日本のSIMフリースマホの中でもシェア1位に輝いており、シー会長の狙いは今のところ当たっているようです。

そのZenFoneの急成長を支えているのが、バリエーション戦略と言えるでしょう。ASUSが展開している地域は様々で、日本のような成熟した国から、東南アジアのような新興国まで様々です。こうした国々に等しく「ワンランク上の贅沢」(シー会長)を届けるには、同じZenFoneという傘の下に、バリエーションがあった方がいいというわけです。

バリエーションを出せるのは、成長している証

2014年の立ち上げから2800万台を出荷
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日本のSIMフリースマホでもシェア1位を獲得した
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バリエーションをきちんと出せるのは、ASUSがスマホメーカーとして成長している証でもあります。実際、メーカーは業績が落ち込んでくると、機種数を絞って開発効率を上げつつ、よりフラッグシップモデルに近い高機能なモデルに注力しがちです。それは、ソニーしかり、サムスン電子しかりで、より費用対効果を求めがちになるというわけです。

とは言え、それはあくまでメーカーの都合という側面もあります。洗練された最上級な1台に注力してその分コストを下げてほしいという声がある半面、ユーザーは、より特徴が明確で、自分に合った機種を選びたいとも思うからです。

シー会長は、2016年の目標販売台数を「3000万台」と定めていましたが、これをクリアするためにも、この路線は当面続いていくことになるでしょう。そのベースとなる端末の名称が「ZenFone 3」になるのか、はたまた「ZenFone(2016年モデル)」になるのかは分かりませんが、今年のフラッグシップモデルが登場するのも、今から楽しみです。

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