自転車の国際レース参加車両から隠しモーターを仕込む「メカニカルドーピング」がみつかった件で、国際自転車協議連合(UCI)は改造自転車を使用した選手に対し6年間の公式戦出場停止処分と罰金役230万円を言い渡したと発表しました。問題となっていたのは、2016年1月30日にベルギーで開催されたシクロクロス世界選手権において、女子U-23クラスに参戦していたFemke Van den Driesscheの自転車。UCIは競技終了後に新開発の高周波・磁気共鳴センサーで参戦車両の検査をしていたところ、問題の自転車にモーターが仕込まれているのを発見しました。
Van den Driesscheは自分が仕込んだものではなく、モーターがあることにも気づかなかったと主張したもののその場で失格となり、自転車競技における初の「メカニカルドーピング」発覚事例として報じられました。
自転車に仕込まれていたのは、サドル下部のフレーム内部にVivax Assistモーターとバッテリー。さらにハンドルグリップに巻かれた格好でBluetoothで接続するモーター起動ボタンも見つかり、もはや故意であることは疑いようもなかったようです。
UCI会長のBrian Cooksonは、「我々は検査機器の開発に多大な投資をしてきました。今回のケースはUCI、ファン、公正な競技を求める選手たちにとっての大きな勝利です」と自賛しています。
ちなみに今回の違反発覚以前にも、ツール・ド・フランスをはじめとする自転車競技において車両にモーターを仕込んでいるのではないかという疑惑はたびたびわき起こっていました。また競技中に転倒した自転車の車輪が回転し続けるといった「奇妙な現象」も確認されてはいたものの、これまでの通常の車検では発見には至っていませんでした。
・自転車世界選手権で初「メカニカルドーピング」発覚。フレームに隠しモーター、選手は故意を否定も罰金2400万円の可能性