1週間のうち、拾いきれなかったをニュースを集めてお伝えします。今週は国産ステルス機 X-2、柔らかい曲面でも使える圧力センサー、Google のドローンによる無線インターネット接続の研究などをまとめました。
先端技術実証機の名称は「X-2」
先端技術実証機と言われても何のことかさっぱりわかりませんが、要するに国産初のステルス機(の実証試験用プロトタイプ)です。全長14.2m、全高4.5m、全幅9.1m。F-15 戦闘機に比べるとひとまわり小さいサイズにステルス性塗材やカーボン素材といった先端技術を採用しており、この機体による技術検証実績が、後の国産機開発は他国との共同開発の呼び水となることが期待されます。
[Image : Kosuke Takahashi / Huffington Post]
[Source : ATLA]
柔らかいところでも測定できるフィルム状の圧力センサー
具体的な応用分野としては、医療機関が使う薄い手袋に仕込んで触診の感覚を数値化したりといった、ヘルスケアや福祉、医療・スポーツ医療分野への応用が考えられています。センサー部のみなら光透過率は90%以上とされていることから、歪みが原因で困難とされる iPad の3D Touch 機能実現に活用できたりしないのかも気になるところです。
[Source and Image : EurekAlert]
大型ハドロン衝突型加速器で大掃除
電線の除去には、間違えて必要なケーブルを切断してしまったときのリスクもあります。LHC 全体がまったく動作しないだけならまだしも、安全設備の配線を誤って切断していれば大事故につながらないとも限りません。
CERNはこれまで、何度かLHCの強化工事を実施してきましたが、その際に不要となった配線をきちんと撤去していませんでした。その結果、次回の改良工事で新たな配線ケーブルを通すスペースが確保できなくなったとのこと。
現在、すでに2700本のケーブルが切り離されてはいるものの、すべての作業が終了するのは2017年になるとのこと。配線の掃除が大変ということよりも過去の工事の際にきちんと除去していなかったことのほうに驚くべき話かもしれません。
[Image : CERN]
[Source : Motherboard]
雪を溶かすコンクリート
このコンクリートは材料にカーボン粒子を混合しており、舗装時にはアングル鋼を電極として埋め込みます。またこのコンクリートは磁鉄鉱を多く含み電磁波の遮蔽にも効果があるとされ、軍用設備の建築にも応用が考えられています。
カーボンを利用した導電性コンクリートはこれまでにも研究されてきましたが、そのコストが問題となって実用化に至っていませんでした。ネブラスカ大学の導電性コンクリートは従来の路面舗装の2.5倍ほどのコストとされ、2016年3月までの期間で米国連邦航空局(FAA)による評価試験が行われます。もし、そこでの結果が良ければ、米国の主要な飛行場での実用試験が計画されるとのこと。
[Source and Image : University of Nebraska-Lincoln]
Google もドローンによるインターネット通信を研究中
成層圏にドローンを飛ばそうとしているのは Facebook のマーク・ザッカーバーグだけではありません。Google もまた似たようなドローンの運用を計画しています。Google は2014年にドローンを開発する企業 Titan Aerospace を買収しており、当初はソーラーパネルを搭載する電動のドローンを空高く飛ばし、主にGoogle Maps や Google Earth に利用する航空写真の取得に利用するとされていました。
ところが The Guardian が報じたところでは、Google は昨年立ち上げた Project SkyBender で、このドローンを使った 5G 無線インターネットの試験を実施しているとのこと。この無線インターネットはミリ波を使用し、その速度はギガビット毎秒クラス。しかし、高周波帯であれば信号到達距離は短くなります。この問題を解決すべくGoogleは自前の通信機器を開発中とされます。
Google は2013年に、バルーンを使って空からインターネットを届ける Project Loon を発表していました。Project SkyBender は Project Loon の姉妹プロジェクトに位置づけられる模様です。
[Source : The Guardian]